結局振り返りはコンバインどころか3月にズレこんだ。
コンバイン会場で記者会見したRosemanが、Bradberryは放出しないという方向性を匂わせていた。
まあね。まだ戦力だと思うのであれば、キャップ上は意味がない放出という選択はないんでしょう。
2024シーズンについてはSlot起用もしない方向で考えているとのこと。
Fangio先生のもとで復活するかを楽しみにするシーズン。
ということでCB指名は即戦力にこだわる必要がなくなって、素材探しの旅に出ることになりました、という非常に大きなニュースでした。
今回は結局どうにもならなかったSポジションについてです。
開幕前の期待
開幕前の陣容は以下の通り。
OUT:Marcus Epps('19/Waiver←MIN|→LV)・K'Von Wallace('20/4巡→TEN)・|→LV('22/Trade←NO|DET)
Stay:Reed Blankenship('22/UDFA)
IN:Sydney Brown('23/3巡)・Justin Evans('23/UFA←NO)
<シーズン中に消えた人>Terrell Edmunds('23/UFA←PIT)
<途中加入>Kevin Byard('23/Trade←TE)
残そうと画策はしたものの後ろ足で砂をかけられた形でCJGJには出ていかれたことで2022シーズンから継続してロスターにいるのがBlankenshipのみという強気の戦力構成。(Eppsとの交渉の話は伝わっていないのでたぶん提示もせずに放流を許したはず)
FA補強もEdmundsというどこまでできるかわからないかつてのバストと、Justin Evansというインジュリープローンをいずれも最低保証賃金でお買い上げ。
やる気がないにもほどがある。
さすがにドラフトでは3巡というRoseman的には結構な投資をしてSydney Brownを獲得。
S(4)
Epps・CJGJというスターター2枚を両方手放してのキャンプイン。
ただ、ここも楽しみなメンツがそろっております。
#32 Reed Blankenship(Middle Tennessee State)6'1"(185cm)203lbs(92kg)24歳 2年目(0.9M・2/3・22-UDFA)
2022:10試合(先発4試合)32タックル(19ソロ)1INT 2PD
CJGJの負傷で急遽途中出場した試合でのAaron RodgersからのINTという衝撃デビュー。
それ以降もちょいちょいやられたりしながら出番を積み、迎えた2年目のキャンプ。
層が薄いとされていたSの先発争いは現地注目の的だったが、3・4回の練習を経てあっさりBlankenshipがロック。
もはや貫禄すら感じる出来だったとのことで期待は高まる。
#26 Terrell Edmunds(Virginia Tech)6'1"(185cm)217lbs(98kg)26歳 6年目(1.9M・1/1・23-FA-PIT)
2022(PIT):15試合(先発15試合)70タックル(41ソロ)2.0サック 2QBヒット/5PD
経験不足が否めないS陣にあって通算75先発の経験は貴重。
ただ、プレシーズンを通してパフォーマンスはずっと微妙だった気がしており、シーズンを通してお目にかかれるかは不明。
LBにもちょいちょい入っているという噂だったしプレシーズンでもそうだったが、どちらかというとこっちのほうが微妙だったのが悲しいところ。
ベテランなのに、と言ってしまうと失礼だが、STの評価はかなり高いようなのでそちらは期待している。
#21 Sydney Brown(Illinois)5'10"(178cm)211lbs(96kg)23歳 ルーキー(1.0M・1/4・23-D3b-66)
2022:なし
俺たちの希望。 とにかく守備範囲と攻撃性が高いS。
実は幼いころにひとり親だった母親が難病を患ったために極貧生活を送っていたようで16歳になってカナダからアメリカに来たのは何とかして生活を立て直すためだったのだとか。
そこからIllinoisでの成功とNFLからのドラフト指名という成功物語だけで胸は熱くなるが、この物語はまだ終わっていないはず。
とりあえずシーズン中にスターターを奪取していただければ順調だと思えそうです。
#30 Justin Evans(Texas A&M)6'0"(183cm)199lbs(90kg)28歳 7年目(1.6M・1/1・23-FA-NO)
2022(NO):15試合(先発4試合)26タックル(15ソロ)2TFL 1FF/2PD
2017ドラフトで2巡全体50位で指名されたほどの素質を持ち、ルーキーイヤーも活躍を見せながら、その後はつま先とアキレス腱に相次ぐ負傷を抱えて丸3年を棒に振った男。
素質は高いがプロ入りして評価を落としたベテラン、というRosemanが大好きな人種。
昨季のNOでのパフォーマンスはあまり存じ上げないが、Drake LondonからのFFはかっこよかった。
そしてプレシーズンは悪くなかったし、もっと言うならとてもいい買い物に見えた。
パフォーマンスでいうならWallace放出も当然の結果。
STでも輝けると聞いているので、何より元気に走り回っているところが見たい選手です。
53ロスター紹介2023 - 鷲の巣
あんまり期待してない感じでしたね。
結果
(数字はレギュラーシーズンのみ)
シーズン中に放出されたEdmunds、懸念通りケガで一切稼働しなかったEvansといった新加入ベテラン勢があまりにも酷かったことでシーズン中にトレードでTENからKevin Byardさんを獲得。
上の表からもわかるようにミスタックル率も低いし、スキームはボロボロだったにもかかわらず要所を締めていただいた記憶しかない。
劇的な改善にはつながらなかったが、確実にいい仕事をしていただいたとは思います。
そして彼に一番救われたのが、CBの項でも述べた、手薄だったSlot対策。
結局Robyに次ぐ2番目に多くのスナップをSlotカバーに割くこととなり、特にKC戦でのKelceのカバーなんかはお見事であった。
しかし根本的には、Byard1人入れたぐらいではどうしようもなかった運用者側の問題。
Byard加入当初はまだDesaiがDCだったはずで、当時は勝った試合でもなんでByard1人があんなにDB全体に警鐘を鳴らしていたのかよくわからなかったが、彼の懸念はその後現実に。
そう考えると賢くて優秀ないい選手だったんでしょう。
活かせなかったのが本当に残念。
特にPatriciaは万死に値する。
Blankenshipは2年目にしてパフォーマンスも安定。
ミスタックル率は高く見えているが、致命的なタイミングでのものはなかったはず。
アグレッシブにいって十分にバランスを崩したあとで同僚がとどめを刺した系のものもミスタックルにカウントされているのではないかと睨んでいるところ。
出来ればもう少しINT数を稼いでほしかったが、スキームが終わってたんでしょう。こればっかりは致し方なし。
Sydneyはどうだろう通用するんだろうか。
ちょいちょいいいプレーを見せてはくれるんだが、カレッジ時代からのミスタックルの多さは一向に改善されず。
Blankenshipとの違いは、惜しさのないミスタックルが多いこと。
Blankenshipはちゃんと体勢を崩せるタックルをしているのにこの男は気持ちよくヒットしたらそれがタックルにカウントされると勘違いしている形跡がある。
仕留めなさいよ。
その他、パスカバーでは、これもカレッジ時代の映像から懸念していたところではあるが、加速というか最後のひと伸びがないもんでちょっとずつ足りない。
これは改善可能な種類のものなのかよくわからないが、さすがにルーキーイヤーを終えただけなので期待のし過ぎも酷というものであろう。
人間性に疑いの余地はないのでこのまま育っていってくれることを期待している。
そんな矢先、Week18 NYG戦でACLを断裂。
2024シーズン開幕には間に合わないだろうし、2024シーズン全般において戦力外だと思っておいて差し支えない。
実に勿体ない。
来季に向けた展望
現地3/1にKevin Byardさんはカットされました。
悪くはなかったと思うんだが期待されていたほどのインパクトを残せなかったのも事実だし、10Mを超える当初のキャップ負担がデカかったのも事実。
まだあと1~2年は働けるはずなのでどこかでがんばってください。応援してます。
かくして元から長かったRosemanのシーズン中トレード失敗リストはまた1つ長くなったのでした。
もう絶対やるなよ。
さてこのオフの投資はどうするんでしょうか。
さすがにLBとSへの投資が乏しすぎるという点への批判は結構聞こえてくるところ。
2018以降からLBを大解体し始めたときもSにはMalcolm Jenkinsがいたしここに金を払うことについては厭わないはずなんだが。
戦力としては、上表の通り先発級がBlankenshipしかいないという点で1年前と状況は全く同じ。
Slotエリアのところをどうするかだが、Fangioスキームにおいてはこのエリアを守る選手の役割は都度変わるはずで、Sにもそれなりのものが必要だと推察しているところ。
なんで、あと2枚はいないと試合にならない。
タイプとしては、シングルハイも問題なくこなすBlankenshipと組ませることになるので、マンツーマン特化型とかだと幅が広がってありがたい。
問題は、これをFAで求めるか、ドラフトで求めるか。
3巡で獲ってきたSydneyも1年目で即先発とはならなかったことに鑑みても、FAで少し大物に触手を伸ばすのではないかと思われる。
さすがに今回もEdmundsとかEvansのようなゴミ拾いを2年連続でやると思えない、というのが主な論拠。
ということでFA候補者は以下の通り。
<Tier1>
Xavier McKinney(NYG):まだ24歳と若く、フィールドのどこでも、マンツーマンもゾーンカバーも選ばない万能Sは、NYG的にも今オフの契約延長最優先対象者に挙がっている気配。多分出てこない。
Antoine Winfield Jr.(TB):たぶん彼こそがSのマーケットセッター。ポジションも選ばない、タックルは堅実、マンツーマンも得意となると欲しくてたまらないが、それは32チームにとって同様。高すぎて手が出なそう。
<Tier2>
C.J. Gardner-Johnson(DET):こんなことがあるんだろうか。複数年でそれなりの額を提示したら来てくれるんだろうが、こんなことはあるのだろうか。DETも慰留するつもりという話。多分来ない。
Alohi Gilman(LAC):FSがメインの職場だったのでBlitzも入っていないしSlotのスナップ数もさして多くはないし、足は遅いしマンツーマンは苦手だが、PFFによるとゾーンカバーは相当に有能(90.3でリーグのS内で1位)とのこと。総合点も86.1という立派なもの。
Staleyの下にいたのでFangioスキームへの抵抗はないはずで、個人的にしっくりくる人選。
これ以外となると、Kamren Curl(WAS)とかGeno Stone(BAL)とかJulian Blackmon(IND)とかJordan Fuller(LAR)とかいろいろいるんだろうが正直違いがわからぬのでこの辺で。
Rosemanに言いたいのは、それなりに金払ってちゃんとした選手獲ってこいよ。
ということだけです。
ドラフトも多士済々。
コンバインで良く見えたのは、Sione Vaki(Utah)・Cole Bishop(Utah)・Jaden Hicks(Washington State)とかだが、やはりGeorgiaのJavon BullardとTyler Nubin(Minnesota)は別格に見えたし、同じくGeorgiaのTykee SmithはそもそもPHIネイティブなので欲しい。
ということで候補者は多い。まだ勉強しきれておりません。
こんなガッチガチにニーズに縛られた決め方は下の下だと思われるが、いいから黙って2巡までの3つの指名権を、EDGE→LB/Sで固めろよ。
CBはボスカレのElijah Jones君に光るものを見たので3巡以降で大丈夫です。