鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021ドラフティ紹介(その1:Landon Dickerson)

特にニュースもない週末、ドラフト前から言われていたJulioの移籍はPHIと関係ないものとしてとらえている次第。トラウマがあるのでAFCに行っていただきたい。NEとかでどうでしょうか。

他チームのドラフティの紹介などしてだいぶ時が経ってしまいましたが、PHIのドラフティの紹介を。全員分終わるかはわかりません。

褒めるにしても貶すにしても、それぞれの選手がどういう背景を背負っているかを知っていた方がいいのではないかという信条のもと、そのあたりを厚めに。
プレーがイケてるかどうかの判断はプロにお任せしたいし、結果はシーズンが始まればわかるのでそっちは薄めに。そういう具合でやっていきたいと思います。
まずは、今ドラフトの成否のカギを握る男から。

 

2-37 C Landon Dickerson(Alabama)6-5 330lbs


【生い立ちとFSUからAlabama】
ノースカロライナ州シャーロットから北へ1時間ほどのところにあるヒッコリーで育ち、地元の高校から移籍したりなんかして、最終的にはOG・OTで経験を積んで卒業時には4-starリクルートに。
NC内では、Clemsonから2019全体17位でNYGに行ったDT Dexter Lawrenceに次ぐ第2位の評価。Auburn・FSU・Georgia・Tennessee・Virginia Techという錚々たるオファーの中から選んだのはJimbo FisherのFSU。
FSUのOLでTrue Freshmanの開幕戦から先発したのは1982以来の快挙だったとか。

2年次のプレーをちょっと見たが、BAMAのPayne(WAS)相手にいい勝負をしていた。余談ですが、この2017開幕戦のAlabama – FSUで感じるのは、よくぞここから、と感動してしまうぐらいのHurtsの下手さ(当時)と、FSUのSweatの出足の速さ。あと、ちょっとしか出番がなかったDeVonta Smithはやっぱりガリガリ

 

以前にも少し触れたが、FSU時代の3年間でRG・LG・LT・RTでスタートしているが、どの年もシーズンエンドのケガを負うケガ耐性のなさ。そして、2019年5月にスポーツマネジメントの学位を取得してFSUを卒業。FSUが2017のJimbo Fisherの途中解任から2018にかけてゴタゴタしたことに見切りをつけたのか、トランスファーポータルに登録してAlabama入り。
そしてAlabamaのビジネススクールに入学。

BAMA初年度の2019は、Cで9試合、RGで4試合をこなし、5年間で初のシーズン完走、全試合出場を達成。
そして続けて順調に進んでいた2020シーズン。
ガシガシとドラフトストックを上げていき、全米No.1のOL陣のなかでも出色の出来を残すが、SEC championshipにて無念のACL断裂。

 

【人柄】 
これはもうこのドラフトにおけるPHIの選択として完全に共通していることだが、とにかくロッカールームでの評判が良い好人物。
相手を痛めつけたい気持ちが先行して、若かりし頃は不必要なプレーがフラッグを投げられることもあったようだが、成熟してそれも改善。規律はしっかりある。
いかにチームメイトから慕われていたかはこの負傷時の映像からも窺える。ちなみにこの映像より前に一番早く声を掛けていたのがDeVonta Smith。

 SEC championshipでの負傷から数週間後のNational ChampionshipのVictory Formationに参加したこと、あの有名な側転映像などからもいいやつに見える。

 

 

【選手としての評価】
<長所>
・上のスパイダーチャートでもわかるが、デカい。骨太。
・手の使い方が上手く、パスラッシュに対する処理に有効
・テコンドー経験があることと関連があるか知らないが、身体の使い方が柔軟というかまあそういうところがあるそう
・クイックネスも十分
・2線目でのLBのブロッキングも上手
・経歴からもわかる通り知的で、OL陣のアジャストメントの統率も問題なし
・OL陣の統率という点ではフィールド外でも同様
・キャプテン
Mac Jonesを筆頭にBAMAの選手が絶賛する、とにかくいいチームメイト
・OLの5ポジション全てで先発経験のあるバーサタリティ

 
<弱点>
膨大な負傷歴
 

以上が、ドラフト前の評価。

 

【希望】
ケガさえなければプロボウルもしくはオールプロレベルという評判の逸材。
個人的にはドラフトの成否は1巡2巡ぐらいで決まると思っているところ、Smithは大満足だが、本当に正解のドラフトだったかどうかの大きな要因を握っているのがこの男だと思っている。というかこの男のたくましい膝。
この呪われたフランチャイズ+負傷がちという経歴がどう出るか。Josh Sweatという良い方に転んだ前歴もある。

 

カレッジでは5年間で結局38試合の出場にとどまってこのレベルだと思うと、リハビリに明け暮れた日々から解放されたらどこまで成長してしまうのかワクワクする。
Stoutland先生もいらっしゃいますし。
現時点ではプレー的にも似ている部分があるので少々スケールダウンさせたQuenton Nelson(IND)ぐらいだと期待しているところ。現時点ではね。

 

Kelceと遜色ないほどプルアウトもスムーズで、Kelceよりもスナップは上手そう。
少し懸念しているのは、BAMAのパスプロテクションがスライドプロテクションばかりだったこと。PHIの映像を見直してみると、1テクをマンツーマンでシングルブロックしなければならないシーンも多いようで、その点似たようなシーンがBAMAではあまりなかったのでそこだけが心配。
2019シーズン時点では、vs AuburnでDerrick Brownのカウンタームーブにちょいとやられていたので、超一流のクイックネス相手にどこまでできるのかは蓋を開けてみなければわからない部分。

 

とはいえまずはリハビリから。
膝のことゆえPHIとしても慎重には進めていくのだろうし、厳密なタイムテーブルはないのだろうが、9月の完治を前提として、’21シーズンに彼の姿を拝めるパターンとしてはIOL3人衆のどこかにケガ人が出た場合の穴埋めもしくは全員健康なのであればLG Seumaloの出番を奪うかのどちらか。

後者であっても、シーズン中の組替えはやめていただきたいので、キャンプから超順調に進んだ場合のみLGのSeumaloの出番を奪うことを認めたい。
というかそうなれば'22でベースサラリーが倍増してしまうSeumaloはヤバいし潤沢な指名権を持つ'22ドラフトでLG指名まであるかもしれない。

 

ケガ人が出るにしろSeumaloの出番を奪うにしろチームとしてはあまりよくない状況なので、彼の’21シーズンは未知数のまま終わってしまうことが理想。たまにあるゴール前とかでのエクストララインマンとしての少ない出番を期待したい。そういう心持ち。