鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

Marcus Epps物語

Tarttの加入によってLB同様Sでも先発争いが巻き起こる見込み。
その片方の主役、Marcus Eppsについて。

経歴

Josh Allen・Logan Wilsonという逸材の輩出によってもはや名門となったWyoming大にウォークオンで入学した苦労人。
2019のドラフト6巡191位でMINに指名される。
ルーキーイヤーのMINではあまり出番に恵まれず、ほぼプレーしないまま11月にウェイバーにかけられ、直前に味方殺しのクソSでお馴染み、Andrew SendejoをリリースしていたPHIが拾う。
ロッカールームもSendejoのものを受け継ぐ。

結局2019はPHIでもSTメインの出番。よく名前を聞くようになったのは2020シーズン終盤、McLeodがACL断裂で離脱したあと。最終盤の3試合で先発出場。

SchwartzからGannonに体制が変わった2021はまたゼロからのスタート。序盤のMcLeod不在時の先発は2020ドラ4の2年目Wallaceに奪われる。
しかしWeek3@DALの1QにK'Von WallaceがZEKEにタックルした際にいつものように肩を傷めて退場して以来順調に出番を増やし、中盤のHarris離脱時にはそこを埋めて先発出場。
結局2021シーズンのDefenseスナップのうち45%に出場し、74%のHarris・61%のMcLeodに次ぐ出場機会を獲得。
一番効果的な使われ方だったのはMcLeod・Harrisと揃って3Sの一角として1LBのT.J.と組んだ時だった印象がある。
通常のFSとかSSとしてのプレーを見返してみてもおじさん2名よりも断然良いプレーをしていたというのが個人的な感想。

”俺はずっとUnderdogだった。ずっと疑われてきた。だけど他人から信じられることはあまり重要じゃなかった。なぜなら自分ことは自分が一番信じていたからだ。”と語れるのはどんないばらの道を進んできたからなのか。
3人の証言によって探っていく。

恩師の証言

1人目はカリフォルニア州Edison高校で30年以上HCを務めた高校時代の恩師・Dave Whiteさんによるもの。
「何人もカレッジフットボールに選手を送り出してきたからよく聞かれることがある。"Marcus Eppsは最高の選手だったか?"って。残念ながら答えは”ノー"だ。彼より優れた選手は他にもいた。」
「だが、"一番努力する選手は?一番賢い選手は?"と聞かれればそれはEppsだ。」

高校最終年には74タックル・3INTという成績を残しているが、それでも奨学金のオファーは1校しかなかったようで、結局ウォークオンでWyomingを選択。

評価者の証言

2人目はWyoming大で選手評価に携わるGordie Haugさん。
「Eppsの競争心と、チーム内外のすべての人を出し抜こうとする意欲は際立っていた。彼は要求されないことまでやってのけた。」

Eppsのハードワーカーぶりはチームメイトからも高く評価されていたようで、ウォークオンで入学後1年レッドシャツで過ごしたあと、Wyomingでは最後の3年間連続でキャプテンに選ばれるまでになった。

「Epps彼は終始、ゲームを知ることに執念を燃やしていた。彼は、これまでで最も勤勉な選手の一人だ。」といういのがHaugさんの評価。

そしてパフォーマンスも輝いた最終年の2018シーズン。
”Burlsworth Trophy”のファイナリストに選ばれる。
この賞はArkansasにウォークオンで入ってからメキメキを力を伸ばし、”ウォークオン史上最高の選手”という評価を得て1999ドラフト3巡63位でINDに指名されながら、ドラフトのわずか11日後に自動車事故で亡くなったBrandon Burlsworthさんを称えて作られた賞であり、要は"全米最高のウォークオン"に贈られる賞である。

ちなみに2018にEppsを退けて受賞したのはHunter Renfrow(LV)であり、史上最も有名なウォークオンであるBaker Mayfield(まだCLE)は2015と2016に連続受賞を果たされている。
ウォークオンなんて努力と執念でしかのし上がっていけない世界だと思うとこの賞のファイナリストというのは本当に素晴らしいと思う。

レジェンドの証言

"ハイキャラクター"を買われ指名されたMINでは当時のHC Mike Zimmerからも高い評価を得て53ロスターにも残ったが、シーズン中の出番にはあまり恵まれず。
とはいえこのチームはPHIがカットしたSendejoを獲得するためにEppsをカットしているのでこのあたりの動きがよくわからない。それほどの失態を犯したのかあるいは付き合いが長い方を優先したのか。

そしてPHI入りは2019の11月。
その当時のDBルームのリーダーは、あのMalcolm Jenkins。
このレジェンドの回想によると、”McLeodの控えだったがすぐに頭角を現してきた。とにかくプレーに関して色々知りたがるしミーティングでも質問は多いしビデオをよく観て研究していた。身体能力もあるしああいう地味な努力を続けられる選手は上手くなる”とまあ割と絶賛いただいていた。

そしてJenkinsがEppsに贈る助言はひとつ。”Brian Dawkinsとか俺とかを目指す必要はない。自分のできること、得意なことを見つけて伸ばしていくしかない。”
自身もDawkinsを目指した頃があったようでそのときにあまり上手くいかなかった経験から出た言葉のよう。
Eppsには胸に刻んでいただきたい。

特徴と使い方

結構万能なタイプだと思っているが、特筆されるべきはそのタックルの堅実さ。
スタッツで語ると、PFF算出の2021シーズンのミスタックル率は6.8%と2008シーズンのDawkins(8.3%)以来最高の数字だったとか。
さらにPFFで言うとランストップのレートはリーグのSで全体2位となる88.9(1位はSFのJimmie Wardで90.2)だったようでこっちの方面でも有能。
じゃあパスカバーはどうかというと、こちらでも過去2シーズンで44回ターゲットになり1TD3INTでレーティング56.3という大した数字を叩き出している。
トータルでPFFによると72.8というレートでリーグのSで92人中18位。
はっきり申し上げてオールマイティ。フロントセブンとCBの強化も順調に進んだ今季、もっと数字が向上しても不思議はない。

Tarttの加入でどうなるか、という使い方の部分だが、結局どこまでいってもTarttの健康状態が信用できないので、EppsとHarrisをメインに据えてオプションとしてTarttを3Sのパッケージで使っていくのが一番効率的なのではないかと思った次第。
それにしたってだいぶ幅は広がる。もちろんその3人ならEppsを前に置いてもよい。とにかくEppsの出番が増えることを祈っている。

前述のWhiteさんは「彼の時代が来たと思う。そして、彼はそれを証明すると思う」と期待を表明する。
Wyomingのチームメイトはかく言う。「あいつは正しい考え方を持っている。そして自分自身を信じている。他の誰もあいつを信じなかった時代から、いつもそうだった。そして、あいつは自分のすべてを捧げるだろう。」

自分への信頼とハードワークの物語。
ようやく出番が回ってきたがまだまだ完全な信頼は得ていない気がする。一日も早くそんな全員を見返すような活躍をしてほしい。
願わくば契約最終年となる2022シーズン、活躍を見せて大金を稼いで長くチームにいてほしい人である。