鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022シーズン53紹介

いろいろとニュースがあった気がするが一旦無視する。いよいよ始まるシーズンでの個別の選手への想いをさらけ出す時間です。
さらっと終わらせてやる。

書き方は昨年同様、選手の最後につけている()内の数字はサラリーキャップにおける今年度のヒット額と現行契約における契約年度数です。
キャップヒットの割に働いてない選手の炙り出しと、契約最終年の選手をわかりやすくする、という趣旨も昨年と同様です。

キャップヒットは、今年度支払われるサラリーとは別物です。Rosemanの場合頻繁に契約再構築を実施しますので彼らの財布に入る金額は当然この額とは異なります。
そして、契約年度数ですが、Hurtsの例で言うと、4年契約の3年目ということで3/4としております。
契約に関する金額その他はOverTheCapより引用しております。

ポジション毎に並べております。ポジション内の順番はこちらで勝手につけた序列であり公式ではありません。

Offense(23)

QB(3)

結局ここに誰かを見つけない限りチームは安定しない。

 

#1 Jalen Hurts(Oklahoma) 6'1"(185cm)223lbs(101kg)24歳 3年目(1.6M・3/4)
2021:15試合(先発15試合) 265/432 61.3% 3,144yds 16TD 9INT Rating:87.2 Sack:26

俺たちの未来。になれるかどうかが決まるシーズンを迎える。
ルーキーイヤーからは改善が見られた2021シーズンだったが、信頼と負荷を肩に載せたシーズン前半の不振というか実力不足感と、ワイルドカードTB戦で強力OLを信じられないプレッシャーへの敏感さとドロップバックの粗さ等からくるリリースタイミングの悪さなどの致命的な弱点の数々を改めて見せてくれたことによってまだまだファンを不安にさせてくれる男。
さりとてそのリーダーシップやストイックさは、同僚たち並びにコミュニティを心酔させてやまない。
信じたい。だけど信じていいかわからない。
なんとか答えであってほしい。そうは思いながらサポーティングキャストが望外に充実した2022シーズンに結果を出せなければ無念のお別れとなりかねない。
愛している。だからこそ結果出せ。頼む。あとはパフォーマンス。
今季は天敵・Todd Bowles(TB)との対戦がプレーオフまでないこと、Patrick GrahamもNYGからLVに移籍したこと等を考えると、超えるべき壁はDan Quinn(DAL)のみ。成績の向上はもちろん、地区優勝もしくはプレーオフ1勝が契約延長への本当に最低のライン。
優秀なQBは頻繁にやると言われている300ydゲームとかを見てみたいものです。

#10 Gardner Minshew(Washington State)6'1"(185cm)225lbs(102kg)26歳 4年目(2.5M・4/4)
2021:2試合(先発2試合) 41/60 68.3% 439yds 4TD 1INT Rating:104.8 Sack:5

実は先発よりも給料が高いバックアップ。
脚はあまりなくて肩も致命的に弱いが頭と判断は割と良くて何よりコントロールが非常に良く冒険が少ないという計算しやすい有能バックアップ。
リーグにはあと10年ぐらいいるんだろうし、なんならHurtsよりリーグで長生きしそうだがPHIとは今季限りとなる可能性濃厚。
キャラは最高。
シーズン中にHurtsがケガでもしたら無理をさせないためにもこの男の活躍はチームの浮沈のカギを握る。

#19 Ian Book(Notre Dame)6'0"(183cm)206lbs(93kg)24歳 2年目(0.8M・2/4)
2021(NO): 1試合(先発1試合)12/20 60% 135yds 0TD 2INT Rating:40.6 Sack:8

NOによる驚きの4巡指名からたった1年での放流となり、いつの間にかPHIのロスターに鎮座していた男。まあSinnettよりビッグネームであることに疑いはない。

シーズン中にお目にかかる機会がないことを切に祈る。

RB(4)

だいぶ補強が進んだロスターにおけるまごうことなき最弱ポジション。
ここへの投資を舐めすぎているのでどこかで痛い目に遭いそうな気がしてならない。

 

#26 Miles Sanders(Penn State)5'11"(180cm)211lbs(96kg)25歳 4年目(1.7M・4/4)
2021:12試合(先発12試合)137回 754yds(Avg. 5.5yds)0TD 1Fum 1Lost/26回捕球158yds(Avg. 6.1yds)0TD

ラン獲得ヤードNFL1位の強力ランユニットにおいてエースRBが残した0TDという衝撃スタッツ。
キャリー平均では立派な数字を残しているが、ケガが多く計算しづらいうえにとにかくショートヤードが弱く、いつの間にか落球王も襲名しており、ファンブル癖もあってシチュエーションを理解する頭がないので僅差でリードしている終盤に平気でサイドラインを割ったりする。これで干されてもいた。さらに危うく舌禍事件まで引き起こしそうになる程度にはフィールド外でも頭悪い。
さて、なんでまだこいつがエースなんでしょうか。なんと層が薄いRB陣でしょう。
擁護するなら、ルーキー時代の彼はパスキャッチも出来たしファンブル…は記憶にあるがプロテクションも堅実で試合終了間際に1st Downを獲得してニーダウンしていた程度には賢かった。
どこでどう間違ったのか。一刻も早くあの頃を思い出してほしい。
プレシーズン初戦にわずか6プレーで傷めたハムストリングの状態はだいぶ良くなったようで開幕戦には間に合う予定。
残留ラインは15試合出場、ラン獲得1,200yds15TD。さもなくば1巡でBijan Robinson(Texas)もしくは2巡でTank Bigsby(Auburn)。

#35 Boston Scott(Louisiana Tech)5'6"(168cm)203lbs(92kg)27歳 4年目(1.8M・1/1)
2021:16試合(先発4試合)87回 373yds(Avg. 4.3yds)7TD 1Fum 1Lost/13回捕球83yds(Avg. 6.4yds)0TD

2019シーズン終盤に現れた救世主は意外と替えがきかないまま単年契約で迎えるPHI4年目。
小さくて片手で倒されることもあるが、ショートヤードで意外な効率の良さを発揮する。的としては異常に小さいがパスキャッチもそれなり。ただ、ちょっと頭が悪くてプロテクションでは全くの無力。
エースにはとても据えられないがバックアップとしてはそれなりにやる。
が、やっぱり彼がRB2というのはなんとも物足りない。
そういえば彼もNOでドラフトされてた。

#14 Kenneth Gainwell(Memphis)5'9"(175cm)200lbs(91kg)23歳 2年目(0.9M・2/4)
2021:16試合(先発1試合)68回 291yds(Avg. 4.3yds)5TD 2Fum 1Lost/33回捕球253yds(Avg. 7.7yds)1TD

2021ドラフト5巡の2年目RBには、頼りないSandersを超えてほしいという期待があったがキャンプとプレシーズンを終えた現時点ではやや期待外れ。
単に期待が大きすぎた説はある。
ショートエリアを走るのが上手いのは認めるが、爆発的なスピードはないしおまけにキャンプでは派手に落球を繰り返していたと聞く。
その分野は得意だったはずですが。
初めてのオフを過ごして蓋を開けたら大エースになっていた、という夢のような話はどうやらなさそうだが、ブレーク候補には変わらない。


#34 Trey Sermon(Ohio State)6'0"(183cm)215lbs(98kg)23歳 2年目(0.9M・2/4)
2021(SF):9試合(先発2試合)41回 167yds(Avg. 4.1yds)1TD/3回捕球26yds(Avg. 8.7yds)0TD

こちらはSFにトレードアップしてまで3巡指名されたのに結局1年で放流されてしまった男。
このサイズで40yd4.61はスピード不足。ただ、パスキャッチも器用でプロテクションもそれなりにやるという噂。
渇望したパワー系であることに安堵はしたが、それでもLeGarrette BlountとかJordan Howardといった最近興奮したパワー系と比べると2段ぐらい落ちる。
SFでの試合を見たが、スピードに乗ってディフェンダーにヒットしにいけば3ydsぐらい稼げそうなところをどうもダンスして華麗に交わそうとする。
あんたそのタイプでもないしそんなスピードもなかろうよ。
ダンサー系RBはよほどの爆発力がない限り嫌いです。
どうにも興奮しない補強にはなったが、出番が来れば応援する。
考えるな。ブチかませ。
ショートヤードでダンスしたらブーイング。

WR(4)

本当にこの人数でシーズンに突入するんでしょうか。
毎試合誰かをPSから昇格させて賄うのだろうか。
それでは大興奮ポジションをどうぞ。


#11 A.J. Brown(Ole Miss)6'1"(185cm)226lbs(103kg)25歳 4年目(5.7M・1/5)
2021(TEN):13試合(先発13試合)105ターゲット 63捕球 869yds(Avg.13.8yds)5TD

ドラフトで欲しかったWRがことごとく攫われて泣いていたところにTENとのトレードでやってきた救世主。Hurtsの親友。
4年100Mでの契約延長となったが、ルーキー契約が1年残っていたので実質5年100M強という契約。現在の市場価格からすると、さすがに安いとは言い難いが若さを考慮すると適正水準以下だと思われる掘り出し物。
DeVontaの加入でやっと核が出来たPHIのWR陣に欠けていたRACの達人。
基本どこでもできるが、特にショートからミドルのフィールド中央で身体を張って輝けるタイプなので、サイドライン際のDeVonta、ディープのWatkinsとの棲み分けも完璧。
OTAでは合わなかったHurtsとも自主トレとキャンプを経て息ピッタリ(の予定)。
Josh AllenにとってのDiggsのような存在になってほしい。
とにかく早く試合でお目にかかりたい選手。

#6 DeVonta Smith(Alabama)6'0"(183cm)170lbs(77kg)23歳 2年目(4.6M・2/5
2021:17試合(先発16試合) 104ターゲット 64捕球 916yds(Avg. 14.3yds) 5TD

早まった。5年目オプションの行使はだいぶ先だった。だがまあもう決まっているようなものなのでいいでしょう。
AJをWR1っぽく書いたことに他意はない。ここだけは名前の順。WR1b。
2021のドラ1にしてWR不毛のフランチャイズに舞い降りた救世主。
まずは順当にフランチャイズルーキーレコードを更新した初年度を経て、このキャンプではケガで一時離脱はしたが復帰後のCLEとの合同練習ではキレッキレだった様子。
2021シーズンはエースWRのお仕事に縛られていたところもあったが、本来はスクリーンでも輝ける万能さを持ち合わせているので、AJとの相乗効果で使われ方というかボールの持たされ方にも変化が出そう。
なんならPuntのリターナーをやってもらってもよろしい。
そのあたりも含めたワクワク感に全く動悸が止まらない2年目。

#16 Quez Watkins(Southern Miss)6'0"(183cm)193lbs(88kg)24歳 3年目(0.9M・3/4)
2021:17試合(先発12試合) 62ターゲット 43捕球 647yds(Avg. 15.0yds) 1TD

1巡・5巡・6巡で3人のWRを指名した2020ドラフト。当たりはなんと6巡でした。
とにかくスピードがピカイチ。Madden 23のスピードレーティングでTyreek Hillに次いで全選手中2位タイとなる98をマークしている。
あんまりそのプレースピードを拝む場面がないのが寂しい。
課題はたぶんルートラン。
その点についてはプレシーズンで改善が見られたと思っているので、ディープの専門家としての活躍を大いに期待している。
AJとDeVontaがSの目を惹きつけるだろうからその隙にドカンとディープへ。よしイメージは完璧。
そのスピードを活かしてリターナーを。という期待は去年から持っていたが、実際にリターナーをやらせてみるとブロックを使うことが全くできず昨季途中でお役御免に。
そっちへの期待はありません。

#3 Zach Pascal(Old Dominion)6'2"(188cm)215lbs(98kg)27歳 5年目(1.5M・1/1)
2021(IND):16試合(先発13試合)69ターゲット 38捕球 384yds(Avg. 10.1yds)3TD    

SirianniコネクションでINDのUFAから加入。Rosemanにしては珍しく、無効年なしのシンプルな単年契約。
INDの4年で1,888yds獲得なのでまあペース的には大体Watkins。そう考えるとだいぶお安い。
WR1aのAJが、そのフィジカルなプレースタイルから想像がつくように毎年3試合欠場程度ケガでお休みする仕様になっているので、そこにハマってくれそうな人材。
このキャンプは食中毒でだいぶ出遅れていたが、プレ2の出来では2ndチームのレベルになかったので問題ないでしょう。
ゴール前でのTD量産に期待。

<IR>
#84 Greg Ward(Houston)5'11"(180cm)190lbs(86kg)27歳 4年目(0.5M・1/1)
2021:17試合(先発0試合) 11ターゲット 7捕球 95yds(Avg. 13.6yds) 3TD

出番は少なかったが意外なことにゴール前でスペースを見つけるのが上手いらしく3TDをした2021シーズン。
キャンプをずっとケガで過ごし、結果IRに。
パントのリターン(正しくはキャッチ)ができる器用な元QBはもしかしたら5人目の最右翼。

 

TE(3)

キャリアで4捕球しか実績のない選手がTE2です。いかがでしょうかこの陣容は。Goedertが抜けたら終戦の予感しかない。

 

#88 Dallas Goedert(South Dakota State)6'5"(196cm)256lbs(116kg)27歳 5年目(3.7M・1/4)
2021:15試合(先発14試合) 76ターゲット 56捕球 830yds(avg. 14.8yds) 4TD

昨季途中にデカめの契約延長をしたエースTE。
2021シーズンではルートラン当たりの獲得ヤードという指標でリーグ6位という実績を残したようで、数字的には立派だが敢えて挙げるとするなら、TDが少ない。
10TDを期待したが、ゴール前で高さを発揮するような場面もなかった(多分に投げ手側の問題)のがやや不満。
Kelce・Kittle・Andrewsあたりが形成する、ひとりで試合を変えられるリーグトップTE軍団には現時点でやや劣る印象。
堅実なキャッチ力とか競り合いの強さという面もあるが、何よりブロックが結構良い万能型。そして皮肉なことに、これがこの人の印象を地味にしている要因かもしれない。
あまりニュースにはなっていなかったが、キャンプも非常によかったらしい。
AJ加入のうまみは受けられそう。
ワイルドカードTB戦の出来は散々で、あの試合に関してはブロックもレシーブも物足りなかった。ああいう試合でこそ結果を残してほしいというのが今季の期待。
数字的には80捕球900yds8TD。
それとPitts(ATL)とかSchultz(DAL)を差し置いてKittleの次点で良いからプロボウル選出。

#89 Jack Stoll(Nebraska)6'4"(193cm)247lbs(112kg)24歳 2年目(0.8M・2/3)
2021:16試合(先発5試合) 5ターゲット 4捕球 22yds(avg. 5.5yds) 0TD

2021のUDFAはあまりテストもされないままにTE2として2年目を迎える。
2021PHIの特殊性というか、求められていたのはほぼブロッキングだったので捕球実績が少ないことは良いのだが、そのブロッキングでもこのプレシーズンはあんまり輝けていなかった。
彼の良さはどこにあるのだろうか。それを確認する2年目。

#81 Grant Calcaterra(SMU)6'4"(193cm)240lbs(109kg)23歳 ルーキー(0.7M・1/4)
2021:なし

2022のドラフト6巡198位指名。
脳震盪の影響で一時引退して消防士を目指したが、その後復帰。Oklahoma時代はHurtsのチームメイト。
ハムストリングの負傷でキャンプの大部分をお休みしたが、復帰後はプレ3も含めてまずまず。
レシービングTEとして一刻も早くStollからTE2を奪ってほしい存在。
とりあえず目標は大ケガをしないこと。14試合出場。

<PUP>
#80 Tyree Jackson(Buffalo)6'7"(201cm)249lbs(113kg)24歳 2年目(0.5M・2/2)
2021:9試合(先発3試合) 7ターゲット 3捕球 22yds(avg. 7.3yds) 1TD

並外れたフィジカルツールを持つ莫大なポテンシャルを持つ気がする男。
終戦のパントカバーでSipossのシャンクをカバーしに行っての自損事故でACLを切ってしまったのは誤算だった。
QBからのコンバートということでDarren Waller(LV)になってほしいという期待は常々吐露してきたところではあるが、ケガに加えてCalcaterraの加入もあり将来は不透明。とりあえずは一日も早い回復を願っている。

 

OL(9)

PHIが誇る最強ユニット。屋台骨。
Rosemanの良いところはここへの手入れを欠かさないことである。その結果、なんとロスターのOLが全員自前になりました。これは快挙と言って良いでしょう。
ここは呼ばれることも少ない選手たちなので読み方も添えて。

 

LT #68 Jordan Mailata(---)6'8"(203cm)365lbs(166kg)25歳 2年目(4.4M・1/4)
2021:14試合(先発14試合)914スナップ(82%)

ジョーダン・マイラタ(メイラタだったりマイラータするけど個人的にはマイラタ)。
フットボール未経験から大型契約を勝ち取った髭面のシンデレラが俺たちのLT。
陽気なキャラは最高だし相手のラフプレーには報復を忘れない漢気の人だし歌は上手いし。
しかし何といっても魅力はそのフィジカルから繰り出される強烈なランブロック。特にプルアウトしたときが最高。もはや単なるパンケーキ工場。
プロテクションも徐々に向上しており、あとはスピードラッシュへの対応だけが課題。
Tyron Smithがほぼいないシーズンなのでプロボウルはスタートライン。今季の勝敗ラインはオールプロ選出がなるか否か。

LG #69 Landon Dickerson(Alabama)6'6"(198cm)332lbs(151kg)23歳 2年目(2.0M・2/4)
2021:14試合(先発13試合)859スナップ(77%)

ランドン・ディッカーソン。
ACL明けの2年目ぐらいにKelceの後継者になってほしいな、と思っていた2021のドラ2はBrooksとSeumaloの離脱に伴いルーキーシーズン途中からRGを経てLGの先発に定着。
そしてMailataと共に並外れた巨漢が2人並ぶ恐怖の左サイドを形成。
最初はやや不安定だったがアンカリングも強力でプロテクションにも不安なし。
ケガの不安は常にあるが、まあ心配しないでおく。
Stoutland先生によると、このオフで一番成長したのはDickersonだったとのこと。
期待しかない。
今季もパンケーキ工場の副工場長として工場をしっかりお支えください。

C #62 Jason Kelce(Cincinnati)6'3"(191cm)295lbs(134kg)34歳 12年目(8.0M・1/1)
 2021:14試合(先発14試合)993スナップ(89%)*プロボウル・All Pro 1st Team

ジェイソン・ケルシー。正式にはケルスだったことがちょっと前に判明したが、本人曰くどっちでも良いらしいのでケルシー。
PHIファンの鼻息が荒い理由の8割はいよいよこの男の現役生活も終わりそうだから、に尽きる。たぶん。
2011ドラフトの6巡指名選手は、ルーキーイヤーから先発に定着。ケガに泣かされた年もあったが、4度のオールプロ選出を経たいまや完全無欠の鉄人。
現役C最長の122試合連続先発記録は、肘のケガも癒えたことで継続が確定。
チームへの期待が高まることを感じてか、このチームリーダーは最近アツいメッセージを出している。曰く、「まだ1勝もしてない。今はとにかくもっと良くなることだけを考えている。」とのこと。
キャラクターとしても最高だしプレーヤーとしても最高。特長はプロテクションとブロッキングのアジャスト、そして機動力。
パワー系のNTに手こずることもあるが、まだまだ衰えは見られない。
なんとしても有終の美を飾ってほしい選手。

RG #56 Isaac Seumalo(Oregon State)6'4"(193cm)303lbs(137kg)28歳 7年目(7.7M・4/4)
2021:3試合(先発3試合)168スナップ(15%)

アイザック・セウマロ。現地風に呼ぶとセィウマーロになるけどクセが強すぎるのでセウマロ。
カレッジ時代から器用で両GとCの経験はあったはず。
ということでケガで抜けている間にDickersonがあまりにもしっくりきてしまったLGから追い出されてRGへ。Driscollとの先発争いでもあるかと思いきやあっさりと定着。
5人の並びを見ると相対的に彼が穴っぽく映るが、パワーは十分だしプロテクションも安定感はある。健康なら何の問題もない。
そう、ドラフト時から彼の課題は健康維持だけ。
2016の3巡指名以来、全試合出場を達成したのが2019シーズンだけという圧倒的実力者なので今季も何かがあることは想定しておかねばならないでしょう。
お願いだから健康で過ごしておくれ。

RT #65 Lane Johnson(Oklahoma)6'6"(198cm)325lbs(147kg)32歳 10年目(11.1M・1/4)
2021:13試合(先発13試合)821スナップ(73%)*All Pro 2nd Team

レーン・ジョンソン。
先発の中で唯一の1巡指名。不作の2013ドラフトにおける全体4位はその後10年間チームを支え、3度のプロボウルと2度のオールプロに。
統計の取り方によるが、2021シーズンの被サックは"0"。当代随一のRTと言って良いでしょう。
そんな2021シーズン中もずっと具合が悪かった足首がこのオフにようやく完治したとのこと。”ここから2年ぐらいはキャリアベストになると思う”とは本人の弁。いやあと1年残ってるけど。
とにかく健康でさえいてくれればHurtsは右からのプレッシャーを心配しなくて良いでしょう。

C #51 Cam Jurgens(Nebraska)6'3"(191cm)303lbs(137kg)23歳 ルーキー(1.3M・1/4)
2021:なし

キャム・ジャーゲンズ。
通称ビーフジャーギー。ビーフジャーキーとアパレルの通販やってますので良ければお買い求めください。
Dickersonに続いて2年連続でKelceの後釜としてドラ2をC/Gポジションに費やしたわけだが、現時点ではどちらも大当たりピック。
そのスピード・パワー・そして知性、どれをとっても一級品。
Kelceに不測の事態が発生しても心配することはないし、なんならJurgensの出番を無理にでも作ったほうが良いという説もある。
可能性としてはSeumaloのところになるが、JurgensはカレッジでTEからコンバートされて以降一貫してCしかプレーしていないため、Gで試合に出た経験は全くない。
ただ、”出番を得るためになら何でもする”とおっしゃっていた言葉通り、Gも絶賛練習中とのこと。公式もC/G表記なのでGでの出番が先に来るかもしれない。
よし、来年も2巡はKelceの後釜に使おう。

T #63 Jack Driscoll(Auburn)6'5"(196cm)312lbs(142kg)25歳 3年目(1.0M・3/4)
2021:9試合(先発9試合)512スナップ(46%)

ジャック・ドリスコル。
2020の4巡指名選手は、現在最も汎用性が高い控え。2年間でRG8試合・RT5試合の先発経験あり。
右側の控えは問題なくできることに加えて、Dillard負傷中の今、LT2も恐らくDriscoll。そんなことをStoutland先生がおっしゃっていた。
若干パワー不足が気になるが、年々マシにはなってきている。どうせ出番は来る。今季も良い穴埋めをお願いします。

G #78 Sua Opeta(Weber State)6'4''(193cm)305lbs(138kg)26歳 4年目(1.0M・2/2)
2021:10試合(先発2試合)163スナップ(15%)

スア・オペタ。そのまんま。Iosuaというのが本名らしいが、Suaで良いのだとか。
2019のUDFAもとうとう4年目。ルーキーの2019はずっとPSにいたので実質3年目。おそらく今季で最後だが、次の職場には困らなそう。
コンバインで225lbsのベンチプレスを39回上げた怪力はプロでも十分通用しており、2021もCovidでDickersonが抜けたところを見事に穴埋め。
LG候補の筆頭。

G #61 Josh Sills(Oklahoma State)6'6''(198cm)325lbs(147kg)24歳 ルーキー(0.7M・1/3)
2021:なし

ジョシュ・シルズ。
3人しか残れなかったUDFAルーキーの一角。Jack Andersonを追い出してのロスター入りなので割と期待は高そう。
公式表記はGだが、プレシーズンではLTもプレーしていたし、カレッジでもLG・LT・RTで先発経験があるのでC以外はどこでも、といった汎用性の高さが買われたのか。
あまりプレーを見ていないので何とも言えないが、Stoutland先生の目は信じる。
それと、パント蹴れますので有事の際はお声がけください。

<IR>
T #77 Andre Dillard(Washington State)6'5''(196cm)315lbs(143kg)26歳 4年目(3.9M・4/4)
2021:15試合(先発5試合)340スナップ(30%)

アンドレ・ディラード。
2019ドラフト1巡で獲得した高額控え。
出番は非常に少ないのにそれでもケガをすることはやめない。
実のところこのプレシーズンでのパフォーマンスは非常に良かった。が、ケガするとは聞いていない。売っておけばよかった。
腕の骨折でIR入りしたが、10月ぐらいには出てきそうです。

<PUP>
T/G #64 Brett Toth(Army)6'6''(198cm)304lbs(138kg)26歳 4年目(0.6M・2/2)
2021:11試合(先発0試合)53スナップ(5%)

ブレット・トース。
2019のUDFAはMailataに次ぐStoutland先生の傑作になるはずだったが、2021最終戦で人知れずACLを断裂。
RTとしては割と安定していた記憶があるので復帰を楽しみにしている。

 

Defense(26)

DT(5)

ずっと強みだと思っていたポジションがいつの間にか足を引っ張っていた恐怖。
またしても補強したが現時点ではちょっと怖い。さてどうなることでしょうか。

 

#91 Fletcher Cox(Mississippi State)6'4"(193cm)310lbs(141kg)31歳 11年目(4.0M・1/1)
2021:16試合(先発16試合)35タックル(25ソロ)3.5サック 7TFL 12QBヒット 2FF 1FR 1TD

2010年代のオールディケードチーム選出。言わずと知れたレジェンドだが、衰えは顕著。さすがに3.5サックはつらい。
このオフには一度カットされてその後再契約。
だが、この名前はまだまだ影響力がありそうだしDavisの加入で何かが変わるかも。
最近はパワー一本槍っぽいプレースタイルになっている。
できれば頻繁にローテーションしたい。

#97 Javon Hargrave(South Carolina State)6'2"(188cm)305lbs(138kg)29歳 7年目(17.8M・3/3)
2021:16試合(先発16試合)63タックル(27ソロ)7.5サック 9TFL 18QBヒット 1FF 1PD *プロボウル

キャップヒットキング。
2021シーズン序盤はパスラッシュが絶好調で5試合で6サックと量産モードに入っていたが、その後ぱったりと音信不通に。11試合で1.5サックは非常に寂しい。
彼の問題はランストップの下手さ。というか弱い。
そこを補うためにJordan Davisを獲得したっぽいのでHargraveの負荷は減りそう。

#93 Milton Williams(Louisiana Tech)6'3"(191cm)290lbs(132kg)23歳 2年目(1.2M・2/4)
2021:17試合(先発2試合)30タックル(15ソロ)2.0サック 6TFL 6QBヒット 2PD

2021のドラ3。今季の大ブレーク候補。
比較対象がAaron Donaldという抜群の身体能力はあるものの、腕の短さと経験不足が嫌気されて3巡で指名できた男。
2021シーズン終盤にかけてランストップ・パスラッシュの両方で顕著な成長が見られた。気がする。
上2人が下降線にあるためこの男のブレークは実は必須。大いに期待している。
とりあえず5サック。

#90 Jordan DavisGeorgia)6'3"(191cm)336lbs(152kg)22歳 ルーキー(3.1M・1/4)
2021:なし

2022ドラフト1巡全体13位。
身体能力お化け。問題はこの身体能力をプレーに活かせるのかどうか。
 

公式では336lbsとなっているが、これを320lbsぐらいまで落としてもう少しスタミナ的な要素を増やしていただきたいところ。求められているのはまずOLをしっかり2枚食うこと。
そこはあまり心配していないが、全体13位が単なるランスタッファーだというのは許しがたい。
上積みしてほしいのがパスラッシュの面。あとプレー時間。
プレシーズンを見る限りこのあたりへの不安はどんどん膨らんでいる。
この身体能力を最大限活かせるようになればとんでもない化け物が出来上がるのはわかっている。問題はそれが出来るかどうか。
楽しみでもあり、怖くもあるルーキー。

#95 Marlon Tuipulotu(USC)6'2"(188cm)307lbs(139kg)23歳 2年目(0.9M・2/4)
2021:5試合(先発0試合) 5タックル(1ソロ)0サック

2021のドラ6は何も見せてくれないままシーズンを終え、トレーニングキャンプの評判は良かったがプレシーズンまでは2021とほぼ変わらない姿を見せてくれている。
MiltonとかDavisまでがケガしたら出番は増えるんだろうが、非常に怖いものがある。

DE(4)

パスラッシュの要であるはずのポジションだが何を求められるのかよくわからない人たち。
後述するOLBとの違いは、手をつく機会が多いかどうか、ぐらい。

 

#55 Brandon Graham(Michigan)6'2"(188cm)265lbs(120kg)34歳 13年目(9.4M・2/2)
2021:2試合(先発2試合)2タックル(2ソロ)0.0サック 1TFL 1QBヒット

チーム最長老。バストだったはずが34歳に至るまでどんどん成長してきている男。この男の天井はどこにあるのか。
アキレス腱断裂からの回復具合はだいぶよろしいようで、キャンププレシーズンと順調に経過。
"まだまだできる"とは本人の弁だが、次の契約云々の前にまずは健康に戻ってパフォーマンスがいかがか、というところを確認したいシーズン。

#94 Josh Sweat(Florida State)6'5"(196cm)265lbs(120kg)25歳 5年目(3.6M・1/3)
2021:16試合(先発13試合)45タックル(19ソロ)7.5サック 7TFL 13QBヒット 1FF 4PD *プロボウル

2018のドラ4。学生時代の数々の大ケガに苦しめられた元5-starの逸材の素質がようやく花開いた。3年40Mで契約延長してキャリアハイの7.5サックの記録を残して補欠ながらプロボウルに選ばれたのが昨季。
昔はスピード一辺倒だった気がするが、徐々にその長い手足を活かしてテクニック的にも安定感を増している。そしてランストップも非常上手い。完璧なエースEDGE。
練習の映像なんかでお目にかかるその足さばきの美しさには本当にほれぼれする。
期待値は10サックプラスα。
その名から取ったであろう、あの汗を拭うセレブレーションに何度も何度もお目にかかれることを期待してやまない。

#75 Tarron Jackson(Coastal Carolina)6'2"(188cm)254lbs(115kg)24歳 2年目(0.9M・2/4)
2021:17試合(先発0試合)18タックル(11ソロ)1.0サック 2TFL 1QBヒット

2021のドラ6。トゥロンという読み方が一番近い。
トゥロン少年が9歳のとき、3つ年上の兄が白血病で亡くなる。その背番号75は、7+5=12となり、亡くなった兄の年齢を忘れないためのものなのだとか。
というエピソードがらわかるように応援したくなる好青年であることに疑いはない。
プレー的には、パスラッシュの迫力はまだまだ足りないもののランストップなんかではそれなりに安定感がある。
天井が高いタイプではないと推察するが、それこそGrahamのように息の長い活躍を期待している。
今季はどこまで成長した姿を見せてくれるのだろうか。

#96 Derek Barnett(Tennessee)6'3"(191cm)259lbs(117kg)26歳 6年目(2.7M・1/2)
2021:16試合(先発15試合)46タックル(20ソロ)2.0サック 7TFL 11QBヒット

2017ドラフト全体14位指名。TJ Watt(PIT)とかJonathan Allen(WAS)とかがいたのに。完全なるバストなのにまだいやがる。
非常に良い補強をしたこのオフのRoseman最大の汚点。
反則王だしプレーも汚いしそもそも大した選手じゃないし申し訳ないがかけらも応援する気がおきない選手。早く去れ。

 

OLB(3)

DEと同じようにほとんどを1線目で過ごすが、基本は2ポイントでセットしており、結構頻繁にパスカバーに回る印象があったのが2021のこのポジション。
さすがにもう少しパスラッシュの比率を増やしてほしいがさてどうなるでしょう。

 

#7 Haason Reddick(Temple)6'1"(185cm)240lbs(109kg)27歳 6年目(3.9M・1/3)
2021(CAR):16試合(先発16試合)68タックル(37ソロ)11.0サック 12TFL 18QBヒット 2FF 1FR

サック数がリーグ31位だったPHIにCARからやってきたスペシャリストは地元出身。
2017ドラフトの全体13位指名。そうですBarnettの1つ前で指名されております。
指名されたARZでは使い方を間違われた節があるが、4年目にパスラッシュに専任させてもらえて開花。
本人は地元凱旋を非常に喜んでいるようで、なんとかうまくいってほしいと思っている。
カギはやはり正しい使い方されるかどうかだが、キャンプでは結構パスカバーに回されていたようです。
さてどうなることでしょうか。

#48 Patrick Johnson(Tulane)6'2"(188cm)248lbs(112kg)24歳 2年目(0.9M・2/4)
2021:17試合(先発2試合)17タックル(11ソロ)1TFL

2021のドラ7。優等生っぽいがあまりプレーの印象はない。
なにか記憶に残るプレーを1つぐらいお願いしたい。
STでは頑張っていたはず。

#58 Kyron Johnson(Kansas)6'0"(183cm)235lbs(107kg)24歳 ルーキー(0.8M・1/4)
2021:なし

2022ドラフト6巡。40ydを4.39で走るスピードが持ち味。
とりあえずSTで頑張るところから始まるのでしょう。
努力家だという評判なので終盤ぐらいから出てきてくれれば結構です。
目標1サック。

 

Off-Ball LB(4)

32チームのなかでもPHIファンはこのポジションの重要性を身をもって知らされている部類であろう。
長らく苦しめられてきた我らにとって、このポジションに欲しいのは"ちゃんと当たれる奴"という基本的なところ。
そういう意味では2017以来の陣容である。やっと揃った。
AJの加入は確かに派手だが、このオフに一番レベルが上がったのはこのポジション。

 

#57 T.J. Edwards(Wisconsin)6'1"(185cm)242lbs(110kg)26歳 4年目(1.2M・1/1)
2021:16試合(先発14試合)130タックル(64ソロ)1.0サック 5TFL 2QBヒット 1FR/1INT 5PD

世界中が誤解しているが、TJと言えばEdwardsである。Wattでは断じてない。
まあこの2人はWisconsinでもかぶってるみたいだしオフには一緒にトレーニングする程度に仲は良いみたいですが。
ようやく見つけた俺たちのエースLBなのである。UDFAから這い上がってきた努力の人なのである。
40ydを4.8で走っちゃったせいで2019のドラフトにはかからなかったが、プレースピードはそのタイムを感じさせない。
というかホールを見つけたときのプレースピードはびっくりするほど速い。
パスカバーが課題だと言われて久しいがその点も順調に向上中。
無限のレンジを守れるタイプではないが、クイックネスは十分あるのでそれほど不満なし。
ちゃんとプレーを見て評価してやってほしい。
なによりOLにしっかり当たって処理できるLBが中央にいるだけで周りはみんな動きやすいのである。
そういう意味ではWhiteとかDeanという派手な補強はあったが、一番替えがきかないのはこの人。
今季もそのヘルメットにはシグナルコーラーの証明である緑のシールが貼られている。
Gannonはよくわかってる。プロボウルに選ばれても全く驚かない。
早く長期契約結べ。

#43 Kyzir White(West Virginia)6'2"(188cm)234lbs(106kg)26歳 5年目(1.8M・1/1)
2021(LAC):17試合(先発17試合)144タックル(90ソロ)1.0サック 7TFL 4QBヒット 2FF/2INT 3PD

このオフの補強で一番噛みしめれば噛みしめるほど味がでるのがこの人と言って過言ではない。
2018ドラフトの4巡。ありがたいことにLACが放流してくださった。
落ち着いて正確なプレーリード、リード後の速いクロージングスピード、広いフィールドでSlotとかTEを消せるカバー能力、ボールへの嗅覚、どれをとっても素晴らしい。
OLが漏れてきたときの対処という意味ではTJより劣るが、横にTJがいると動きやすかろう。非常に好ましい。
スピードへの自覚があるからだろうか、最初のプレーリードがとても丁寧。
プレーアクションに無駄にひっかかってジタバタしないところがEricなんとかとは全然違う。
プレシーズンでも素晴らしいINTがあった。
ああいうのが何度見られるのだろう。本当に楽しみである。

#17 Nakobe DeanGeorgia)5'11"(180cm)231lbs(105kg)21歳 ルーキー(0.9M・1/4)
2021:なし

このドラフトの3巡。超強かった全米王者UGAの鉄壁のDefenseをDavisと共に支えた立役者。
事前評判では1巡指名は固そうだったが、結果して3巡までスリップ。あの時は大ニュースだった。
スリップした理由は、そのサイズと"手術しないといけないケガを抱えてるのに手術してなくて下手したらシーズンエンド"という嘘情報。蓋を開けてみるとキャンプも全日程元気に参加。個人的には1巡指名なら大反対だったが、3巡ならおおあり。
選手としての特徴は、やはりそのスピード。SECというパスハッピーなカンファレンスで鍛えあげられたパスカバーの能力に加えて、オープンフィールドでも爆発的なスピードで確実にタックルできる能力。
フィールドでの振る舞いもリーダーとして非常に好ましいものがある。
懸念はやはりそのサイズによるOL処理。
この点が個人的に1巡指名に反対した最大の理由。
プレシーズンでもこの懸念は発露した。ただ、あのときに横にいたのはTJではなかった。全くOL処理が出来ず結果してカットされたDavion Taylorだったからセーフ。
UDFA上がりのTJを見ている我々からすると、正しい努力は正しい成長につながることを知っているから現時点での心配はあまりない。
今季への期待は、限定的な出番でよいので1INT。

#54 Shaun Bradley(Temple)6'1"(185cm)240lbs(109kg)25歳 3年目(0.9M・3/4)
2021:15試合(先発1試合)23タックル(15ソロ)1PD

2020のドラ6。PHI近郊で育ち、PHIでのプレーを夢見た地元民。
プロボウル候補生。STerとして。
DEN戦でのFGブロックの立役者であり、CAR戦でのTJのPuntブロックでリカバーしたのはこの男。
STでのビッグプレーにはほとんどこいつが噛んでいる。
LBとしてはプレースピードが遅いところはあるが、絶賛成長中。
できればその曲線をもう少し持ち上げていただきたい。

 

CB(6)

DCがSchwartzからGannonに代わって目に見えて向上してきたのがこのポジション。
CB2については毎度長期的な解決が出来ていないが、もしかしたらこういうやり方もありなのかもしれないと思いつつある。出来ればドラフトで長期的なピースが欲しい。

 

#2 Darius Slay(Mississippi State)6'0"(183cm)190lbs(86kg)31歳 10年目(9.7M・3/4)
2021:16試合(先発16試合)52タックル(40ソロ)5TFL 3INT 9PD 1Pick6/2FR 2TD *プロボウル

30歳にして大充実のシーズンを送ったCB1。DCが変わった恩恵を一番受けたのはこの人かもしれない。まあDLにしわ寄せが行ってるだけですけど。
プレーに関しては言うことなし。衰え始めるのがもう少し先であれば何より。
「俺が今あるのはDETでの若手時代にベテランたちに色々教えてもらったからだ」と公言している頼れるアニキは若いCB陣にアドバイスを惜しまないし、雰囲気づくりも最高。DeVontaとの小競り合いはもはやPHI名物。
今季、キャリア10年目で初めてCaptainに選手投票で選ばれたときにはちょっと泣きかけたらしい。まだまだアツさは残っている。
今季もしっかり相手のエースWRを消し続けてくださいませ。

#24 James Bradberry(Samford)6'1"(185cm)212lbs(96kg)29歳 7年目(2.3M・1/1)
2021(NYG):17試合(先発16試合)47タックル(37ソロ)4INT 17PD/2FR

キャップ都合でNYGからカットされたところで大争奪戦が勃発。11チームからPHIを選んだ賢者。
2021にパフォーマンスを落としたという話はあるが、GannonによるCB運用なら大丈夫でしょう。
ケガもしないし、思ってたよりマンツーマンも出来そう。
今季、CBに関する懸念はない。

#29 Avonte Maddox(Pittsburgh)5'9"(175cm)184lbs(83kg)26歳 5年目(2.5M・1/3)
2021:16試合(先発5試合)73タックル(53ソロ)5TFL 0.5サック 3QBヒット 1INT 9PD 2FF

最初の3年間はストレスしか感じなかった記憶がある。
しかしNCBに移った2021に覚醒。サイズとトップスピードがないことで外CBとしては失格になったが、中に移ると意外にもBox内で輝ける根性の持ち主であることが発覚。
シーズン中に契約延長も勝ち取った。
NCBにアップグレードの必要性は全く感じていない。
今季もケガせず過ごしていただきたい。

#27 Zech McPhearson(Texas Tech)5'11"(180cm)191lbs(87kg)24歳 2年目(1.0M・2/4)
2021:16試合(先発1試合)16タックル(7ソロ)1FF

名前ですが、ザック・マクフィアソンです。Zechですが、ザックです。
2021のドラ4だったが、先発3枚がお元気だったのでほぼ出番なし。
一応外CBの控え。
現状はSTエース。CBとしてはもう少し球際とかクロージングスピードに改善が欲しいところ。

#28 Josh Jobe(Alabama)5'11"(180cm)190lbs(86kg)24歳 ルーキー(0.7M・1/3)
2021:なし

UDFAからのロスター入り。背番号が38から28に変更になっております。
あれだけちょいちょい出資していた若手CB陣をブチ抜いてプレ初戦からCB2に。
BAMAでは2020から先発を張っており、2020は良かったが2021にパフォーマンスを落としたことでドラフト漏れ。
その要因であったケガについてはもう治っているようなので心配なし。
オープンフィールドでのタックルは堅実。Cov.2のCBとしては良い能力をお持ち。
外CBとしての出番はあまりないかもしれないが、まずは評判が良いSTでの活躍から拝見したいところ。

#33 Josiah Scott(Michigan State)5'9"(175cm)185lbs(84kg)23歳 3年目(0.9M・3/4)
2021:13試合(先発0試合)12タックル(8ソロ)1TFL 1.0サック 1QBヒット

2020のドラ4でJAXに指名されたが体制変更で安い対価でPHIへ。
あまりお目にかかってないので特に印象もない。
仮にMaddoxが傷んだ場合、そこを埋めるのがMcPhearsonかScottかは不明。

 

S(4)

McLeod・Harrisという2021の陣容から明確にアップグレードできたと思っているのは私だけでしょうか。

 

#22 Marcus Epps(Wyoming)6'0"(183cm)198lbs(90kg)26歳 4年目(1.0M・4/4)
2021:14試合(先発14試合)72タックル(36ソロ)2TFL 1QBヒット 1INT 3PD

晴れて先発Sに名乗りを上げた苦労人。
タックルも堅実だし守備範囲も広い。現地ファンがこいつに気づいていないことに本当に腹がたつ。
最終年に当たるのでシーズン中に契約延長してほしいですね。という希望もまずはパフォーマンスを見てから。
心配はあまりしていない。期待しかない。
彼については前に長々と書いた記憶があるのでお時間があればまあこちらでも。

eagles-nest.hatenablog.com

レジェンド・Malcolm Jenkinsの言葉が全てだと思う。
"Brian Dawkinsとか俺とかを目指す必要はない。自分のできること、得意なことを見つけて伸ばしていくしかない。"
勝負の年である。頑張って大金稼いでくれ。

#23 C.J. Gardner-Johnson(Florida)5'11''(180cm)210lbs(95kg)24歳 4年目(2.5M・4/4)
2021(NO):12試合(先発11試合)46タックル(32ソロ)4TFL 4QBヒット 3INT 7PD

欲しかったHarrisの上位互換。プレースピードという意味で。
タックルも堅実だしレンジも広い。スキームフィットも問題なさそう。
一番好ましいのはGannonの消極性を一人で消せるかもしれないところ。
前めのSとしては非常に良い補強だと感じ続けている次第。
トラッシュトーカーとして有名だが、PHIにはその筋のレジェンドであるBrandon Grahamもいるし文化に馴染まないということはなさそう。
NOでの契約延長交渉では、どうやら参照するポジションを巡ってもめていたようで、NO側はSとして、CGJ側はCBとしての協議となったため決裂に至ったとのこと。
現在はご機嫌のようなので、シーズンが進んでSとしての適性を見たうえでSとして契約延長できれば万々歳です。

#32 Reed Blankenship(Middle Tennessee State)6'1"(185cm)203lbs(92kg)23歳 ルーキー(0.7M・1/3)
2021:なし

UDFAで契約してからずっとロスター入りを熱望していた選手がついに夢を叶えた。
聞いたことのない大学で5年間スターターを張り続けたという異例の経歴を持つ男は、
実際にそのタイミングがくるまで、"1秒たりともロスター入りを確信できた瞬間なんかなかった"という。
そして、当然のことだが毎日毎日驕ることなく努力を続けた結果、ついに夢のNFLロスター入り。
まずはSTから実力を証明していかないといけない立場ではあるが、懸念は"5年間スターターを張り続けた"というところ。つまり、STではあまり出番がなかったのだそう。
だが、"STから始めなければならないということは完全に理解している"として、これもDefenseのプレーと同等以上の熱量で取り組んでいる様子。
Tarttを放出してまで残したのだからSirianniもRosemanも、なんならGannonもClayも何かを見たはず。
プレシーズンを見る限りその目は間違っていなさそう。
攻撃性が高そうな選手で、Dimeで使うには結構使い勝手が良さそうな感触はある。
この男ならロスター入りに満足することなく努力を続けてくれるでしょう。
Defenseでの目標は50スナップ1PD。STでは10タックルぐらいでひとつよろしく。

#42 K'Von Wallace(Clemson)5'11"(180cm)205lbs(93kg)25歳 3年目(1.1M・3/4)
2021:13試合(先発3試合)15タックル(12ソロ)

2020ドラフト4巡指名。
あの年のドラフトは本当に酷かった。HurtsDriscollWatkinsぐらいしか当たりがいない。まあ3人当たれば良いのか。
そしてこの男もハズレの部類。
期待された2年目シーズン、故障明けのMcLeod復帰までの期間を先発で過ごすが、あまりのひどさといつものケガでその出番をEppsに攫われた。
いまやEppsは先発である。ずいぶんと差がついたものだ。
守備範囲が狭く、球際も弱いし頭も悪そうなプレーが多い。そして肩でタックルにいって自爆してIR入り、というパターン。
ソフトにプレーしなさい、とでも言うと思ったのか。
これならChachereの方が良かったと思うけどな。

 

ST(3)

まだ解決していない問題は、いったい誰がリターナーを務めるのでしょう?というところ。

 

K #4 Jake Elliott(Memphis)5'9"(175cm)167lbs(76kg)27歳 6年目(2.9M・3/5)
2021:17試合 XTP 44/44(100.0%)FG 30/33(90.9%)LG 58yds *プロボウル

2017のドラ5でCIN入り。CINが指名したKというのはもはや安心のブランド。
2020の不振を乗り越え、完璧な成績での復活を果たした2021シーズン。プロボウル選出は当然。なんで補欠なのかがわからない。
運動神経抜群のこの男への期待は大きいが、言葉にすると短い。今季も頼む。

P #8 Arryn Siposs(Auburn)6'2"(188cm)212lbs(96kg)29歳 2年目(0.9M・2/3)
2021:17試合 55回 LNG:68yds グロスAvg:43.9yds ネットAvg:38.8yds Inside20:17回

シャンクを連発した最終Week18のDAL戦の3回29ydsという成績と、そのカバーでTyree JacksonのACLを切るという利敵行為を働いた男だが、結局何の競争もなく今季もロスター入り。財布事情的に仕方がなかったとはいえ2020オフにJohnston(HOU)を手放したのはやはり失敗だった。
とはいえ本人的に課題は明確だったようで、"ボールの落とし"という点に集中してオフに取り組み、プレシーズンを見た限りは問題なさそう。
というかこれが本当に改善されたかどうかは冬を待たないとわからない。
まったく難儀なPを持ったものである。
飛距離は出ないがコントロールは良い。
顔がロモに似ている。あるいはBradford。どっちにしても負け顔ではある。

LS #45 Rick Lovato(Old Dominion)6'2"(188cm)249lbs(113kg)30歳 6年目(1.1M・2/3)
2021:17試合出場

そういえば去年はロスターの人員調整の関係で一瞬カットされてた気がする。
特になにもない。今季もよろしく。

 

Coach

勢い余って彼らにも。さすがに主だった人だけ。

 

HC Nick Sirianni(Mount Union)41歳 2年目 6-7 million

PHIの情熱を体現する存在。
Offense畑だが、プレーコールはイマイチだったと思っており、今季からその役割をOC Steichenに委譲。
ゲームプランは一緒に作るとのこと。
特長はやはりその人柄で、試合後のスピーチでは毎度メモを見ながら話しているのが印象的。
たぶんちゃんと用意してちゃんと発揮したい真面目な人。そんな人にプレーコールもゲーム運びも、と求めるのは酷だというもの。
とにかく選手との距離感が近いコーチで、トレーニングキャンプの練習メニューも疲労度とかを考慮した科学的というか先進的というかソフトというかそんなもの。
とはいえ、NFL選手というテストステロン値が並の人間と比較できないような野獣たちを乗りこなす手腕はなかなかのもの。心配なのは彼がフレッシュじゃなくなったとき。
プレシーズン初戦でNYJのSalehに吼えていたようなシーンを何度も見られるシーズンになりそうです。
あれだけ負けたチームを空中分解させずに初年度からプレーオフに導いた手腕は立派。
今のところ大当たりのコーチです。

 

OC Shane Steichen(UNLV)37歳 2年目

読み方は、シェイン・スタイケン。Offense哲学的なところは不明。
今季からOffenseのプレーコールを担うが、LAC時代の評判はあまり良くなかった。あの時はAnthony Lynnの思想が強く入りすぎていたのだと理解しているので、それほど心配はしていない。
あまりHurtsに載せすぎないように。最大の強みはOLなのでここをしっかり活かした上でやっていってください。
とりあえずは序盤を楽しみにしております。

 

DC Jonathan Gannon(Louisville)39歳 2年目

Hurtsを超えるかもしれない今季最大の不確定要素。
2021シーズン最大のストレスは、この男がタクトを振るった歴史的なまでに消極的なDefense。
思想としては"ビッグプレーを防ぐ"ということに重心がおかれており、その結果発生したのがSとDLの間に出来た30ydsの深さに及ぶ真空地帯。
それをLBだけで止めろとはどだい無理な話。
ある指標(Football Outsider)によると、2021のDefense効率は25位。
事実として、被パス成功率はリーグ最下位の69.4%。トップのBUFは56%である。こんな理不尽が許されようか。
そしてブリッツ率も下から2位の16%。それでいてサック数は29個で堂々の31位。許しがたいことこの上ない。
とにかくトップクラスのQB相手には何もできなかった印象がある。
それを改善すべくRosemanが選手のテコ入れに乗り出した結果、ピカピカのロスターにはなったが、果たしてこの素材を料理することで評価されるのかが不明。
悪い結果なら叩かれるし、良くても素材のおかげだし。
とかく難しい舵取りを任されるわけだが、すべては身から出た錆。
しっかり良い結果を残してどこかのHCになっていただきたい。

後任はVic Fangioです。

 

STC Michael Clay(Oregon)31歳 2年目

Oregonを出て、MIAのPSに一瞬選手として所属。
翌年にカレッジ時代のHCの縁でPHIのDefenseのquality controlとしてコーチングキャリアを開始。そのHCの名をChip Kellyという。
直接的にはSFのASTCから引き抜いたわけだが、こいつとGannonからはどうも無能の匂いがする。
Dave Fippというハズレを放流して雇い入れたはずが、FippがDETにいってそこで余裕でPHIより良い成績を収めているのがこいつのことを疑ってしまう原因。
改善いただきたいのは、Fipp時代から課題だったリターンゲーム。
そしてここまでは改善の気配なし。頼みますよ。

 

OLC Jeff Stoutland(Southern Connecticut)60歳 10年目

Chip Kelly最大の功績がStoutland先生をAlabamaから引き抜いてPHIに連れてきたこと。
その後、賢明にも、PHI首脳陣はChip→Pederson→Sirianniと政権が交代するなかでもこの至宝を手放さなかった。
育てたオールプロは何人だろうか。
彼の功績は計り知れない。
奥様含めてPHIという街を愛しているようで、帰るならAlabamaしかない、ということは公言されているが今のところ自発的に出ていく心配はなさそう。
心臓に持病をお持ち。2021シーズンも一度試合に現れなかった。その時の大男たちの不安そうな顔つきよ。俺たちのビッグファーザー。ずっと健康で過ごしていただきたい。