鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022 Week10 vsWAS感想

順調順調またこの感じか、もうちょっとヒリヒリする何かが見たいもんですよ全く。
という感想だった試合開始3分経過時点。
もちろんこれで終わりではないんだろうが、まあおおよそその後に何が起こるかの予想はついた。

 

結果PHI 21-32 WAS

 

予想外だよ。

 

今季初の敗戦。
どこかで来るんだろうと思ってはいたが、いざやってくるとまあまあ腹立たしい。
よく去年はこれに9回も耐えたものです。

 

展開振り返り

負けたので割愛。

 

敗因の一つはとにかくランが止まらなかったこととMcLaurin vs Slayが延々止まらなかったこと。
だがこれだけでは負けるまではいかなかったはず。

 

その嫌な雰囲気に猛烈な後押しをしたのが、Offenseの3TO。
内訳は、AJのドロップがDBの手に入った不運なINT(Hurtsのパスは完璧だったがAJが落球、だけど正解はあのダブルカバーに投げないことなので微妙にだがHurtsに載る責任の方がやや多い気がするプレー。)と、
4Q残り9分強で2点ビハインドながらいつものCJGJのINTから逆転ムードのドライブで飛び出したGoedertのスクリーンプレーからのRAC中のファンブルロスト(もうあまり言いたくないがLB Jamin Davisにフェイスマスクをがっちり掴まれたところにDT RidgewayがのしかかってきてGoedertはファンブルロスト&肩のケガでIR入り)と、
4Q劣勢の4Q残り6:00弱でWatkinsが50ydsレシーブ決めたもののタックルされた際にファンブルロストをかましたプレー。

 

AJのものはDefenseのナイスプレーでもあるし、投げ手のHurtsにとってもAJにとってもやや事故的なところがあるので致し方ない。
(あのテのロングパスを「投げるな」、とは言いたくない)

 

Goedertのプレーについては反則見逃しまではよくあることなのでまあ許すにしても、それでケガさせられてるんだから何とも釈然としない。
"危険なプレー"だから"反則"と規定されているんだよわかるかね審判諸君。
まあ結果的に反則がコールされていてもGoedertはケガしていたはずなので憎むべきはWASのJamin DavisとJohn Ridgeway。特にJamin Davis。
生爪6枚剝ぎ取りたい。

 

Watkinsキサマはダメだ。
この枠はもう次のドラフトの3日目で探そう。
7巡しかないけど。

 

 

主なスタッツ

敗因とは言いながら、これだけ眺めるとそんなにランDefenseが悪かったことにはならなそうなのが不思議。
平均3.1ydsだし。
ただ2nd Downまでのランが安定して出され続けたおかげで3rd Downの残り平均距離が4.6ydsという今季最悪の数字を強いられることに。
その結果3rd Downではっきりパスラッシュをかけられる場面も少なく、サックやINTのような事故をあまり起こせなかったという意味で地味に痛かった。

でもまあこの日一番の敗因はやはりOffenseでしょう。

 

 

良かった人たち

Jalen Hurts
いつものようにポケットからの脱出で不器用なところを見せてサックを食らったシーンはあったが、パス自体は良かったはず。
肝心のキャッチアップでもパス自体は綺麗に通していたのにそこで対しての不満はあまりない。

注文をつけるなら2Qの終わり。
残り1:36からのシリーズで3凡はいただけない。
一流になるためにはこういうシーンで何か起こしていただきたいところです。

 

OL
ゴーストと見紛うばかり、異次元の動きを見せたJonathan AllenにDickersonが一度ブチ抜かれていたが、それ以外は総じて悪くなかったのがOL。
捕り手が軒並みクソだったこんな日には、願わくばもう少しランブロックの機会を与えてあげたかった。
3Qの終わりから4Q頭にかけてのシリーズのようなランとパスのバランスが理想だと思っていて、あれだけ安定してランが出るのは未だ強みであり続ける。はず。
やはり悪いのは指揮者。

 

SCJGJMarcus Epps
CJGJはこれで5試合連続の6INTとしてリーグトップを快走中。
パスさえ投げさせればなんとかなる、と思って試合を観ていられるのは非常にありがたい。
まあこの試合に限ってはそうじゃなかったけど。
Eppsも気合いが入っていたのかランプレーでもハッスルしていたしPDのプレーも見事だった。
なぜかPFFでは評価が低いこのS陣の安定感は素晴らしい。



悪かった人たち

DC Jonathan Gannon
なんとなくわかってきたことがある。
一部の天才を除いた凡人にとって、Defenseのシステム構築とはどこを強みとするかの資源配分作業でしかない。
その疑念がこれを見て確信に変わった。

ある種の統計では、パスディフェンスのTop3を叩き出しているPHI・NE・DENのランディフェンスにおける成績は順に28位・21位・20位であると。

 

傍目から見てもパスディフェンスは強力で良いものを作り上げていると思うが、一方でそのスキームだけじゃランを完璧に守ることはできない。
前任のJim Schwartzと比較してもそれは明らか。

 

なので、Gannon D#におけるランストップはスキームを超越した強力なランストッパーを不可欠なものとしている、だからJordan Davisを指名したし事実Davisがいるときはこれほどストレスを感じなかった、ということだと消化しようとしているところ。

まあストレスが溜まるランの出され方だったが、パスが一切止まらなかったSchwartz時代と比べてあなたはどっちを取りますか、ということだと思っている。

 

だからと言ってGannonを許そうとは毛頭思っていない。
TNFからMNFまで中10日あったにもかかわらず、この長大な準備期間に出した結論が"DavisのところにTuipulotuを置きます、2nd TeamのDTからTuipulotuが抜ける部分はCoxの負担増で何とかします"、というのは賢明な人間の思考ではない。
もうすぐ32歳で下り坂を転がり続けるパフォーマンスしか出せない人間に結局70スナップ(84%)もプレーさせるとはどういう了見なのか。
なにも考えていないのと大して変わらない。
事実何も起こせていなかったし、押され続ける巨漢は存分にLBの邪魔をしていた。
Marvin Wilsonで良かったろうが。

 

あとな、全く効果が見えないQuinnとかReddickをパスカバレッジに下げるプレーやめろハゲ。

 

個人的見立てによると、前述した"一部の天才"というのは人知れずこのバランスをとるのが上手い人なのだと思っている。
そしてその中にはVic Fangioが含まれているのでこの線で来季は1つよろしく。

 

 

OC Shane Steichen
なんかあんたも来季のHC候補生らしいな。
よほどNFLという世界には人がいないのか。
毎度繰り返される後半開始シリーズの3凡。
ランゲームとい武器を最大化できないゲームプランとプレーコール。
険しい顔してりゃいいってもんじゃない。
そのスカスカの脳ミソ振り絞って仕事しなさいよ。

 

 

WR陣(特にAJWatkins
足首の変調のせいか明らかに序盤から集中力を欠いていたAJ
もういい大人なんだからその辺のご機嫌は自分でコントロールしてもらわないと困る。
カムバックできる余裕はありそうだったのにそれをしなかったからDBに弾かれました、というプレーはDeVontaにもあったがAJにもあった。
そしてあのINT。スーパースターなら捕ってほしかった。
5年100Mちょいという大型契約を後悔させないでほしい。

 

この試合に関してはWR vs DBの勝負に完全に敗北したと理解しているところ。
これほどWRにストレスを感じたのは去年のNYG戦以来だろうか。
もう一度ネジを巻きなおしてやっていっていただきたい。

 

Watkinsは次の契約が懸かる大事な年だと理解しているのか?
全部台無しにするファンブルロストをありがとう。
"この時期のうちに負けといた方が良い"という深謀遠慮のもとであのプレーに至ったのなら許す。
嘘。そんなわけないので許さない。

 

 

CB Darius Slay
マッチアップしたMcLaurinは8回捕球128yds(Avg. 16.0yds)の大活躍。
泣きたくなるほど止まらなかったし、はっきり申し上げてやられ放題だった。
WASは、マンツーマンでついたSlayに対して、McLaurinにフィールドを横切らせるようなパターンや、ZoneのときもSlayのところに2人を送りこむようなパッケージを多用していた印象がある。
Slayが狙われたというより、一番信頼できるWR(McLaurin)を上手く使おうとした、と言う方が適切かもしれないが、まあやられにやられた。
当然MINはこの映像を研究するはずで、今後がGannonの腕の見せ所。

 

前から思っていたが、WASのOC Scott Turnerは有能。
なにより不満なのはこういう設計をOCのSteichenがあまり見せてくれていない気がするところですよ。

 

 

DE Brandon Graham
試合時間残り1:45。5点ビハインドの3rd&7。
逃げ回ってニーダウンしたQB HeinickeにUnnecessary Roughnessの反則。
このプレーでWASは1st Downを獲得して実質試合終了。
いつぞやの自陣ゴール前でのFGでの反則のときも思ったが、あまりにも自制がきかなすぎる。
高校生でももうちょっとマシだろ。小学生かよ。
DerekなんとかとかいうIRにいる反則王でもここまでのものはなかったぞ。あったか。
言い訳の余地なし。
これまでの功績を認めて今季終了まではチームにいてもらっていいのではないでしょうか。

 

 

その後のTransaction

OUT

<IR入り>
TE Dallas Goedert(肩)
DT Marlon Tuipulotu(膝)

 

Jamin Davisに壊されたGoedertはまだしもTuipulotuのIR入りは驚き。
チームからケガの具合に関する公式発表はないが、その後の動きも合わせて邪推すると、Tuipulotuのほうはやや症状が重い(今季中の復帰はない)気配がある。

IN

<現地11/16>
DT Linval Joseph(Street FA)
TE Tyree Jackson(PUP→53ロスター

 

<現地11/17>
DT Ndamukong Suh(Street FA)

 

年齢的に、もう現役でプレーできる時間はそう長くない、だから最後に欲しいのはリング。
今季もSB制覇を狙えそうなチームが徐々に見えつつある11月。
そのなかのひとつのチームは明確な弱点を抱えている。
自分ならその穴を埋められるかもしれない。
そんなことをソファに座って考えていたある日、突然にそのチームから連絡がくる。
曰く、"助けてくれないか?"

 

うむ男子の本懐であろう。
同じ感情の動きが2つ発生したに違いない。

 

 

というわけでストリートから実績充分のベテランDTを2枚補強。
なぜこんなにDTを集めるのか?
恐らくJosephはJordan Davisの穴埋めで、こっちが本命。
そしてSuhはローテーション要員だったTuipulotuの穴埋め
本命とローテーション要員という違いはあれど、この両者がいずれもキャップヒット2.5Mという同等の契約になったのはSuhのネームバリューのデカさゆえ。

 

とっくに全盛期は過ぎたご両所だが、2021シーズンの映像を観た限り、まだやれそう。

 

Linval Josephについては、Week9のPHI戦を観たが、まず今季LACからPHIに来たKyzir Whiteがすんなり活躍できるのを見てもわかる通り、LACのStaley D#とGannon D#はスキームがほぼ同じ。
いずれもFangio D#の二番煎じであり、Josephに求められるのはDavis同様0テクで重石になること。
その目線で見ると、去年のPHIにおいてここを務めていたHargraveより遥かにマシ。
なんなら素晴らしい。
たまにDickersonとKelceのダブルチームには押し込まれていたが、逆側のDriscoll・Kelce組に対しては圧倒。
このリーグでDickersonよりランブロックがいいGはいないのだからこれは致し方ない。

そりゃDavisと比較すると、なによりパスラッシュの点で見劣りはするだろうが、最低限の補強にはなりそう。
早くあの大穴を埋めてほしい。楽しみです。
DTのプレーブックなんか一番簡単だろうからIND戦からよろしく。

 

Ndamukong SuhについてはワイルドカードPHI戦を観た。
衰えはあるものの、現状のTuipulotuよりは良さそうな印象なので2nd Teamの底上げという観点からはこちらのほうがインパクトのある補強になりそう。
しかしGraham(2010ドラ1全体13位)・Suh(2010ドラ1全体2位)・Quinn(2011ドラ1全体14位)が2nd Teamとして並ぶDL陣とはなんと豪華な。
機能するかは存じ上げない。

 

そして地味に重要なのがTyree JacksonのPUPからの復帰。
ACL断裂明けだしいきなり大活躍、という未来は見えないが、3TE隊形を組めるというのはSirianniとかSteichenにとって重要なことだと思われる。
楽しみが止まらない。

 

一連の補強を見て39歳のDarren Sprolesまでもが"俺にリターナーやらせろ"と言いだしている状況。
この試合が終わって以来、どうもCoveyに対する風当たりが強くなってきているが、そんなおバカの皆さんはDeVontaでもリターン出来ないということをどう説明するつもりなのだろうか。
Coveyなど枝葉。
伐採すべきはSTC Michael Clayです何回も言わせないでほしい。

 

 

感想

試合後、選手たちは総じて「"17-0"みたいなクソな話題が消滅してホッとしている」というような反応。

 

全勝で来ていたことが結構な心理的負担になっていた様子で、11月のうちにこういう自滅で負けるという経験が出来たのは良かったことだと、あれから1週間弱経った今ならまっすぐに言える。

 

ここからのIND・GB・TEN・NYGの4戦は非常に重要なもんで何とか半分は勝ちたいところ。
相手も同じことを言うだろうが、このケガ人の出方で五分なら上出来(だと思うことにする)。

 

みすぼらしい負け方ではあったし失ったものも大きいが、これをバネにもう一段高く飛んでくれることを期待してやまない。

 

 

しかし皮肉なことに、負けてくれたから書くことが多くて助かった。
そんな手助けはいらない。