鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022 Week9 @HOU感想

めちゃくちゃ遅くなった感想ですが、それもこれもどうやってDerrick Henryを止めたらいいのか全く分からないDefenseを展開したGannonが悪い。
あいつの存在と成長への期待、そしてもしあいつが出てきてくれば、という妄想を心の支えにしてしばらく生きていくことにする。

 

結果PHI 29-17 HOU

 

とにかく"勝てて良かった"という感想しかない。
特に日曜ゲームの阿鼻叫喚を見ていると、ちゃんと勝てたということにとんでもない価値があるのだということを再確認できた。
そんな1週間でしたね。

展開振り返り

先方OC Pep Hamiltonが冴えていた気がする。
Pierceにある程度走られるのが想定済みとはいえさすがに止まらなすぎる。
DTのところからOLが漏れてくるのを警戒してLBのリアクションがちょっとずつ早くなっていたのも非常によろしくなかった。
というわけで開幕シリーズから全くPierceが止まらずあっさり先制を許す。(0-7

 

しかしその後8:04のロングドライブで同点に。(7-7
返しのDefenseは反則もあってやっとPuntに追い込む。Marvin Wilsonいいよ。
そしてOffenseがAJDeVontaの2プレーで一気に53yds進んで敵陣深く侵入。
ここで取って早くも決めるかと思ったらKelceのスナップがタイミング合わず、大外からHughesが漏れてサック&久しぶりのFumble Lost。

 

え?なんなのトラップゲームなの?
と思っていたが、ここをDefenseがHargraveカバレッジサックでしっかりストップ。

 

ここでOffenseはSandersのシリーズ。
ラン2発で敵陣に侵入して、そこからはGoedertPascalとターゲットを散らし、最後はGainwellが持ち込んでTD。
2Q中盤のタイミングで久しぶりに長いドライブを決めてこの試合初のリードを奪う。(14-7

 

なのに!
前半残り4:30ぐらいからPierceがまたしても全く止まらない。
このまま4分弱で75ydsを運ばれ、最後はMooreへのパスが通って前半終了間際にまさかの同点に。(14-14

 

前半残り0:37からHurtsも頑張り、Goedertへの長いパスを通して敵陣36yd地点まで進むも、最後を託されたElliottが54yds FGをあっさり失敗。
今季初めて前半を同点で折り返す。(14-14

 

後半立ち上がりからPHIはまたしてもHughesにやられたりしていつものようにOffenseが停滞、2連続Puntに。
Steichenはバイウィーク前のあいつに逆戻り。
このあたりではこの後何が起こるのか想像してちょっと震えていた。

 

しかしDefenseが仕事をする。
Grahamのプレッシャーに焦ったMillsが投げた先にはいつものようにCJGJ
リーグ単独トップとなる5つ目のINTは、そのまま敵陣17yd地点までリターン。
2プレー後にHurtsがガラ空きのAJに綺麗にパスを通してようやくのTD。(21-14

 

続くHOUシリーズは、ズルズル進まれながらもしっかり時間を使わせたうえにPierceを止める場面も見せ始め、最終的にFGに。(21-17

 

そして勝負の4Q。
ここでのメインターゲットはGoedert。
3Q終盤からのこのシリーズ、結局10プレーで75ydsを完走してTDを奪ったが、その内5回がGoedert。
1人で5回レシーブで48ydsを稼ぎ出す活躍を見せて窮地を救う。
さらにXPでの相手のオフサイドを活かして2ptを狙いにいき、おしゃれQB Sneakで2点追加。(29-17

 

このあたりからは時間が無くなってきたHOUとしても無邪気なランはあまりコールできなくなり、パス主体に。
そうなった途端、Hargraveのサック×2に加えて、締めはBradberryのINT。

結局パスが増えだした後半にDefenseが2INTを奪ったのが勝因。
あとはGoedert。
怖い時間も非常に長く、久しぶりに震えながらの観戦となった分、勝つって素敵ですね、という気分になれた試合でした。

 

 

主なスタッツ

 

とにかく酷いのがラン喪失168yds・平均5.3ydsというDefenseの数字。
今後Derrick Henry(TEN)とかJonathan Taylor(IND)のようなリーグトップのRBたちを相手にするにあたり、ルーキーDameon Pierceにこの走られ方は全く持っていただけない。
しかしAFC南はいつの間にこれほどまでの走り屋たちの棲み処になっていたのか。

 

 

良かった人たち

Dallas Goedert
AJ大活躍週の次はDeVontaだと思っていたが先にGoedertが来た。
読み違えた。
そもそもDeVonta vs Stingleyなんてなかったし。

AJ Brown
いつも通り最高でした。

 

Jalen Hurts
事前予想を覆して容赦ないプレッシャーの嵐に晒されていたが、パス自体は落ち着いたものだったし成功率は80%近かったしレーティングは128.9だし文句の付け所なし。
素晴らしい。
2021のWeek14以来となるFumble Lostもあったが、あれはまあKelceのせいです。
とにかくパサーとしての成長ぶりには目を細めるしかない。

 

Miles Sanders
先方のタックルミス率はリーグトップクラスのようだが、それを差し引いても穴を見つける能力が非常に素敵に仕上がっている今日この頃。
真剣に契約延長で良いような気がしてきております。

 

Shane Steichen
INDがReichをカットしたというニュースで嫌でも思い出したのは5年前にNEとMcDanielsのせいでReichが攫われたあの事件。
Steichenさんがそうなっちゃ非常に困る。
なんとしてもSaturdayで何とかなってほしい。
最近はプレーコールの散らし方に加えてQB Sneakのバリエーションとか見ていて楽しいOffenseを展開してくださっている。
念願だったJurgensのエキストラOL起用が見られた!と思った途端、シフトさせて外に配置してのQB Sneakは最高でした。

 

Marvin Wilson
後述。

 

Milton Williams
Marvin Wilsonに注目していると、2nd TeamにおけるMiltonのすばらしさも同じぐらい目に付いた。
持ち前の姿勢の低さでそれなりにランストップが出来るようになっていたのは本当に素敵。

 

Josh Sweat
彼のランストッパーぶりを過小評価してはいけない。
自分に向かってくるブロッカーを見つけたら鬼のようなヒットをかましにいく姿勢が本当に好きです。

 

Javon Hargrave
相変わらずランのときのパフォーマンスは目も当てられぬものだが、それでも使いたくなる気持ちがわかる。
やっぱりパスラッシュ上手い。
だからこそ使い方をもうちょっと考えてあげてほしいところ。
3サックですか。
お見事でした。
ランストップのマイナス分を考慮しても十分お釣りがくる出来だったと思います。

 

CJGJ
いいよ!!

 

 

悪かった人たち

Jordan Mailata
大好きな選手ではあるが、あのパフォーマンスは責められて当然。
Jerry Hughesがあんなに速かったなんて全く聞いていなかったが、それにしてもこのタイプにやられすぎ。
2サックのうちの1つはKelceとHurtsのコミュニケーションミスによるものだからまだ許すにしても、もう1つは完璧にやられていた。
フットワークがいまいちな印象で、スピード系に手だけで対処しようとしてついていくことができないというのがよく見る光景。
こういう辺りは2020からずっと課題だったはずで、2021はReddickにも同様のやられ方で2サックを許していた。
一番怖いのが"全然成長してません"というオチで、さすがにそれはなかろうと思っているが、目は覚ましていただきたい。
ああいうパフォーマンスのあとどうするか、というのが非常に重要。
というわけでWeek10は楽しみにしている。
え?Chase Youngがそろそろ復活しそう?
2サックまでなら許してやる。がんばれ。

 

Jason Kelce
悪かった(当社比)。
ランブロックもパスプロテクションも全然悪くなかったんだが、スナップミスというかHurtsとのコミュニケーションミスみたいなのが2回あった。
多い。
まあ心配はしていませんが早く修正お願いしますね。

 

Fletcher Cox
ダブルチームで押し込まれるのは知っているが、TEにシングルブロックでコントロールされるのはちょっと聞いてない。
随分掴まれていたようだが、それにしても彼のところからランが出る出る。
2023ドラフトでは1巡2つでDT2枚抜きしても文句は言わない。言うけど。
そんなに無しじゃない。
NOさんの身を削る献身によってJalen CarterUGA)が届きそうなところにいるらしいですね。

 

Jake Elliott
前半ラストプレー。
54ydsのFGを欠片も惜しくないキックで外していたのが非常に気になる。
俺たちのDicker The KickerことCameron Dickerは既にいない。
LACで良いお仕事していた。愛されろよ。
話が逸れた。問題はElliott。
早いところ復調していただきたい。

 

 

今後

"今後"とは銘打ったが星取りとかそんな高尚な話ではない。
単にJordan Davis亡きあと、という非常に後ろ向きな話。
だがここを後ろ向きと捉えるか、あいつの出番と考えるかによって心の持ちようは変わります。

 

HOU戦に向けて目の前に用意されていた(と個人的に信じている)選択肢は、
Marlon Tuipulotuの出番増
②PSからMarvin Wilsonを引き上げてDavisの役割を担わせる
③LBを1枚(Nakobe Dean)を増やしてBoxの人数を増やす
の3つだった。
そのうち、Gannonは賢明にも②の選択肢を採って割と格好がつく形に収めた(純然たる皮肉)わけだが、まずはその立役者について。

 

Marvin Wilson
PS上がりの元高校トップリクルート
Jordan Davisの代役として全く同じ役割を任せられていたはずだが、非常に良かったと言っていいでしょう。
なによりもフットボールを出来る喜びに満ち溢れていた。とにかくパシュートも手抜きなし。
さすがに高校トップリクルートだけあって嗅覚は抜群。
スクリーンを嗅ぎ分けるのも早かった(何かあるのはわかったけど方向がわからずキョロキョロしていたのはなんというか非常に可愛かった)し先方Cの能力はさておき意外とパスラッシュもかかったりしていた。
これとか(真ん中から漏れてくる73番です)。

これも(真ん中から漏れてくる73番です)。

「両方TDじゃねえか」というツッコミを入れた人は本当に野暮。
自覚して生きて欲しい。

 

あまりにも足が遅くてサックの気配は微塵もなかったが、ちょいちょいプレッシャーをかけられていたのは事実。
敢えて欠点を挙げるとすると、後半は笑っちゃうぐらいバテバテだった。
結果的に、トータルのスナップ率は40%とDavisと同等の使われ方。

 

「いやいやランめちゃくちゃ出されてるじゃないか」という反論は一切受け付けない。
何故なら、Davisがいようが出されていたから
最近4試合でいうとラン喪失ydsは124yds→134yds→144yds→168ydsである。
実に平常運転なのである。
問題は別のところにあるのです。


2021シーズン開幕前のファイナルカットでUDFAで契約していたCLEをカットされて以来、2021最終戦とこのプレシーズンといういずれも微妙なパフォーマンスしか拝見していなかったが、これは非常に良い。
Davis復帰までの期間、何とか奮闘をお願いしたい。

 

 

話を最初の3択に戻すが、Wilsonには期待するとしても、やはり③の選択肢が持つ魅力は捨てがたい。
例えばHenryのようなパワーの代名詞のような人には、ライン上でスピードダウンいただきたいさもなくばLBでもタックル出来ないので、DLを増やすという選択肢に異論はないが、来週のWASのGibsonのようなタイプにはDeanでもいい仕事が出来るのではないか。
Gannon次第にはなるが、例えばLB増やしたってDTがやられすぎちゃって意味がない、ということであればMarvin Wilsonの起用で良いが、4DL+Whiteをラインアップさせて5Menルック、のような形にした時には、Boxに上げたCJGJがダメすぎてランが止まらない、という場面もよく見る。
こういうところにCJGJとかMaddoxではなくDean、という形はいかがでしょうか?
というのがGannonさんへの提案である。

 

HOU戦はショートウィークだったしウォークスルー2回しか準備期間がなかったということは存じ上げているので既存スキームにてDavis→Wilsonという置き換えしかできなかったのはよくわかる。
だけどMNFに向けてなら相当な準備期間があるはず。
なんか違う形が見たい。
というかそろそろDeanを見せろよこのヤロウ!
というのが今週一番言いたかったことでした。

 

 

いつも通りの悪かったところがありながら、そこの改善への妄想も捗る。
とてもいい試合だったと言えるのではないでしょうか。

 

というわけでWeek10はホームに戻ってMNFでWAS戦です。
Youngはリーグの至宝なので無理しない方がいいと思うよ。