鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

プレシーズン初戦 感想とその後

だいぶ遅くなって鮮度もなくなりましたがプレシーズン初戦の感想とかを少々。

初戦感想

100点といって良いでしょう。
2シリーズほどの出場を予定していたスターターは、結局1シリーズにとどまった(Offense6プレー・Defense5プレー)が、その限られた時間でもいろいろと素晴らしいものを見せてくれましたね。
全員上げるわけにはいかないですが、印象に残った人たちだけ。

良かった人

HC Sirianni

Hurtsへのレイトヒットに対してNYJベンチに向かってブチ切れ。
あのレイトヒットはフラッグが4個ぐらい飛んでたし試合後にNYJのHC Salehも”ちょう酷いプレーだった”と言っていたがそれにしても烈火のごとき怒り方。
張本人Quincy Williamsに詰め寄ったMailataとLaneのコンビより怒っていたのはSirianniだった。
試合後の会見でも"選手を守ろうとして怒った。謝るかよ。(意訳)"と発言。
グングン男を上げていらしゃる。最高なのである。
今季からプレーコールをSteichenに預けたので試合中に頭を冷静に保つ必要はほとんどない。シーズン中にもああいうシーンが存分に観られそうで今から楽しみである。

 

QB Jalen Hurts
6/6(100%)80yds 1TD 0INT レーティングは158.3(満点)
スタッツなんかどうでも良いのだが最高だったのが4点。

①ドロップバックが明らかに去年と違う
去年は勢いよく下がるもののあまりにも下がり方がダイナミック過ぎてスローイングに入れる体勢にもっていくまでだいぶ時間がかかっていた。そのためタイミングで空いているターゲットにいいタイミングで投げられることが少なかった。
それが、2022verのHurtsは、去年よりややスクエア気味に、ゆったりと下がっているように見えた。
こうすることでスタンスを保ったまま動けるようになり、スローイングまでに時間がかからなくなったためターゲットが空くタイミングを逃さず投げられる。ような気がします。

【去年】

【今年】

去年までならダラダラヒッチアップしている間にGoedertが空かなくなっていたでしょうね。そんな気がします。

まあパッケージのタイミングとドロップバックのタイミングが合っただけかもしれず、そうであるならSirianniもしくはSteichenのお仕事だけどまあいいです。

②プロテクションへの信頼
いきなりOpetaがやられてポケットから追い出されたプレーはあったが、基本的にはよくOLを信じていたと思います。
プレッシャーに気を取られてターゲットに目がいかないということが去年は多々あったので今年はそういう事態を減らしていきたいですよね。
そんなシーンを1回も見なかったのでとても良かったと思います。

③チェックダウンを投げられた
去年全くと言って良いほどチェックダウンのパスをみた記憶がなかったが、それもフィールドの見えてなさが一因。そういう意味では②と関連する。
今回の試合では、何と、第3ターゲットに投げることが出来ました!これは素晴らしい。
2プレー目の、奥を見た後でSandersに投げて12ydsを獲得したプレーがそれ。
3つ目のターゲットを見るまでポケットのなかで辛抱できたのは大きな収穫です。ちゃんと守ってくれるOLなのでこれからもそういう感じでお願いします。

④試合への集中力
チープヒットを食らってもそれに対してリアクションすることもなく粛々と次のプレーに行く姿、本当に素敵でした。
ああいうので頭に血が上っちゃったり審判にアピールするQBもいますが、個人的には冷静なHurtsの振る舞いのほうが好きです。
怒るのはHCとOLに任せましょう。

 

WR Quez Watkins
開幕の28ydsレシーブ。デザインはポストなのでもう少し奥に抜けるはずだが、Hurtsスクランブルを確認したタイミングで真横に流れて見事にレシーブ。そしてナイスなつま先残し。
Quezも見事だったが、このスクランブルに合わせたルート変更、というのが昨季序盤は全然うまくいかず呼吸も合わなかったところ。スキーム継続の効果だと思って良いでしょう。良いものを見せてくれました。

 

WR A.J. Brown
ターゲットはなし。
ただ、TDのプレーでは奥に走ったところをSとCBが綺麗についてきてくれたおかげでGoedertがガラ空きに。
やはりDefenseにとって気になる選手のようで何よりです。

 

C Cam Jurgens
Kelceの後継者として注目の初戦だったが完璧だった。
Kelceにパワーを足したような印象だった。
ただ、現時点でまだまだ安心できないのは、Kelceは戦術の鬼として知られるStoutland先生も舌を巻くほどの戦術理解力と洞察力を兼ね備える存在であること。
KelceとStoutland先生の会話はレベルが高すぎてほかのOLでは全くついていけないらしいというのはまた別の話。
このあたりは全く外から見えない部分になるため、全然Blitzも入ってこないようなプレシーズン初戦で判断するのはあまりにも早い。
が、初陣としては満点でしょう。

 

DT Milton Williams
つま先のケガでHargraveが欠場したしわ寄せと思われるが、だいぶスナップ数が多かったMilton。
サックはなかったがランブロックでもシングル程度なら全く問題なく外してRBのレーンを変えていたのはさすが。順調順調。

 

DT Jordan Davis
世界的に売れたのはMiltonよりこの人。
やっぱり化け物でした。
彼が出場する前、Tuipulotuが一瞬0テクぐらいに入っててしっかりシングルで消されてたのでああやっぱりシングルブロックでも難しいのか、と思った次の瞬間、ゴリゴリとCが下がっていくから何事かと思ったら背番号90が映ってました。
出足の速さはあまり見られなかったのでパスラッシュはまだ時間がかかりそうだがなにせ信じられないそのパワー。ランストップがだいぶラクになりそうです。

 

LB軍団 TJ EdwardsKyzir WhiteNakobe Dean
TJはやはりランストップの嗅覚が抜群。決めたホールに上がるスピードよ。
パスカバーの勘はやはりWhiteに劣るがまあ十分でしょう。
逆にWhiteはランストップも問題なさそうなレベルで。パスカバーについてはあのINTだけでサンプルは十分。いいの獲った。
Deanは完全に予想外。キャンプのレポートで輝きが感じられなかったからいかがなものかと思っていたらあのスピード。ランストップでもちゃんとブロッカーに当たれるのは意外でした。
Deanが長期的に計算できる場合、TJとWhiteの契約が2022限りということを考えるとどっちかを選ぶシーズンになりそう。
感情的にはTJ。理性で選ぶとWhite。本音は両残し。悩ましいシーズンになりそう。

 

TE Noah Togiai
働きは地味でしたがよかったと思います。
ターゲット4回で全捕球は立派ですし4th Downからナイスな1st Down獲得もありましたね。ああいう勝負強さを見せられると残したくなります。

 

UDFAルーキーたち
CB Jobeが2ndチームとしてプレー。素晴らしいとは言い難かったが、ロスターに残る芽がありそうで何より。次はもう少し長く見たいものです。

契約した時から推しているのS BlankenshipはDefense最多スナップ。タックルがやや危なっかしいものの、上がってくるスピードはなかなか。Tarttがあまりにも練習できていないのでもしかしたらもしかするかも。

人手不足のRB陣にあってほぼ唯一のパワー系であるRB Kennedy Brooks。良いのでは?良かったのではないでしょうか?Huntleyの、速いけど1人目に絶対倒されるランを見せつけられていたところでのBrooksの3人目ぐらいまで止まらない感じ。非常に好印象でした。
HuntleyはリターナーとしてならまだしもRBとしてはやっぱりBostonより明確に落ちちゃう気がするので、Brooksのロスター入りは十分ありそうです。

がっかりな人

QB Reid Sinnett
この程度ならどこにでも落ちてそうな気がしてならない。
というかNYJのQB4の方が良かった。
地元ではQB2枚体制での53登録という話もあり、そうなればCalcaterraの処遇もやりやすくなりそうで、TogiaiやらCBの7枚目やらが残るチャンスも増えそうです。それで行きましょう。

TE JJAW
もうねえ。なにもなかったですよね。ドロップとは記録されないかもしれないが、せっかく飛んできたボールもしっかり落としてた。
そして、プレシーズン初戦後の初練習にはとうとう姿を現さなかったそうです。

OG Sua Opeta
最初のプレーでQuinnen Williamsが真ん中から堂々とプレッシャーをかけてきたので何があったのかと思ったらLGがOpetaでした。
その後もランブロックでちょいちょい失敗したりプロテクションでお漏らししたりと結構悪く見えてしまった。
DickersonはさておきSeumaloはちょいちょい休む前提なんだから頼みますよ。そういえばRTやってたDriscollもだいぶ酷かったな。

 

その他

Sipossは落としを修正できてたっぽくてへんなパントは見当たらずひと安心。
問題はどんな天気でもこれを続けることです。
Minshewも言われてたほど悪くなかった。
あと、DTの3枚目軍団(TuipulotuWilsonWren)からは何も感じなかった。キャンプ直前に拾ってきたKobe Smithの方がよく見えた。

その後

カット

第1次ロスターカット期限(90人→85人)が8/16 16:00(日本時間8/17 5:00)に迫るなか、2名をカット。
OL William Dunkle
LB Ali Fayad
いずれもUDFA。まああまり聞かなかったので致し方なし。
そして残る3枠に名乗りを上げたのがJJAW。

試合後初練習

JJAWが”個人的事情”的なよく分からない理由にて欠席。
長い長い3年ちょっとでした。やっとあの雄姿を拝まなくて済むようになるのか。本当にありがたい。さようなら。

この練習ではDeVontaGainwellが復帰。
DeVontaは復帰即Bradberry相手にTDキャッチを披露するなど調子自体は良さそう。
結構長引いたが、これにてOffenseの火力は最大値。CLE相手の合同練習でどうなるか非常に楽しみ。

リターナーとして結構期待していたものの不完全燃焼に終わったっぽいCoveyは試合で右手親指を捻挫したようで制限付きでの練習参加。
また、初戦を”足の痛み”で欠場したDickersonだがこの日の練習にはフル参加。問題なさそうです。

この日の練習の主役は三度の揉み合いの中心となったAndre Dillard
ルーキーだった2019のトレーニングキャンプでも乱闘を起こしている意外と気性荒いお人。
相手はBarnettが1回とルーキーのKyron Johnsonが2回。
ちなみにJohnsonとの2回目の乱闘は、Johnsonに小突かれたことが原因のよう。Dillardさんは何発かパンチを食らって"脳震盪の疑い"で途中退場しております。

Barnettに仕掛けたのはDillardだったようで、Johnsonの漢気が発揮されたのか、そもそもJohnsonも試合で目立ってなかったし必死だっただけなのか。まあ登場人物的にほんとうにどうでも良い。

Sirianniは"そういう怒りとかはフィールドに向かって出すんだ。チームメイトに向けるんじゃねえ。"と、しっかりお説教したそうです。