鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022 Week15 @CHI感想

最高気温4℃のPHIに戻ってきたAJの感想が、"ここは暖かい"と言ったほどの極寒(氷点下7.8℃)、そして先方Kが48ydsのFGトライを拒否するほどの強風(風速7m/秒)という過酷すぎるコンディション(体感気温は氷点下16℃)のなか行われた一戦は、実に厳しいものでした。

 

結果PHI 25-20 CHI

 

確かにお寒い試合にはなったし、つらいニュースも入ってきたが、怪しいと睨んでいたDAL@JAXが期待通りの結果に転んでくれたこともあり、戦後に落ち着いてから浮かぶ感想は"勝てて良かった"しかない。

 

ARI戦・IND戦に続き、こういう試合を拾えるのも強いチームなんじゃなかろうかと思えてきた。

 

 

展開振り返り

CHI Offenseで始まった試合はMontgomeryとプレーアクションが止まらずズルズルと自陣への侵攻を許す。
しかしここでKmetへのスクリーンを猛追したMiltonのナイスエフォートと猛然と上がってきてFieldsを外に追いやったWallaceのナイスパシュートで4th&3に。
若手の躍動は心に大変良い。
ここでのギャンブルはFieldsのパスがアンダースローになって失敗。Maddoxはやられてたような気がするがまあ許そう。

 

そしてPHI Offense。
Hurtsがポケットを左側に追い出されて投げたパスはDeVontaが見事に足を残す職人芸で成功して20yds獲得。
すんなり敵陣に入ったことで期待感は高まるが、直後にHurtsが崩れたプレーからAJに投げたパスはだいぶショートしてルーキーCB Kyler GordonにINTを食らう。
ドラフトのときに欲しかった選手にいいプレーされると悲しくなるからやめろ。
その後もHurtsはパッとせず、次のシリーズはパス3連続失敗という久しぶりに見る光景を繰り広げる。
そして2Qに入ってDeVontaのナイスなRACが45ydsのロングゲインになりようやく敵陣深くに入る。
が、どうにもうまくいかず、Tyree JacksonのホールディングとかエンドゾーンのAJへのパスがややショートしてCB JohnsonにPDされたりとかで結局FG止まり。
先制はしたけどスッキリしないムード。(3-0

 

そして悪夢。
全然捕まえられないFieldsのスクランブル。
あーあー言ってる間に39ydsを走られ、続くプレーでMontgomeryにあっさり9ydsを走られて逆転を許す。
しかしホームフィールドのKが風に負けてXPを外してくれたのは助かった。(3-6

 

追い上げないといけない2Q残り7分弱。
初のSandersのランはランブリッツとDLのリアクションによりD#が全方位から漏れてきてびったりとストップ。
続くHurtsスクランブルもストップ。
追い込まれた3rd&9でHurtsWatkinsに投じた長いパスはSの手の中に収まりこの日2つ目のINT。
このINTにおけるHurtsの責任はあまりなさそう。
そもそもWatkinsのリリースとルートランがおせえ。
遅いしたぶんHurtsのイメージと全然合ってない。
アサイメント的にあんなに広大なスペース空けてもらったんだからさっさと最速でそこに飛び込みなさいよ。
Tyreek HillならTD。

 

INTのリターンがPHI陣25yd地点まで返されたこともあり3点は覚悟したシリーズ。
しかしここでReddickのサックと先方のディレイでPHI陣30yd地点からの4th&26。
もちろんFGだろうと思っていたら出てきたのはPuntユニット。
あとで流れた映像から推測するに、どうも先方のK Cairo Santosが風を理由に"無理だ"と言った様子。
その前にXPも外してるし確かにね、という気持ちとCHIも大変そうだな、という気持ちが入り混じったのは記憶に新しい。

 

Puntの結果、自陣9yd地点からのOffenseは前半残り3分弱。
ここでようやくOffenseがバランスを取り戻し、SandersのランとかGainwellへの短いパスとかでじわじわ前進を開始。
そしてここでも頼りになるのはやはりDeVonta。
先週TDを獲ったスロットからのフェードでGordonを置き去りにして38ydsをゲイン。

最後はうっかりマンツーマンを敷いてしまったCHI D#を嘲笑うかのように、Hurtsがドローで無人と化したフィールド中央を22yds駆け抜けようやくTD。
このプレーのハイライトは、1テクをブリッツのSにぶつけて2枚取りを達成したJason Kelceです。(10-6

 

モヤモヤしか残らなかった前半はこれにて終了。
後半はPHIのリターン。
そしてここでリターンエースBoston Scottが58ydsのビッグリターン。
いつからこんなことが出来るようになったの?先週から?
ようやくパスのタッチが戻ってきたHurtsから、前半ほぼJaylon Johnsonに完封されていたAJへの精密なボムが通り、29ydsのゲイン。AJの片足が外に出ていたという指摘は野暮です。

最後はHurtsがいつものSneakで押し込んで追加点。(17-6

 

やっとギア入ってきたか。
お、Hargraveもサックした。3凡いいね。Puntもショートしたし。よしよし。もう一本とって終わらせちゃいましょう。
というムードに水を差したのが、Miles Sanders。
ショートパスを捕ってファンブルロスト。Gordonに自陣15yd地点リターンされる。
Fワード。
あっさりMontgomery。(17-13

 

とはいえD#はライン戦が割と優位に立っていたこともありそれほどの大ケガはなく、AJよりも年上の先方のルーキーWR Velus JonesがファンブルロストしてくれたりしてPHI陣に入られる状況もほぼなく4Qに。
Offenseはちょいちょい出るもののHurtsのランが出ずに攻め手を欠く状況が続き、そんな状況で3Q終盤。
Hurtsが持ち込んだランはDL2枚に押しつぶされてしばらくHurtsが起き上がれず。
「あ…終わった。脳震盪であれ。鎖骨はやめろ。」というお気持ち。
結果は肩の捻挫?っぽいもの。
とはいえその後もパス投げられていたし前半よりはだいぶ精度も良かったので試合観戦中は全く違和感なし。
その証拠に、4Q中盤には投げ手も捕り手も完璧なAJとのコネクションを見せて68ydsを獲得。
これには大興奮である。
こんなところに落とせるのか、こんな球を捕れるのか。

最後は得意のSneakで押し込んだ上に、Jurgensを組み込んだオシャレな2pt(Sneak)を成功させて12点差。(25-13

 

この時点で4Q残り4分程度なのでこれで綺麗に終わってほしかったが、Kick OffでのPascalのアンスポでフィールドポジションを悪くしたうえにFieldsにまたしても事故を起こされ、1:30程度でTDを返される。
最後はスクランブルに出そうなFieldsを警戒してたぶんSlayが脚を止めたところ、その裏に回っていたWRへのロングが通ったもの。
スクランブルが頭にあるとこういうことが起こるから困る。(25-20

 

最後はDeVontaがしっかりオンサイドキックを押さえ、残り2:00、3rd&6のシチュエーションでHurtsからAJへの得意のスラントが通ってなんとか事なきを得た形で試合終了。(25-20

 

 

主なスタッツ


ゴール前で苦戦する他チームを見るにつけて、もうHurtsのTD数は脚と肩の合計だと思っているので、たとえ色気もクソもないQB Sneakが2本だとしても3TDはナイス。

 

Fieldsが速すぎる。思いの外走られた。(15回 93yds Avg.6.3yds)
ただ、走るぞ、より投げるぞ、から走られるほうが格段に嫌だったのでCHIはもっとパスとくにプレーアクションからパスをコールすべき。(無責任)
それを6回も仕留めたDL陣は本当によくやった。

 

 

良かった人たち

  • DL陣(特にSweatReddickHargrave
    2サックに加え、3TFL(+2QB Hit)という成績もあり、個人的にはランへの貢献を含めるとSweatが優勝だが、Reddickが残した2サック+1TFL+2QB Hit+1PD+1FF+1FRという数字は異常。
    DPOWこそThibodeauxに譲ったが、素晴らしい出来でした。
    まあ途中Jenkinsの負傷退場に伴ってRTに入ったLeatherwoodがあまりに酷くて本当に回転ドアだったことを考慮すると確かにThibodeauxがDPOWで正解かもしらないが、いくら相手が酷かろうがこの数位は立派。
    これでシーズン12サックは十分期待を超えている。

    そしてReddickの陰に隠れているが、Sweatもこれで9.5サック。
    夢に見たこいつの2ケタサック達成も秒読み。

  • NCB/S Avonte Maddox
    この日はベースでFSに入ることも多かった(15スナップ/59スナップ)Maddox
    Velus Jonesからの勝利をだいぶ引き寄せたFumble Forceもこの人の仕業。
    6タックル2FFという数字は素晴らしい。
    もしかするとそこが快適なのか?
    CJGJの後任でもやるつもりか?
    あと、ちゃんと書いておきますが、これまで褒めたことがなかった気がするK'Von Wallaceだが、うんまあ良かったと思います。
    判断ミスらしいものはなかったし。
    なんなら相方のEppsのほうが、ちょっと…というプレーは多かった。
    この調子で成長を期待しております。


  • WR AJ Brown & DeVonta Smith
    序盤苦しかったHurtsを支えたのはDeVonta。
    後半息を吹き返してきたHurtsをノセたのはAJ。
    実にいいコンビである。
    Hurtsの出来はイマイチだったが、もしかしたら2人が同時に一番輝けた試合だったかもしれない。
    というかJaylon Johnsonがヤバい。
    さすがに把握したのか、後半のAJはさすがの一言。
    Tyler GordonもいいCBになりそうなニオイはぷんぷんしているが、現時点ではDeVontaに軍配。
    2人とも最高です。

  • QB Jalen Hurts
    贔屓がすぎるでしょうか。
    Houstonに生まれ育ち、カレッジはAlabama→Oklahomaの彼にとって、PHIでも寒かろう(と思って調べたら今週金曜のアラバマ州バーミンガムの最高気温は-6℃だそうで。充分寒い。)。
    この試合では左手にグローブを2枚・右手に1枚装着してウォーミングアップをしていたようだが、その時点で右手が凍ってしまったのが失敗だったそう。
    試合序盤はしびれていたというから相当。
    それでも、2Q途中までの4/10 47yds 2INTからその後を18/27 268ydsまで持ち直したのは立派だと言って良いでしょう。
    そう思うことにしました。
    2INT後も動揺する素振りも苛立ちもチームメイトには全く見せなかったというから大したもの。
    素敵です。
    何事も経験だと思うと、これからの寒い試合は大丈夫でしょう。

    1つ目のINTは西日のせい、2つ目はWatkinsのせい。
    という個人的な、身贔屓が過ぎる自覚のある整理です。

 

 

悪かった人たち

  • HC Nick Sirianni & OC Shane Steichen
    上記はOffenseの責任者。
    Hurtsの最初のQBドローのTDなんかはBlitzを読み切った最高のコールだったが、どうにも道中が悪かった印象。
    先週キャリアハイを記録したSandersが直後の試合で初めてボールに触ったのはなんと2Qも半ばを過ぎてから
    RBのキャリー14回は今季最小。
    Sirianniは試合後、"もう少しSandersにボールを持たせなければいけなかった。あれはShane(Steichen)と俺のミスだ。"と反省の弁。
    RPOやZone Readのようなプレーについても、"Defenseの弱点を衝くには有効だが、極端なものにはなり得ない"とあまりに増えすぎてもよろしくない旨を強調していた。
    CHI D#はHurtsのZone Readに対して、両EDGEをSandersにリアクションさせ、Hurtsにキャリーさせる選択を取り続けていたような気がしており、そんなにSandersが警戒されているのであればデザインランでSandersにすぐ持たせるのが難しかったのもなんとなくわかる。
    だがDefenseが考えていることをもう少し超えるようなことは出来なかったか。
    例えば、手元集計によると、先週(Week14@NYG)はPistol(BALが大好きな、QBの真後ろにRBを配置させるフォーメーション)が11回あり、LBにプレーサイドを読ませないような配慮はしていた(Pistolからは4全てランで11回110yds)。
    一方で今週はPistol自体が5回に半減。
    どういうスカウティングがあったかは存じ上げないが、工夫が足りなかったように感じられたのは事実。
    それと、あまりにもうまくいかないランとショートパスにしびれを切らしたのか、長いパスが多すぎましたね。
    奥を狙わないプレーコールは大嫌いですが、それにしてもバランスというものがあるはずです。

    Sirianniが並み居るベテランたちから優れたリーダーだとして信頼されている一因は、その"過ちを認めてすぐに正す"ところ。
    ミスは認めた。次からは頼みます。


  • RB Miles Sanders
    Sirianniがいくら肩を持とうがボールを落とすRBは許さない。
    今季ここまで一番良かったのは、なによりFumbleが1つもなかったところ。
    寒かったなかであまり出番がなくて集中力を欠いたのか。
    プロ失格。
    失敗した後にベンチで呆然としていたのもイマイチ。
    1週間で前言を撤回しますが、契約延長はなしでお願いします。


  • WR Quez Watkins
    2つ目のINTに関する文句は上に書いたが、どうにもプレースピードが遅いのが改善されない。
    ボールを持たせればさすがに速いが、ルートランにおいて40ydの4.3台というスピードが表現されることがあまりない。
    似たようなタイプに、今週MINで大やらかしを連発したと聞くJalen Reagorさんという人がいる。
    首脳陣もそれを理解しているのか、この試合は早くボールを持たせられるようなエンドアラウンドやヒッチスクリーンといったパッケージでWatkinsを頻繁に起用していたが、どうもうまくいかず。
    今のままではたまにブチ抜いてくれるが安定感のないWR3という立ち位置で終わってしまいますよ。


  • OL
    たぶん両OTは悪くなかったが、プロテクションにおいてやや両Gとの息が合ってなかったというか、スタンツが多かった相手に対してどっちがどこまでついていくのか、というのが合わずに微妙に漏らしていた場面が散見されました。
    個々人がどうの、というよりもコンビネーションの問題だと思料しております。
    即座に修正をお願い致します。

 

 

感想と続報

  • 「ボールを守り、細部をクリーンアップしなければならない。大事なときに、大変なことになる。そして時には、そこから戻ってくることはできないんだ。」というのはAJの言。
    本当にそう思います。
    この日目立ったのはSandersとWatkinsだが、D#も仕留めるべきところでFieldsを仕留められていたら…というプレーはあった。
    締めなおしていただきたく。


  • Hurtsは肩を傷めたとのことでDAL戦の出場可能性は未定。
    ご本人はまだDAL戦を諦めてなさそうなのでケガ自体はそれほど重くなさそう。
    というか負傷後にAJへのピンポイントのロングパスを通しているのでパフォーマンスには影響なかったはず。
    残り3試合でどこか1勝すれば第1シードは獲れるので、仮にMinshewでDALかNOに勝てればHurtsは1ヵ月休める。
    それがいいのかは別です。

    DAL戦をどっちのQBで行くかはわからないが、個人的にはここで無理させても3週休めるしいいんじゃないの?と軽く考えているところ。
    まあGoedertも復帰するしMinshewでいいか、ということならそれも止めない。
    が、第一希望はHurts


  • CHIさんにおかれましては、是非新球場はMINやDETに倣って屋内としていただきたく。
    それとあまり西日がキツくならないように向きも考えてください。
    よろしくお願いします。