前のアナリティクスについて並べたエントリーが本ブログ開設以来一番の反響を呼んでいるようで大変恐縮です。
議論内容自体は昔からあるもので目新しいものではなかったんでしょうが、自分の勉強も兼ねて双方の言い分を並べたものでした。多様なご意見があるようで興味深く拝見いたしました。
個人的には、あの議論に限定するとアナリティクスの側もそうでない側も同じことを言っている気がして、それは
”D#はランを出されるのが嫌だと思っている”というところかなと。
その事実を、アナリティクスの側は”プレーアクションパスが効果的”だという統計を使って語り、そうでない人たちはランプレーの心理的な影響について言及している、ということではないかと思っている次第です。
そこから、”だから素直に(勝手にD#が意識してくれている)ランをコールするのではなくて、パス特にプレーアクションパスでいけよ”と言うアナリティクスの側と、
”だからランの確立には意味がある”と主張するそうでない側に分かれていくものだと勝手に解釈しました。
恐らくDefenseの選手にしてもOffenseの選手にしてもコーチにしても、NFLのフィールドに関わるほとんどの人は下位カテゴリーから上がってきているわけで、QBのレベルがそれほど高くないハイスクールとかのカテゴリーであればまだまだ"基本はラン"という世界でしょうからそういう時代の成功体験とかトラウマとか、あるいはその若い頃にコーチングされたこと、とかが相まってD#の側はそういう心理になるのではないかと想像してます。
この先脳震盪問題等でルールがどんどん変わっていってハイスクールとかのコーチングにまで影響が及ぶようであればプレーアクションが効かない世界も来るのでしょうが、少なくともこの先10年とかはないんだろうな、と妄想している次第です。
アナリティクスとはいえ人間がやったことの積み重ねを数値化したものなので当たり前のことなんでしょうが。
アナリティクスの考えを少しだけですが理解できたことで早速TNFから観戦の際の目線がちょっと変わった気がして、これはこれで悪くないかなと思っております。
異論も反論もやまほどあるんでしょうが、以上が私見です。アナリティクスに関してはこれで終わります。
ここからは通常通り情熱一辺倒のPHIブログに戻ります。
バイ前の今週は1960年にリーグに参加して以来一度もPHIに勝ったことがないNYJとの試合です。
■Transaction
NYG戦で足首を痛めたRG DriscollはIR入り。これで今季2度目のIR入りとなり自動的にシーズンエンド。残念。こいつも成長は見えるがどうにもケガが多い。
空いた枠にはPSからBrett Tothを引き上げた。Tothは今週の練習でCをやっていたそう。
訪問情報があったストリートのLuke JurigaはTothで空いたPSにIN。ということでOLのメンツは久しぶりに変更になります。
■Injury Report
<PHI>
#PHIvsNYJ Status Report pic.twitter.com/8YPW9ndwKQ
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2021年12月3日
OUTはHowardのみ。当初の目論見通りバイ明けからの復帰になりそう。
問題がQUESTIONABLEのHurts。Sirianniは現地金曜の会見でもHurtsが先発かどうかを明言せず。
まあこのあたりはどっちでも。今はまだ走力が生命線の人なので無理なら無理でMinshewで結構。
<NYJ>
Final injury report for #PHIvsNYJ pic.twitter.com/BpVEwhQN6o
— New York Jets (@nyjets) 2021年12月3日
DOUBTFULのRankinsが出てこないのであれば非常に助かる。
先方はすでにIRに14名もいるようなので現状でも散々な傷み方のようで。お察しします。
■マッチアップ
<PHI Offense>
・前述のようにDriscollのIR入りでHerbigがRGに入る。これで6通り目の組合せに。
本人は”RGが一番落ち着く”という発言をしているし、右側だけで言うとWeek8@DETでもDriscoll離脱後にこの並びで60スナップほどこなしているので連携的には問題なさそう。まああまり心配はしていない。ホールディングだけすんなよ。
LT | LG | C | RG | RT | |
Week1・2 | Mailata | Seumalo | Kelce | Brooks | Lane |
Week3 | Dillard | Seumalo | Kelce | Dickerson | Lane |
Week4 | Dillard | Dickerson | Kelce | Herbig | Driscoll |
Week5・6 | Dillard | Dickerson | Kelce | Driscoll | Mailata |
Week7-12 | Mailata | Dickerson | Kelce | Driscoll | Lane |
Week13- | Mailata | Dickerson | Kelce | Herbig | Lane |
・NYJのD#について。Salehが就任したのでここが改善されると思っていたのにパスD#は31位・ランD#は30位で総合32位という効率のよう。平たく言うとリーグ最弱D#。
・というのはたぶん過去の話。リーグ最低の平均30.4失点という数字を残しているNYJのD#だが、直近2試合(MIA・HOU)に限定してみると合計38失点とかなり改善されている。PHIとしてもMinshewでいくならこの程度の得点力になると思われる。
・Saleh D#の定着に伴いプレッシャーをかけることに関してなかなか上達しているということなので2サックぐらいは覚悟しておく。ただしINTはなしでお願いしたい。
・QBが決まらないと願望も定まらないが、まあここはHurtsが出てくると仮定。多分その方が可能性も高いし。
Hurtsが出るのであれば、Sirianniにおかれては先週と同じ轍を踏まないように。この場合であればHurtsのランを中心に据えていただいて結構。
見くびっていたのでここで謝りたいのだが、Run Game CoordinatorのStoutland先生は本当にさすが。”古今東西の戦術が頭に入っている”とかつてKelceだったが褒めていたとおり、RPOも絡ませてとにかくランプレーの幅が多い。なのでSirianniが辛抱さえできればここで圧倒出来る気がする。
・とは言えHowardもいないことを考えるとすぐ手詰まりになってもおかしくない。
・プレーアクションパスはとにかく頻繁というか積極的に使っていって欲しいのだが、先週NYGに一つの回答を出されたと思っており、それがプレッシャーをかけつつGoedertとDeVontaさえ手厚くカバーしてしまえばPHIのパスオフェンスは無力化できる、というところ。
・ぐうの音もでない。
・なので第3のターゲットとして、WatkinsとかSanders・Boston・GainwellとJJAWあたりを使っていくことになるんだろうが、ここで一つ提案がある。そろそろTyree Jacksonをいっぱい使っていくというのはいかがか。単純に6-7もある身長でミスマッチは起こせるだろうしルートランもそろそろ上達しているはず。是非この試合でブレークしてほしい。(Reagorは使わなくて結構)
・MinshewであってもプレーアクションからTyree Jacksonよろしく。
・目標17点。
<PHI Defense>
・Zach Wilsonは、実はこのドラフトで相当に調査した様子。まだ全体6位を持っていた時代、PHI首脳陣はWilsonに首ったけになっていたようだが、結局NYJの指名の意思が固く断念。トレードダウンすることに。その後は皆さんご存知の通り。DeVontaと来年のドラ1が手に入った事実にだいぶ満足しているのでここのたらればはどうでも良い。
・問題はDC GannonがWilsonを"リスペクト"しているという事実。皆さんご存知のとおり、こいつはリスペクトした相手には徹底的に引いて守るという悪い癖がある。
・真逆である。リーグダントツのINT率を誇るWilsonに対してやるべきなのは1にも2にもプレッシャーをかけること。
・ここができないとElijah MooreとかCorey Davisとかにアンダーニースを中心に好きなようにやられてしまう気がするのでまずはプレッシャーから。
・ちゃんとプレスカバレッジが出来ていればいずれSlayのところでINTが期待できる。
・OLはお世辞にも強いとは言えそうにないので高給取りのDL各位におかれてはサックパーティの開催をそろそろお願いしますね。
■見たいもの
・HurtsとSirianniのバウンスバック。賢明な2人だけにここはだいぶ期待している。
・歴史的には11勝0敗だとしても、もはやNYJも全然簡単に勝てる相手ではない。おもにこっち側の問題で。まずは先週のような自滅を絶対に防いでいただきたい。
・MetLife2連敗のあと現地がHurts更迭論を大声で叫ぶバイウィークは精神に悪い。何としても勝ってほしい。
・勝て。それだけで良い。
GO BIRDS!!