鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

1巡12位とそれに伴う2巡の振る舞いへの願望

現地21日水曜日に、ドラフト前のRoseman・Weidl・Sirianniの記者会見が行われた。
その際に、Rosemanはしきりに「フロントオフィスの一体感」や「スカウトへの信頼」「コーチ陣とのコミュニケーション」について語っていたとのこと。あの記事による影響は多少なりともあったのだろうし、危機感は持っているのだろう。
Rosemanは「貴様事前のドラフトボードから外れて独断と偏見でピックしたころがあるそうだな」という記者からの問いに対して、明確に否定はしなかったという。
これを改心への第一歩と捉えて、RosemanならびにLurieが変わったと判断するのは時期尚早。結局いかにクレイジー感が少ないドラフトを行うかにすべてが懸かっている。そして超えるべきジンクスが残っている。
そんな日本時間来週金曜に迫ったドラフト本番。まだ確定とは言いませんが、悩んでいるところも含めて一旦現時点の考えをつらつら書いてみます。まったく纏まっていないので書きながら考えを整理していく感じなのでいつも通り駄文です。

 

【1巡の振る舞いへの希望】
指名権は1-12。ここでの希望はただ一つ。
突き抜けた才能が欲しい
安易にニーズを埋めに行くことはしないでほしい。
そして、いい加減2013のDeSean以来となるパスオフェンスの軸が欲しい。
ErtzはいいポゼッションレシーバーではあるけどRACが全くなくてweaponとして物足りなかったのでDeSean以来とさせていただく。思えばWentzが一番不幸だったのはここを全く整えてあげられないままにPHIでの5年間が終わったところ。Ertzのところに似たようなタイプのGoedertを加えてパワーアップとか冗談にもほどがある。
サポーティングキャスト整備というチーム側のQB受け入れ準備が整わない限り、どんなスーパーQBが来てもダメだ。まずWR(もしくはTE)がカバーを破って、そこにQBが投げ込む、という形が自然なものに思える。QBの能力はそこからの上乗せでしかない。ここはスキームとの組合せでなんとかできそうでもあるが、それが出来なかったのが2020であり、やはりある程度個人技がないと辛いのだと思わざるを得ない。
これが当初6位でChase・Pittsに行ってほしかった最大の理由。同時に12位に落とした最大のフラストレーション。
だがまだ望みはある。
というわけで現時点の第1希望はDeVonta Smith(Alabama)。
シニアボウル、プロデイと計量をことごとく拒否していたが、公式メディカルチェックの際の数値が流出。これによると6-0(約183cm),166(約75kg)だったとか。彼の場合、やはり懸念されているのはその小さすぎるサイズというか軽すぎる体重。
これはカレッジより屈強なプロのCBのプレスカバーを破れるか、ブロックができるか、というパワー面での懸念、およびそれに伴う使い勝手の制限というスキーム上の難しさ、それに伴うスナップ数の制限による試合への影響力の低減、そして耐久性への懸念、というマイナス面を想起させるもの。実際にチャンピオンシップにおいて人差し指の脱臼というケガが発生したことに伴いその懸念は大きくなっている様子。
マイナス面を挙げると以上のようになる。つまりサイズだけ。(BAMAの行事を欠席して開幕戦の1Qを出場停止になったり、相手を殴って退場処分になったりしているけれども、まあいずれも2019のことなので精神面は大人になっているでしょう。)

根拠はない。根拠はないけど、このサイズは大丈夫だと思いたい。
そこに目を瞑れるほどのプラスがあるから。
それは、カレッジ時代に見せたキャッチ力・献身さ・(小ささからくる)闘争心や密集を恐れない根性・相手のカバレッジをベンチでコーチにすぐフィードバックできるほどのフットボールIQの高さなどなど。もう一つ加えるのであれば、彼のウィングスパンは78.25である。これは身長がほぼ同じのChaseよりも4インチ弱長く、つまり直径にすると10cmほどではあるが、的は大きい。
WRのスピードは、トラックのタイムでなくゲームフィルムで判断すべし、という結論を出したことがある者としては、というかJJAWのトラックタイムで騙された者としては、フィルムで文句ないSmithで行きたい。

現地でも彼のサイズについては、「この小ささ(軽さ)で実績を残したWRは皆無」という論評をよく見るが、1994にドラフトされたWR Isaac Bruce(当時LAR・のちにSTL)がコンバインで5-11,173というSmithと近いサイズを記録し、のちに15lbsぐらい増量したものの、最終的には殿堂入りしていることを無視しないでいただきたい。まあ25年以上前だし時代が違うよね、という言い分も少しはわかるが、統計を取るうえでの時代の区切りは任意なのだからそこに言及しないのは不親切であろう。

PHIのフロントが分析系に重きを置いているのなら、このサイズをもってSmithをパスすることは容易に想像がつく。一方で、Rosemanは前述の記者会見において、「サイズによってプロスペクトを差別することはない」と発言している。まあサイズももちろん考慮しなければいけない要素なのではあろうが、それだけで判断を行うことがないように願います。生まれ変わる気があるのか、これをもって第一関門としたい。

というわけで、現時点の12位指名候補者を希望順に。ChaseとPittsは消えたものと仮定して。

<Tier1>
・WR DeVonta Smith(Alabama)
・WR Jaylen Waddle(Alabama)

<Tier2>
・CB Patrick Surtain Ⅱ(Alabama)
・CB Caleb Farley(Virginia Tech)
・CB Jaycee Horn(South Carolina)
・CB Greg Newsome Ⅱ(Northwestern)

この順位でのWRの希望がこの2人なのは、いずれもHurtsとの関係があり、文字通り即戦力になりそうだから。この2人にこういう順位をつけたのは、WaddleからどうしてもRuggs感が匂うところ。いい選手なのだろうし速いし使い勝手はいいんだろうけど、Smithと比較して、ドロップが多いところ、競り合いが弱いところ、ブロックが微妙なところ、等を考慮してこの順位にしました。巷の評価と違うのはよくわかっておりますが。

しかしこんな雑な順位付けはない。実際にはあまり意味がないTier分けですが、8位DETと11位NYGの動向次第でTier1とした二人が売り切れる可能性があるため、その場合はTier2の3名から行っていただきたいというもの。そして、DALがどうやらPitts特攻をしなそうな情勢、モック通りSurtainの指名が確実視されているところ、じゃあPHIとしてはFarleyかHornかその他か、という選択。

ここで出てくる疑問が、「あれだけWRが欲しいと言っていたのにCBとはどういうことか」というもの。
これについてもずっと考えている。
正直Smith・Waddle以外の2人に、去年のJefferson(MIN)みたいにコンスタントに活躍して一人で局面を打開できるほどの才能がいるのかよく見えないところ、であればTop3が消えたWRよりCB2のほうが試合への影響が大きいのではないかという推測。
加えて、今年のWR・CBであれば2巡以降でもまだ層が厚いのはWRのほうではないか、ということ。2-37辺りまでくればリーチ感が減るのでTerrace Marshall(LSU)にも行けそうな気がするし。
1巡でCBに行くならケガの具合が割と大丈夫そうなFarleyにちょっと魅力を感じている次第。もとよりCBは難しいポジションだと聞いているので、1年目にある程度やられることは織り込み済み。24試合しかないCBとしての乏しい経験もその1年の間にやられながら学んでいただければ結構。粗削りながら2019のフィルムから見えている素質だけならFarleyではないか、という趣旨。まあ負傷歴を嫌気してもいいと思います。その場合はHornかね。この辺はスカウトの評価を信じましょう。

ということで、Smith・Waddleであれば2巡はCB。1巡CBなら2巡はWRでひとつよろしく。

以下蛇足ですが、仮に1-12でSmithもしくはWaddleを指名できたとして、2-37でのCBでKelvin Joseph(Kentucky)の指名だけはやめていただきたい。
経歴を簡単に。LSUに入学したがチームの規律違反か何かでシーズン最後のボウルゲームで除外。その後LSUを追い出されてKentuckyへ。アスリートとしての能力は高く、2020も9試合で4INTを挙げるなど見事なプレーぶりだったが、だんだんと努力を怠るようになり、最終的にはHCのStoopsに「あいつをフィールドに立たせるわけにはいかない」と言わせて最後の2試合は“オプトアウトを指示された”とのこと。
何があったのかはわからないが、一つ参考になる情報として、彼の本業はラッパー。“YKDV Bossman Fat”という名義で既に6枚のアルバムをリリースしている。このフィールド外での活動が、フィールドにおける集中力の妨げになっているであろうことは想像に難くない。
なぜこんな情報を書いたかというと、“YKDV Bossman Fat”のアルバムをAmazonで見ていると、恐ろしいことに“Brotherly Love”というアルバムをリリースしていたから。こんなに怖い話はない。あだ名が“City of Brotherly Love”のPHIへの秋波だとするとこんなに怖いことはない。絶対にやめてほしい。
以上、考えすぎでしょうが、ご参考まで。

 

【その他のポジション】
最近になって目にする頻度が増えたのは、1-12で「OT・OG・EDGE・DT」を指名するというモック。というか推測。そして当日もこっちのチョイスをしそうな気がしてならない。
本当にやめてもらいたい。上の稚拙なTier分けにしてもそうだが、この順位で現状のメンツに攻守のラインを加える余裕はない、というのが私の主張です。
可能性は低いが、Sewellが落ちてきた場合のみ、OT指名を考慮に入れてもいい。
OT・OGについては2020シーズンに多発したケガ人が戻れば標準以上の陣容にはなる。不安が残る(実績が乏しい)のはLTのところになるが、MailataもしくはDillardでキャンプに入ればいい。ここに競争要員を入れたいということであれば好きにすればよいが、それは4巡以降での指名でいい。
Mailataに変えてOTを指名する理由について「(サンプル数が少ない)Mailataが本当にやれるかどうかわからないから」という言語道断なものがある。ふざけないでほしい。そのギャンブル性はドラフティーであっても何ら変わらないから。
OGなんかもっとダメだよ。標準程度の出来ではあるSeumaloのところを変えてみても劇的な改善は見込めないところに1-12はなし。

そしてDLについてはもっとやめてほしい。EDGEはBarnettの10Mを保証した。DTも上2枚は確定。となるとスターター4枚が確定しているというのがDLの現状。欲しいのはローテーション要員。となれば3巡以降で結構。
加えて、もとより今年はディフェンスサイドのタレントが薄いという評判。1-12で、今のスターター4枚をこじ開けて割って入れそうなタレントは見当たらない。だからやめてほしいというもの。

その他、PHIではLB問題は解決しましたので1-12でParsonsという選択肢はありません。

 

そしてこれだけ書けばお気づきでしょうが、Rosemanが超えるべきジンクスとは、PHIにとって2005年以来となるAlabama産プロスペクトの指名。これ一つで手のひらを返す自信はある。

1-12のような指名順位ではどうしてもニーズを超えた存在が欲しくなる。慣れ親しんだ20位台とは違うんですよ。がっぽり口を開けたニーズを埋めるための指名にだけは絶対にしないでほしい、というものでした。