鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021 Week11 vsNO感想

現地PHIファンの間では、どうやら東地区以外のNFCチームで最も忌み嫌われているのがSEAとNOだとか。理由は両HC。確かにそれぞれこの15年ぐらいの因縁は深い。そんな相手だということもあって現地は結構ヒートアップしていた様子。どんな形でも良いから勝ってほしいと思っていた試合だが、1Qが終わったときに退屈で寝そうになった。

 

結果PHI 40-29 NO

もちろん退屈になったのはいい意味で、です。身内にバカ野郎がいたりケガ人の発生などで最後は異様な盛り上がりを見せましたが。

Week8DET戦以来の40点ゲーム。2020は30点すら獲れなかったチームが。1シーズン2回の40点獲得はあの栄光の2017シーズン以来。だからといってこの時点でそんな極論を述べようとはさらさら思っていません。

 

■展開の振り返り
・NOのリターンで開幕。Hargraveが地の果てまで押し込まれてランが出る開幕。だが1st Downを取られた次の瞬間にHarrisがBox内に上がってきてT.J.のロスタックル。3rd&Longを作ってディスガイズからMaddoxのBlitzが入ってPuntに追い込む。だれだこのDCは。俺たちが知っているGannonじゃない。

・返しのシリーズはKelceのブロックミスでZone ReadがロスしてPunt。しかしこの日のNOのEDGEは本当によく教育されていた。解説がこの日100回ぐらい”SURF Technique”という言葉を連呼していたが、これはOption対象となったEDGEが、QBとかRBにアタックするのではなく両肩を平行に保ったままQBの選択をギリギリまで遅らせる、というもの。こうすることでDLとかLBとかSがプレーに寄ってくる時間を稼ぐという趣旨。まんまとKelceのところからDT 林檎が漏れてきてロスに。
しかしこのPunt後の最初のプレーでSiemianからT.J.がINT。敵陣からの攻撃はGoedertへのプレーアクションパスで3rd&6を2回クリアして最後はHurtsのスニークでTD。というかその前のGoedertで絶対TD取ってたけどな審判の皆さんよ。(7-0

・その後のシリーズはDavion Taylorが膝の捻挫で退場するが3凡に抑えてPunt。ここで飛び出したこの日のハイライトプレー。NOのLB WernerをプルアウトしたKelceが吹っ飛ばしつつ2枚取り、Sandersが25yds獲得。さらにこの3プレー後。先方のEDGEがちゃんとリードしてくると見るやHurtsはハンドオフをめちゃくちゃ外までスライドさせてEDGEを外に飛ばしてからEDGEの内側に強引を駆け上がる。”SURF Technique”への完璧な回答を叩きつける。このプレーでゴール前に進み、最後はスクランブルでTD。(14-0

・返しのD#も安定。2Qにかけて2回ほど1st Downを獲得されるが、最後はSweatのナイスプレッシャーもあってPunt。しかしこれがナイスPuntでPHIは自陣4yd地点からのOffense。ここで何とか得点できれば今日はもう終わりかな、と思っていたらやりやがった。この逆クラッチエリアでSandersファンブルロスト。クソなのである。ゴミなのかキサマ。口動かしてるヒマがあればセキュリティ練習でもやっとけ。
いきなりゴール前からの開始となったD#は、LAC戦ぐらい粘ったが最後はSiemianに芸術的なパスを通されてTD。これは先方を褒めるしかない。(14-7

・しかしOffenseはノっている。ランを中心にDeVontaを使ったシリーズと、ようやくHowardを中心に据えたシリーズで連続してFG成功。(20-7

・その後まで自陣深くでさっきのデジャヴかと思うようなSandersファンブルロストがあったが、これはフォワードプログレスで無効に。そして2Qの最後にはSlayの51ydsのPick6が飛び出して楽勝ムードで前半を終了。(27-7

・後半開始直後はPuntの蹴り合いとなり、Howardの痛々しいプレーでの退場があったが、スクリーンプレーでGoedertDeVontaを有効に使ってゴール前へ。ここも最後はDriscollのフォルススタートとKelceのところからのサックでFGに。(30-7

・そしてCoxファンブルフォース。T.J.が押さえてターンオーバー。貰ったボールはSandersでちょろっと進むがFGに。(33-7

・ここから4Q中盤にかけて地獄の時間帯。Offenseの2シリーズ連続3凡という停滞と、Slayが脳震盪で抜けたDefenseのザル化、さらにKick Offを5yd地点ぐらいに落とされてリターンを強要されたうえで15yd地点ぐらいで止められるというKRのマズさを衝かれて3ポゼッション連続の得点を許す。(33-22

・4Q残り7分ぐらいで始まったPHIのシリーズで念願の1stDownをプレーアクションからJJAWに20ydのパスを通して獲得。再びリズムを取り戻し、最後は残り4分ぐらいで飛び出したNOのDE Grandersonの足首を破壊するHurtsの24ydsTDラン。なんやかんやあって最後もTDを獲られた気がするがこれにて試合終了。(40-29

 

■主なスタッツ
<Offense>
投げる人
#1 Hurts:13/24(54%)147yds 0TD 0INT LG 33yds レーティング72.7 サック3

走る人
#26 Sanders:16回94yds(Avg. 5.9yds)LG 25yds 0TD
#1 Hurts:18回69yds(Avg. 3.8yds)LG 24yds 3TD
#24 Howard:10回63yds(Avg. 6.3yds)LG 18yds 0TD
#35 Scott:6回16yds(Avg. 2.7yds)LG 5yds 0TD
合計:50回242ydsAvg. 4.8yds)LG 25yds 3TD

捕る人
#88 Goedert:5/8 62yds(Avg.12.4yds)LG 16yds 0TD 
#6 Smith:4/6 61yds(Avg. 15.3yds)LG 33yds 0TD
#35 Scott:2/2 2yds(Avg. 1.0yds)LG 4yds 0TD
#19 JJAW:1/1 23yds(Avg. 23.0yds)LG 23yds 0TD
#18 Reagor:1/3 ▲1yds(Avg. ▲1.0yds)LG ▲1yds 0TD


<Defense>
パス:22/40(61%)214yds 3TD 2INT LG 26yds レーティング74.4 サック0
ラン:22回109yds(Avg. 5.0yds)LG 28yds 1TD


<Special Teams>
蹴る人
#4 Elliott(K):FG4/4(100%)LG 50yds・XTP3/3(100%)
#8 Siposs(P):5回221yds(Avg. 44.2yds・NET 38.4yds)LG 53yds Inside20:1

走る人
PR Reagor:4回43yds(Avg. 10.8yds)LG 13yds 0TD
KR Reagor:3回51yds(Avg. 17.0yds)LG 20yds 0TD


<Penalties>
Offense:3回20yds
Defense:1回15yds
ST:1回14yds
合計6回49yds

 

■良かった人
<Offense>
Sirianni & Steichen。特にSirianni。もしかしたらめちゃくちゃ有能なのかもしれない。OC Steichenとゲームプランは共同で作成していると聞いているが、ゲームプランにしてもプレーコールにしても素晴らしい。この試合で感動したのが2nd Downのプレー選択とランプレーの狙いどころの多彩さとスクリーンプレーのタイミングとJJAWへのここ一番の使い方。2nd Downのプレー選択はシーズン序盤にずっと不満だったが、この2試合については3rd&Longの遊び方の幅が異常に広いためなるべくその状況を作りたくないDCを相手になんとしても3rd&Longを避けようとしていることが見えた序盤だった。1Qの3rd Downは6回(うち5回成功)。そのTo Goは実に平均3.5ydという優秀さ。こうなればOffenseの幅は広がる。これだよ。シーズン序盤のストレスは完全に消えたと言って良いでしょう。この調子で頼みます。

Hurts。ランの部分は言わずもがな。パスもやはりプレーアクションにしたほうがプレッシャーが減って落ち着くのだろうか。GoedertDeVontaへのパスは正確だった。QBにおける最重要スタッツは勝敗だと思っている立場からするとこの3試合は非常に良い。後述するが改善点も見えたのでその辺もよろしく。

OL。うちのビッグガイたちは最高。試合前の段階でランD#リーグ1位だった今季最悪で130ydsぐらいしかランを出されていないNOに対して50回242ydsは言うことなし。試合後にはNOのランD#ランクは3位まで下降したそうな。痛快。
印象的なのは簡単にDLを処理したあとしっかりとLBまでブロッキングが届いていること。いかに先方のLBが優秀でもあれだけ大男にブロックされちゃどうしようもなかろう。Stoutlandは本当に良い仕事。これだけ技術がしっかりしてればよほどのことがない限り大きな心配は要らなそうだという感覚を持ちました。
それと、RGに入っているDriscollについて。観戦中の感じでは何個かやられているシーンがあったが、よく見れば堅実な仕事をしていた。PFF的にも優秀な成績だった様子。ただ、ランでやられたこともサック寸前のプレッシャーもフォルススタートもあったことは間違いないので改善を求める。
攻撃時間は37分に及んだ。先方DLは画面上でもバテてるのが伝わってきた。これは悪夢のDAL戦であいつらにやられた戦い方の裏返し。これができればQBもD#もだいぶ助かるので引き続きこれで。
では素晴らしい動画たちを貼っておきます。Kelceにおかれましてはあと5年引退することを禁ず。

Davenportでだいぶ遊んだMailataはインスタにこの揉み合いの写真を掲載。場所を(現地で有名な)パンケーキ店と添えたことで一躍ヒーローに。素晴らしい。もっとやれ。

Goedert。本当に頼れるクラッチレシーバーだなあんたは。だけど後半のつらい時間帯にドロップしたことは付言しておきます。大金に浮かれるなよ。

Howard。あのシリーズは最高だった。持てば6yds以上進んじゃうとか最高だよ。やはりブロックを見極める目とディフェンダーに自分からしっかり当たっていって向こう側に倒れられるフィジカルは本当に素晴らしい。なので離脱は非常に残念。3Qに退場したが、どうやら膝の捻挫とかのようでNYG戦の欠場は固そうな情勢。困った。早く治してください。

JJAW。初ターゲットと初キャッチおめ。めちゃくちゃ助かりました。これについては本当にSirianniの使い方がうまかったと思っていて、シーズン開幕以来とにかくスクリーンとかランのブロッキング要員でしかなかった場面をああいうところで使うとか本当にしびれる。LBなんか彼の存在に気づいてなかったし。これで今季の出番は終わりかな。

 

<Defense>
Gannon。見違えた。Jim Johnsonかと思った。プレッシャーのかけ方が非常に良かった。試合序盤にしっかりプレッシャーをかけてQBをリズムに乗せないというやり方には全面的に賛成します。試合全体のBlitz比率はまだ低いが、ああいう効率の良さなら許せる。サック無しは不満ですが3TOは立派。成長は見えたのでこの調子で、できれば後半の引きすぎをもうちょっとなんとかしてください。
マンデーナイトのNYGを見る限りDaniel Jonesはプレッシャーをかけると急に精度が下がるみたいなのでこの感じで次もよろしく。

Slay。オールプロ1stチームですね、と言おうと思ったらJalen Ramsey(LAR)とAJ Terrell(ATL)もめちゃくちゃ良いみたいですね。前半終了間際のタイミングでのPick6。ファンブルリカバーTD2つと合わせて今季3個目のTD。何が去年とこんなに変わったのかわからないが、これもDeVontaのおかげだと思おう。3Qに脳震盪で退場したが、試合後も元気だったようで次戦の出場も可能っぽいと聞いて一安心。

T.J. Edwards。契約延長おめでとう。INTはナイスでしたしタックルの堅実さも素晴らしい。

 

<ST>
Elliott。黙ってたけど今季の安定感は素晴らしい。この試合も50ydを筆頭にXTPも含めて7発全的中。お見事。

 

■悪い奴ら
Sanders。ラン獲得94ydsは立派。Howardではできなかったオープンに持ち出してのランは素晴らしい。だけど、だけど、ファンブルするRBはいらない。100yds走っても1個ファンブルロストしたらマイナス。200ydsなら許してもいい。だけどキサマ2個落としたな。運よく1個は見落としてもらえていたが。大体こいつは復帰前の段階で「プレーオフ」と口にするなど頭の悪さが気に入らない。Coxなどベテランたちも試合後にどれだけ記者から水を向けられても「毎日目の前のことに集中するだけ」的な発言をしている。
そういえば4Q残り4分ぐらいでまた外に出たプレーがあったな。それが原因でCAR戦の最後にベンチであれだけコーチに叱責されたことをもう忘れたのか。
チームの足を引っ張っている自覚を是非お持ちください。
目の前のボールに集中しなさい。お前の走る道を空けるために身体を張っているビッグガイたちの仕事を無駄にするようなやつはいらない。契約は来年まであるがこのままなら断じて延長はなしでお願いしたい。ベテランミニマムだとしてもファンブル癖とドロップ癖が治らないならいらない。

Boston。来週からは活躍してもらわないといけないんだが一つ。ブロックが見えてなさすぎる。全くアサイメント理解してないんではないか。そっちに逃げてもブロッカー誰もいませんしあなたのカラダじゃ誰も外せないと思いますよ。Howardがいないので出番増は必定だが、どちらかというとGainwellの方が見たい。まああいつもファンブル癖があるが。

Reagor。いい加減に何ができるのか教えてください。ドラ1だったはず。今日もスタッツはマイナスしか残ってませんね。KRも酷い有り様でしたな。まあPRは良かった。それだけ。

Hurts。これは「悪い」とは断じて違う。伸びしろの話。この試合に関してはRZ侵入後のTD率がこれまでより落ちた。DEN戦の後半にINTされた時からちょっと匂っていたがゾーンカバレッジに対してちょっと微妙。NOが仕掛けてきたのはRZでの8人カバー。確かにプロテクションは永久に待っていたが、残り全員Hurtsの一挙手一投足に集中されている状況では安易にスクランブルにも出られず手詰まりになる場面があった。ちなみに同じ場面はマンデーナイトのNYG@TBでも見たし、NYGが仕掛けたあのカバーに対してはGOATBradyでも手を焼いていた。だからそんなすぐに改善できるものでもないのだろうが、次に見たいのはこれ。よろしくお願いします。

 

HowardDavionの離脱がどれほど効いてくるのかわからないが、そのあたりへの不安はある。

かつて、かのBelichickは「フットボールシーズンは感謝祭のあとに始まる」と言った。プレーオフを目指す資格があることを確認できたのが今週。ここから先は本当の戦いが始まる。ケガ人も出始めたがそれは各チーム同じ状況。まずは何が起こるかわからない同地区ライバル戦。手綱を引き締めてNYに乗り込む準備をしてほしい。