非常にどうでもいい記録にはなるが、Hurtsは前任のWentzが持っていたプレーオフでの生涯パス成功数をあっさり超えてWentz以上であることを証明した。
Wentzが5年の在籍でプレーオフでのパス成功が1回だったのは秘密である。
結果：PHI 15-31 TB
持ち前の帳尻合わせで見ていられるスコアには仕上がっているが、3Q残り5分時点で0-31であったことからもわかる通り、Offense・Defense・ST・Coachingの全局面で劣った、弁解の余地がない、いっそ清々しいほどの力負けだった。
最後のプレーまでもつれた上に審判に文句言わないと心の平衡が保てないDALファンのやりきれなさは想像すらしたくない。
■TB戦振り返り
＜良かった人たち＞
・ダメすぎて良かった人が思い浮かばない。まあDeVontaは良かったがあまり使ってもらえなかったし、Kerrigan狂い咲き（1.5サック）というイベントも発生したが、来季いない人のことを述べる気力もない。
＜ダメだった人たちとか＞
・Sirianni
あまり責められないのは、試合の入りについては事前に願っていたようなものだったから。とにかく終始先方DCのTodd Bowlesにいいようにやられた感があってこのあたりにSirianniさんの成長の余地がありそうだと思います。
あまりに工夫がなかったというか、想定が足りなかったという意味では責任重大なのでしっかり反省して来季に活かしてください。
この人はショートバイ明けのWeek7とかバイ明けのWeek15とかにも感じたが、時間を空けるといい指揮をしなくなるイメージがある。多分に考えすぎなのではなかろうかと。そのクセ肝心のところに頭がいっていないというか。考えたつもりになるという一番ダメなパターンの匂い。
結果して1Qでほぼ勝負が決まってしまったという点で、シーズン終盤に顕在化した”立ち上がりの悪さ”という課題に最後まで足を引っ張られた形。ですが繰り返しますがここは私も同じプランで思っていたので責めがたいところ。
HCもプレーコールも1年目のはずで、いきなり両立して全部できる人なんてなかなかいないと思いますので来季はもうちょっとマシになっていてください。よろしくお願いします。
・Hurts
あの出来では擁護できない。多分Week12のNYG戦以来の出来の悪さだった。こういうプレッシャーとディスガイズを多用するD#に弱いところがありますね。
現地民の間では「こんな空いてるWRがいるのに見落とした」という論が多発しております。Hurts自身がWeek16のNYG戦後に述べていたとおり、QBにはパッケージと相手D#のカバーというかルックに応じてリードの順番があるはずで、それに乗らないWRならいかに空いていようが後回しになるのは致し方ないところもありますが、まあ言いたくなる気持ちもわからんではない。空いているっぽいターゲットの見落としが散見されたのは事実ですし。
この責もSirianni・Steichen・JohnsonというQB周辺のコーチ陣に帰せられるべきではないか、というのが個人的な感想。
・Goedert
落とすなよバカたれ。2Q中盤。0-17ではあったが、D#が意外と粘っていたというかBradyとかいう神様がエンタメにお付き合いくださっていた局面。それまで競り合いで充分な強さを見せていたGoedert自身をきっかけに反撃の糸口を掴みかけていた状況でクリーン落球。蜘蛛の糸は虚しくも切れた。
これがブレーキとなり、最後は4th DownのパスをあろうことかReagorに投げてDown。ここでしっかりTDまでいけていればもう少し見ていられる試合になった。
雨中のWAS戦の落球2発もそうだが、どうもフリーになった途端集中力を切らしての落球が多い気がする。頼むよ。同期のMark Andrewsはオールプロだそうだな。あんたはあいつより高給取りだそうだな。来季はよろしく。
・Kelce
Veaタイプが大の苦手なのすっかり忘れてた。今季ここまで、LV戦でヘルメットを脱がされたことへ怒ったプロ11年間で初となるUnsportsmanlike Conduct以外反則がなかったオールプロCがなんとホールディング2発。32ydと9ydのゲインを取り消したものとなった。
しかしそんなことはどうでも良い。この日もフィールドを去ったのはチームで最後だった。スタンドを見上げて献身的なファンに手を挙げて歩く背中の小ささよ。あの試合が最後だったのかい？本当ならBig Ben並みに派手に見送られるべき男のはず。こちらの心の準備は全然出来ていない。
・McLeod
3Q中盤、30点目を取られたのはBrady→Evansのホットライン。EvansのマッチアップはMcLeod。ルートランでちぎられ、なんとか飛びついた足元へのタックルも文字通り一蹴。見ていて悲しくなるプレーであった。ロッカールームリーダーとしてのあなたにはこれからもずっといていただきたいのだが、6'5"（196cm）の大男に5'10"（178cm）がルートランで崩されたのはとても不安が募る映像でした。5'9"（175cm）のMaddoxも同じようにマンツーマンで全くついていけていなかったから単にMike Evansがコンプリートパッケージでした、という結論でいいのかもしれないが。Sは本当にどうしたら良いのか。
・96番
君がやってるのは多分違うスポーツだよ。SB52でのごっつあんファンブルリカバー以外全くいい印象がないまま5年を終えましたな。5年間のレギュラーシーズン通算で、自分より16スポット後にドラフト指名されたDEのシーズン記録（22.5）にも満たないサック数（21.5）しか残せなかった気持ちはどうですか？この日の0.5サックでプレーオフも含めたキャリア通算だと23サックになるからTJを超えたって？そうですか。結構です。
君には心のどこを探しても感謝の気持ちが見当たらないんだよ不思議だね。さようなら。二度と顔を拝まず済みますように。
・Reagor
リリースできないルートラン。マフ。マフ未遂。ゴミプレーの博覧会。
こいつに生きている意味はあるのか。
クビにすると8Mぐらいのデッドキャップになってキャップもセーブできないらしい。唯一の方法はトレード。これなら4M弱のデッドキャップで済む。
どなたか再来年の7巡とかで結構なのでもらっていただけないでしょうか。なるほどテキサス州はダラス近郊で育ったのか。じゃあ傷心のあのチームに引き取ってもらうか。
しかし処理にも費用が掛かるとは本物の産業廃棄物。
そしてこいつにはこの事実がついて回る。
The fact that Andy Weidl’s draft board was ignored to select Reagor over Jefferson is never going away.
— Chris Mortensen (@mortreport) 2022年1月16日
有能なるAndy Weidl（PHIスカウト部門のボス）が作ったドラフトボードを無視してJustin Jeffersonが残っている状況でReagorを指名したのは文字通りお花畑のような脳ミソをしたあいつ。
1巡指名権を濫用した結果、その後長い年月チームに暗い影を落としつつあるフランチャイズQB問題を惹起してチームを弱体化させたり補強戦略を混乱に陥れたことは何らかの罪に問われないのか。信賞必罰という言葉はこのチームにはないのか。神は死んだのか。聞いてんのかお前だよ蟯虫野郎。
ではこの日レイモンドジェームズスタジアムに展示された現代美術の金字塔、"がっちりプレスカバーされてスクリメージライン上で二進も三進もいかなくなった元ドラ1WR"をどうぞ。
Jalen Reagor is a liability to the team...#Eaglespic.twitter.com/74Rox5ffvJ
— Thomas R. Petersen (@thomasrp93) 2022年1月18日
■その後
既に論争が勃発。内容は昨オフとほぼ変わらない。"2つか3つ1巡指名権積んでRuss獲りにいけ"、というもの。
しかしなあ。
この悲惨な試合後のHurtsは”この試合を壊した責任は自分にある”的な発言。Hurtsの後に記者会見を行ったMailataはHurtsのプレスを見たとしてこう述べている。
曰く、”Hurts1人の責任では断じてない。全部引き受けようとする姿は見ていて心が潰れそうになったよ。あいつだけが悪いわけがない。俺が悪い。全員悪い。もう少し長くブロックしないといけないプレーは確かにあった。みんなが良くならなくてはいけない。”
と。やめてくれ泣きそうなんだが。
こういったHurtsの無形の部分に完全に惚れてしまっているこちらとしては”Russ獲りに行け”とは口が裂けても言えない。
プレーというかパスの面でも間違いなく向上は見られましたし。
まだ初めての先発シーズンが終わったばかりである。確かに最後の試合の印象は悪かったが、ここにエースを張れるWRをFAで1枚、いぶし銀を1枚ぐらい加えたらだいぶ違う顔を見せてくれると思うのは期待が過ぎるか。
糾弾しなかったように、Gannonはそんなに悪くなかった。単純にEDGEとSとLBにタレントが足りなかった。そしてこのあたりの手当ができればもう少し粘れたはず。
だから早くD#サイドの才能とスピードを確保しておかないとどんな一流QBをとっても状況は変わらない気がする。なのでまずこの3つのドラ1指名権のうち1つぐらい来年に回したうえでD#の補強をしっかり行っていただきたい次第。
そのうえで23ドラフトのQBの豊富さに思いを馳せながら22シーズンでHurtsの判断をしましょうよ。と言いたい。少なくとも今年の出来は”即失格”となるほどのものではなかったはず。
以上、非常に偏っている自覚のあるQB論争への思いでした。
これにて楽しかった2021シーズンは正式に終了。
ドラフトをチラチラ横目に見ながら2月いっぱいぐらいを目途に今季の振り返りを済ませたいと思っているところです。
来季も楽しい時間になりますように。
