鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2023 Week5 @LAR感想

期待通りOffenseが覚醒し、懸念通りDefenseが恥を晒し続けた前半。

だがまあ後半はいつもどおりでしたね。

 

良し悪しありましたが、この試合は良しが勝つのではないでしょうか。

 

結果PHI 23-14 LAR

 

Offenseで想像と違ったのは、LARのDLがカチカチだったこと。

想像通りだったのが、やっぱりGoedertをうまく使うとOffenseは進むということ。

 

Defenseで想像と違ったのは、Carterの支配力がもはやルーキーのレベルにないこと。

想像通りだったのは、Kuppが加わった火力が異次元だったこと。

 

なんというか粗を探し出すときりがないですが、この試合は本当に勝てないと踏んでいたので異常にうれしいところです。

 

 

展開振り返り

PHI Offenseでの開幕。

序盤はこれまで封印し続けたというか有効に使えなかったGoedert。ここのカバーがだいぶ緩かったこともあり2回のレシーブで30yds以上を稼いで敵陣に。

そこからもSwift・A.J.・Goedert・Hurtsのデザインランなどでうまく散らして懸案のRed Zoneへ。

DeVontaへのパス失敗、Swiftのラン(1ydロス)といういつも通りの知性のかけらも感じられない2プレーを見せられて希望がしぼんだ3rd&Goal(6yd)。

このエリアにしては珍しくHurtsがフィールド中央に投げ込んだパスは見事にGoedertの手元に。ゴール前のエリアでこの種の密集へのピンポイントのパス成功をHurtsから見たのは初めてなような気もする。ナイスなパスでした。(7-0

 

しかし返しのLAR Offenseも好調。
その要因をPHI Defenseに求めるのだとしたら、綻びはやはりNCB。
この日はGoodrichからスタートしたSlotエリアがまあ止まらない。
Kuppに2発通されてPHI陣内への侵入を許すと、せっかく作った3rd&8でもまたしてもKupp。そしてこの時のNCBはRicks。そして同じこと(3rd&LongからvsRicksのKupp)で10yd地点まで進まれ、最後はvsBradberryとなっていたAtwellにアジリティを活かされてあっさり同点に。戦前の”殴りあって勝つしかない”という嫌な予感は的中。(7-7

2QにまでまたがったPHI Offenseは、最後空いていたDeVontaをHurtsが見落としたのかフィールド真ん中地点からパント。
最初のシリーズから思っていたが、このPuntの時点で新たに湧き上がってきた違和感が、"あれ?なんでこんなにラン出ないの?"であった。

LARもNacuaの落球等で付き合ってくれてPuntに。DB陣に目立った改善は見えず。

 

自陣28ydからのPHI Offense。
まずは3rd&6でBlitzピックアップからプレッシャーのなかいいタイミングでセーフティバルブに出てタックルを1つブレイクしたGainwellのキャリア最高のプレー。

サックを浴びたりなんかしながらもA.J.やSwiftへのパス、そしてHurts自身の脚でなんとか進んで迎えたLAR陣15yd地点からの3rd&2。

 

ここで飛び出したのが、臆病でブロックが見えないいつものQuez Watkinsによるキャリア最悪のプレー。

こちらがその時のSirianniのリアクション。

好意的に、できる限り好意的に解釈をするならこうなる。

試合の開幕プレーがこれだった。
このときにはデザイン通りA.J.とDeVontaの間を走ったのだが、DeVonta側のCBが漏れて足を引っかけられたことでたぶんQuezの景色と思っていたイメージよりも実際のゲインが相当短かったはずで、その悪いイメージのせいで外に逃げたというのは考えられる。

 

まあ実際にプレーを見直すと、A.J.側のNCBがいいリアクションをしていてレーンがやや狭くなってはいたが、それにしてもQuezはボール持って前向いた瞬間からDeVontaの外側を目指している様子なので本当にセンスがない。
最初にまっすぐ走りだしてA.J.側のNCBの脚を止めることさえできたらそのあとの2ydsなんかなんとでもなるのに。
センスがない。機微もない。感性が悪い。
バカなんだろうな。もうボール持つなよ。こいつに持たすなよ。
FG。(10-7

 

既に残り2:15となっていた前半終盤。
ここからのLARは実にあっさりと、Kuppに39ydsのパスを通してPHI陣奥深くに。
このプレー、KuppがNo.1からNo.2にモーションしたため、通常ならSlayはKuppにつかないはずだが、あまりにもKuppにやられすぎていた前半だったためこのシリーズではSlayがついていくことにサイドラインでの会話で決めていたそう。
まあ誰がついても一緒だったろうが、あまりうまくいかず。

ここからCarterのサックなんかですこし粘るが、最後はvsBradberryのNacuaに22ydsのサイドライン際を通されてTDに。

これはStaffordがうますぎる。あんなところ落とされたら無理。(10-14

 

この時点で0:32だったので、まあ3つ残ってるTimeout全部使ってFGにでもなれば御の字かと思っていたPHI Offense。

 

神業が飛び出して敵陣14yds地点へ。

何度見ても神業。

この時のホースカラータックルで敵陣14yd地点からの1st&10残り0:07。

Hurtsはよくわかってる。
もう一度A.J.に、今度はフェードを投げてそれがCB Derion KendrickのDPIとなって敵陣1ydからの残り0:02。
こうなるとアレしかない。

成功率92%のQBスニーク、通称"Brotherly Shove"で逆転。

このシリーズのHurtsはさすがの50M男。そのうち8割はA.J.のおかげだったが。(17-14

 

後半は打って変わって守りあい。
まずはCarterのこの日2つ目のサックと、猛烈なプレッシャーに耐えかねたStaffordのインテンショナルグラウンディングでPunt。

続くPHI OffenseはGoedertのカバーがDE、というミスマッチをしっかり活かして49ydsのパスを通して敵陣に入る。

が、無念End ZoneのA.J.へのパスはINTに。このパスは本当に余計だった。

バックショルダーにするにしてもA.J.と息が合ってなさすぎる。
Hurtsは反省するように。

 

しかし後半はDefenseが覚醒したのでこのINTも特に傷にはならず。

要因は様々にあるんだろうが、大きなところでいうとパスラッシュと、Slotエリアに合流直後のBradley Robyが入ったこと。

 

両軍沈黙の3Qを挟んで4QにはPHIがFG2本を追加したが、LARにはFGレンジに近づくことすら許さず完封。(23-14

 

だけでは寂しいので試合を終わらせたプレーぐらいは貼っておきましょう。Reddickもいよいよ本調子モードですね。

 

 

主なスタッツ

 

Hurtsは2試合連続での300yds越え。

Goedertは今季初の100ydsゲーム。沈黙の4試合からよく復活しましたね。

A.J.は言わずもがな。3試合連続の100yds越え。

 

 

良かった人たち

 

  • DE Josh Sweat
    立役者。
    サックこそついていないが、この日彼を光らせたのがvsスクリーンのレベルの高さ。

    Carterのところからのプレッシャーが止まらないからスクリーンで逃げようという先方の試みを一人でぶち壊していた印象まである。
    やはりSweatこそが大エース。

 

  •  NCB Bradley Roby
    まだ褒めるには早いかもしれないが、安定感は抜群。
    NCBにも細かい技術があるんだということを、特にGoodrichなんかのあとに出てきたRobyを見ていると強く感じる。
    上手いし、合流数日でのこのプレーなら頭も悪くないんでしょう。
    2022シーズンにおけるLinval Josephのようなヒット作になっていただければ非常にありがたいところ。
    期待しております。

 

  •  WR A.J. Brown
    3試合連続100yds超レシーブで現在リーグ4位。
    この試合のベストプレーはあのワンハンドキャッチだったが、練習ではわざとワンハンドしか使わないセッションもあったりするそう。
    この試合前の水曜かなにかの練習では2ドロップを記録したそうだが、こういう失敗がこういった大活躍に繋がっているんですね。
    感銘を受けました。
    では全レシーブ(6回)をどうぞ。

 

  •  OL特にRG Sua Opeta
    この試合最大の懸案はDonald対策だった。
    完璧だった。
    まずは、ほぼ1試合マッチアップして、シングルであっても致命的なミスを起こさなかったOpeta。最高。
    そして横のOpetaを1試合ケアし続けたKelceと、スタンツに最大限注意していたLG DickersonとRT Laneも、サポートがいつもより少なかったはずのMailataもいいパフォーマンスだったと思います。
    ランこそ思い通り出なかったが、プロテクションがあれだけもてば何とかなる。

    次はQuinnen Williamsです。気を抜かずにお願いします。

 

  •  RB D'Andre Swift
    想像以上にWRとしての能力が高い。
    ルートランのキレ、レシーブ能力、RACのどれをとっても本職に全く劣らない。というかWR3的な使われ方だった。
    6/6 38ydsというスタッツ以上に困ったときに頼りになる存在でしたね。

    エンプティフォーメーションは好きじゃないが、Swiftでいいミスマッチが起こせる限りにおいてはいい選択肢になってるんじゃないでしょうか。

 

  • DC Desai
    前半はほぼプレシーズン的な使い方をした気すらするNCBの試し方だったが、あるときからRobyでそれなりに固定していたはず。
    カバレッジも、Kuppに何もできなかった前半を経て、後半は比較的シンプルなものに替えたそう。
    具体も良し悪しもわからないが、後半完封したのは事実。

    いいDefenseでした。

 

 

悪かった人

  • HC & OC
    Kelceおじさんに試合中にキレさせるんじゃない。
    この試合も3回侵入1TDという成績に終わったRed Zone Offense。
    これでRed ZoneでのTD率はシーズン通算で42.1%となり驚愕のリーグ27位
    2022シーズンが68%でリーグ3位だったところからの急降下。
    形容しがたい無能さ。ゴミすぎる。

    いかにA.J.がA.J.であり、DeVontaがDeVontaであり、GoedertがGoedertであったとしても、狭いスペースでそう簡単にプロのDB相手にフリーになれるわけがなかろうよ。
    モーションを多用するなり最初から人を寄せてスペースを作るなりなんかよくわからんけどミスマッチを作っていきなさいよ。
    ほんとに全くそういうのやらんよねあんたたち。
    ちなみにLAR戦でDeVontaに失敗したパスは、GoedertとWatkinsとDeVontaを同じサイドの狭いエリアに3人ぎゅっと集めるという理解に苦しむコンセプトだった。なんて素敵なセンスなんでしょう。

    感覚でいうと、10-20yd地点からの攻め方が下手すぎる。
    特に1st Down・2nd Downのプレー選択の保守性というか意図の見えなさが一級品である。
    もっと攻めろ常に攻めろ前だけ見てろ。

    しかしこれは余談だが、前述のRed ZoneTD率だが、リーグ28位はDALで36.8%というRed Zone TD率だった。
    このチームの何が恐ろしいって、2022シーズンはKCをしのぐ71.4%でリーグ1位だったことである。
    対戦相手としては存分に有能ぶりを見せつけられていたのになぜかクビになったKellen MooreはLACで68.75%(リーグ5位)という有能ぶりを見せつけている。
    有能をリリースしてこれとは。なんというか、McCarthyで耐えておられるファン各位の心中をお察しするものです。

 

  • 選手についてだが、Quezを除くと特に悪かったというものは思いつかない。

 

 

今シーズン一番いい試合だった気がしているが、懸念点があるとすると、一部のポジション(QB・WR・Donald)以外の戦力が足りていないというところ。

 

とはいえ5-0というスタートは最高のもの。

願わくば、もう少しOffenseに幅を持たせてくださいませ。

 

 

GO BIRDS!!