鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2023 Week11 @KC感想

Hurtsの嫌いな雨だけどグラウンドアタックの勝負だったら悪くないかな、と思っていたら全然ラン出ないし全然ラン止まらないしで非常にストレスがたまる経過でしたね。

 

あの結末は予想してませんでした。

 

結果PHI 21-17 KC

 

勝因などない。

あるのはKC側に起こった山ほどのドロップという敗因だけ。

あとはTaylor Swiftが来なかったせいでKelce弟が集中できてなかっただけ。

 

と、観戦直後には本気でそう思っていたのだが、何回か見返してると、非常にいい働きをしている人もいましたね。

 

 

展開振り返り

まずは美しい守り合いで3凡をやりあったあと、KCがじわじわ前進。

PHI Defenseも、MiltonのTFLのように時折いいプレーを見せていたが、ReddickFletchのどっちかだが責任者不明のPachecoのロングゲインから崩壊。

最後はKelce弟にMorrowCunninghamの2人がべったり張り付いている裏でフリーになっていたTE Watsonにパスが通って先制を許す。(0-7

 

 

返しのPHI Offense。

A.J.がダブルカバーを受けたことでゆるカバーになったDeVontaへのパスや、Kelceの美しいリードブロックなんかで、重くなったBox周辺を避けてとかくプレーを左右に振ることでなんとか前進。

最後もSwiftのオープンへのランでTD。(7-7

 

 

悪天候で双方ランも多く、これにて1Q終了。

2Q頭も重い試合展開は継続。

PHI D#は、中央でALL-Pro G Joe Thuneyをシングルで圧倒しまくっていたこの日大当たりのMiltonが効いていたことでKC Offenseをある程度制限、対するPHI Offenseはあらゆる手管で1st DownからBox内の人数を増やしてくるKC D#への苦戦がやまずHurtsA.J.のミスコミュニケーションでINTが発生。

 

ここの返しのシリーズはややオープンめに展開されたランとMahomesのスクランブルにいい感じに削り取られていき、PHI陣14yd地点からの1st&10。

TE Watsonを狙ったMahomesのパスを見事に奪ったのがByard

 

 

しかしこのプレーもOffenseの特効薬にはならず。

強いプレッシャーとA.J.へのダブルカバーのあわせ技に活路を一切見いだせないPHI Offenseはここから前半終了までの2シリーズを連続Puntで過ごす。

 

この間にKelce弟のTD+FGで10点を積み重ねられ、そして後半のOffenseも2シリーズ連続の、なにも面白くないクソスクリーン+QBドローという使い古されたグロ映像を繰り返すばかり。

結果は4シリーズ連続Punt、うち3シリーズ連続3凡という久しぶりに見る停滞ぶり。
Defenseが粘れていたから切れずに済んだだけで何度か観戦を放棄しそうになったし敗戦は2回ぐらい覚悟した。(7-17

 

 

DefenseのがんばりにおんぶにだっこだったOffenseが目を覚ましたきっかけは、Coveyのナイスパントリターン。

この日最長となる26ydsのリターンで自陣40yd付近からボールをもらった3Q残り6:58。

ここから、DeVontaへのパスとBrotherly Shoveで久しぶりの1st Down獲得。

そしてこれがこの日のBrian Johnsonをあまり責めることができない、Swiftへのエンドアラウンドでの35ydsゲイン。

 

これ、この前にも同じ隊形・同じモーションからRBのBostonに持たせるパターンを2回繰り返し、Swiftの方へのLBリアクションがないことを確認済みのプレーだったとのこと。

DefenseとCoveyのおかげで巡ってきたいいフィールドポジションという仕掛けるべきタイミングで機を逃さずにこのコール。お見事でした。

敵陣15yd地点まで進み、最後はHurtsのデザインランでようやくTD。(14-17

 

 

この返しはどうしても止めたかったPHI D#。
逆に、ボールは圧倒的に長く持ってるのになぜか3点差まで詰め寄られたKC Offenseもどうしても点を獲りたかったはずで、ギアを入れて4Q頭にかけて11プレー・6分弱のドライブでPHI陣14yd地点まで侵入。

ここで飛び出した値千金のプレー。殊勲はBradley Roby。

 

 

とはいえOffenseは相変わらず苦戦。
このあたりで腹立たしかったのが、A.J.も空かなくてBoxも重くなったらサイドスクリーンしかコールしなくなること。

そんなことでこじ開けられるかよ。どうせやるならHurts動かしてパスを投げるとかLB裏とか狙ったりできないかね、というところ。
この辺りはもろにGoedert離脱の影響が出ているはず。

 

 

そしてKCボールで問題のシーン。

PHI陣39ydで迎えたKCの4th&4。KC3点有利のこのシチュエーションで、Reidが選択したのは、パント。

そしてそれがあろうことかタッチバックに。KCの挽回は19yds分となり、PHIは自陣20ydからのOffense。

 

Sirianniなら間違いなくGambleを選択するところだったので本当にラッキーだった。

というのが観戦時の感想だが、実はもう少し微妙だったようで。

このシチュエーションにおけるアナリティクス的推奨プレーは確かにGambleなんだが、実はPuntという判断もそれほど悪くなかったはず、というのが以下。

Win Probabilityは、GambleでもPuntでも1ポイントしか変わらない。

Reidの不幸は、これがタッチバックになってしまったという結果であり、3ydで押さえられていたら全く状況は変わっていた。

とはいえまあこのシチュエーションなら仮にギャンブルに失敗してもWin Probabilityが64%あるならやはりGambleが正解だった気がしますが。

 

話が逸れた。

これで助けられたPHI Offenseは、ようやく奥を狙ったOffenseを展開。

それがてきめん。

プレーアクションからフィールド中央のDeVontaへのパスが通って自陣深くから脱したあと、さらにそこからDeVontaに2連発。

そして2発目が、DeVontaが大得意とするSlotからのフェード。

このルートが最高の結果につながるのを我々は何度も見ている。

それがこちら。

ここまでくれば、最後はアレで。

21-17

 

 

ここからはD#とSTが大車輪。

D#はMahomesへのSpyとKelce弟へのダブルカバーを継続して守りつづけ、STはこのビッグプレー。

MannもJobeもナイス。

 

 

そしてこのプレーには肝を冷やした。

 

で、最後の4th&25もほぼ更新されかけたがWatsonがドロップしてくれて試合終了。(21-17

 

 

勝利のカギは自陣Red Zoneでの2つのTakeawayに代表されるD#と、CoveyのナイスリターンとJobeのナイスタックルに代表されるSTの、健闘というか勝負強さでしたね。

 

 

主なスタッツ


A.J.も人の子でした。

 

CoveyはTDでもあればPro Bowl狙えるのでは?ぐらい浮かれちゃう程度にはいいですね。

Mannもシャンクはあった気がするがまあOKです。それが敗因に直結した前任者とは運の強さが違う。これは大事な要素。

 

 

最高だった人たち

  • 強豪犇めくAFCにおいて比較的Mahomesとやりあえていたように見えていたTEN戦士たちはやはり違った。
    そしてその中でも、おそらくこの日のGame BallはKevin Byard
    加入3戦目にしてようやく本領の一部を見せてくれた。
    チームを救ったINTはわかりやすいプレーだったが、あれ以外にもMahomesのプログレッションを次々に消していくSlotエリアでのパスカバーの安定感は素晴らしいのひとこと。
    上質な職人のお仕事に触れるというのは本当に心地よいものです。ため息が漏れる。

 

  • 惚れ惚れして特大のため息を連発しちゃうのがDC Desaiの仕事ぶり。
    KC対策は大別するとMahomes対策とKelce弟対策に分かれており、前者はReddickSpy起用、後者はDouble Coverageおよびそのフェイク。
    そしてそれ以外のベースも含めて、Desai Schemeの完璧な実行において大きな役割を担っていたのがByard
    Byardのベースでの実行の美しさは上に述べたが、真価が発揮されたのがKelce弟対策。
    基本のKelce弟のマッチアップをByardに担わせておいて、あとはパッケージに応じて誰と組ませるか、あるいは誰かと組ませるようにモーションにリアクションさせておいて実はフェイクでした、というもの。
    シングルカバレッジにおいてはKelce弟にちょこちょこレシーブを許していたが、Desaiがギアを上げた瞬間に準備していたものがハマるハマる。

    どういう設計とインストールをしたらこんなものが実行できるのか全く分からないが、結果は7レシーブ44yds1TD。
    充分抑えたと言っていいでしょう。

    このDCは大当たり。
    とんでもない拾い物でございます。

    どこかのHCに1年で出て行ってしまうことだけないように切に願っておるところです。

 

  • DAL戦でTyler Smithに完封されている映像を見たせいで将来に対して若干の不安が芽生えていたMilton Williams
    そんな心配は杞憂だった。
    ALL Proを圧倒し続けたこの試合の出来は期待をはるかに上回った。というかそもそもこんな期待してなかった。
    ごめんなさい。
    Cunninghamにもらった脳震盪、早く治してくださいませ。
    あとはパスラッシュだよ。わかるね。

 

  • 個別には多いので控えるが、KelceSwiftDeVontaCarterCunninghamMorrowBlankenshipも最高だったと思います。
    復帰初戦のJurgensはもう少しLBのブロックがんばってください。

 

 

悪かった人たち

  • "2nd&Longを作りにいく。そうしないと止められない。"

    そう語っていたという先方DC Spagnuoloの術中に完全にハマったのがSirianni & Brian Johnson

    途中まではひどいものだった。
    単純にLBを多くするのではなく、LBの外側にSを上げてきて枚数を増やしたり、CB Blitzを多用するなど練られたプレッシャーを、特に1st Downにかけてくる先方に対して回避する方法はサイドスクリーンとRPOしか持たなかった。
    全然回避できてなかったし。
    あのサイドスクリーン系、そろそろプレーブックから削除しなさいよ。

    良かったものを挙げるなら、Swiftの真ん中のスクリーンと、4QのDeVontaフィーチャーシリーズ。
    ああいうのですよ。
    プレッシャーを浴びすぎるとどうしてもコールも縮こまってしまう。これはわかる。
    それを自分たちで打開しようと、OLを信じて長いプレーをコールしたのは本当に良かったと思います。

    問題は今後。
    Goedertがいない現状、A.J.に人を割いてBoxに人を送ればなんとかなるとバレた。
    Personnelの傾向がこれまでと変わったという情報はあったがめんどくさくて確かめてはいない。
    よくわからんが、何とかしてください。

 

  • プロテクションが買われているとしか思えないKenny Gがそちら方面でも破綻。
    これにて使いみちなし、というのが17スナップ キャリー1回 レシーブ1回という結果ではなかろうか。
    Bostonのほうがキャリー多いし。
    そんなことよりPenny出せ。

 

  • DE Josh Sweat
    珍しいことにひどかった。
    特にランストップおよびパスラッシュにおけるコンテインの役割の遂行がえらい甘いもんだからここをきっかけに嫌なところで走られた。
    Mahomesのスクランブルや、Pachecoのビッグゲインのきっかけにもなっていた。
    バイウィーク前からこんな感じだったはず。
    反省してくださいませ。でも最後のパスラッシュはすごく良かったですよ。

 

 

今週のCarter

 

 

開幕前の皮算用では負けカウントだったところで望外の勝利が飛び込んできた。

次戦はOCカット後いきなりあのNYJから30点以上獲っちゃったBUF。

うむ勝てる気がしない。がんばれDesai。

 

 

GO BIRDS!!