今オフ最大の懸案が解決。
ドラフト?そんなもんはいまはどうでもいいんだよ。
祝・契約延長
我らがフランチャイズQB Jalen Hurtsとの延長契約が無事にまとまったとのこと。
実にめでたい。春が来た。
延長契約の内容は、5年255M(51M/年)で年平均サラリーはAaron Rodgersを抑えてリーグトップ。
見た目は派手だが、CLEとDeshaun Watsonの、5年230M全額保証というふざけた契約以降、リーグが注視していた保証額の水準という点では高いけど記録更新とはなっていない。
Hurtsの場合、110Mの全額保証を含む179.304MのInjury Guaranteeというのがその保証額。
Injury Guaranteeの179.304Mまでを保証額と取れば、その水準はWatsonに次ぐリーグ2位。
ただし、ただしである。
全額保証の金額で言うと、110M(22.0M/年)という水準になり、この年平均額で考えればWatson→Cousins→Dakの次になるのでまあ妥当。
手前味噌にもほどがあるが、以下で想定した水準からそれほど離れていなかった。
年平均も保証額も大きいが、その分インフレ著しいQB市場に出て行くのを5年という長期に亘って先延ばしに出来たこと、そして何よりもJoe Burrow(CIN)・Justin Herbert(LAC)・Lamar Jackson(BAL)という超高額が想定される今オフの延長候補者たちよりに先駆けて契約をまとめることができたことを考えればRosemanの勝ちと言って良いでしょう。
これは何のためらいもなくRosemanに万歳三唱していい案件ではないかと受け止めているところ。
Guaranteed For Injuryとは
ではここでお勉強の時間です。
一概に"保証"という日本語になるGuaranteeだが、NFL選手の契約においては3種類が存在するのだそう。
3種類とは以下のことだそうです。
- Guaranteed for Skill
以下いずれも"それが理由でカットされる場合でも支払われる"というニュアンスでご理解ください。
Skillに対する保証とは何の意味かわかりにくいが、パフォーマンスのことだそうです。
ということで、こちらは"パフォーマンスが低下したことでカットされる場合"にでも支払われる保証額、という日本語になるでしょう。 - Guaranteed for Cap
こちらはキャップ都合でカットされる場合にも支払われる金額。 - Guaranteed for Injury
ということで本題のこちらだが、ケガが原因でカットされる場合にも支払われる金額、ということになりますね。
つまり、パフォーマンス低下とかキャップ都合でのカットの場合はこの部分は払わなくてよい、ということだそうです。
Hurtsの場合、契約時点で保証されるのが110Mで、Guaranteed for injuryが179.304Mだということなのでパフォーマンスやキャップ都合でカットするとした場合に気にするべきなのは110M、ということでいいんでしょう。
そんな未来は想像もしたくないので、今後契約延長があるはずの若手QBたちに向けての単なる価値の物差しだと思っておきましょう。
タイムリミット
どんなにニュースにも表があれば裏がある。
表というかメリットはHurtsがあと6年いてくれるということ。
裏というかデメリットは、やはりキャップが厳しくなること。
タイムリミットというのはHurtsのキャップヒットが全体を圧迫し始める時期のこと。
Laneとは延長したしMailataとも契約再構築したからドラフト後にでももう少し動いて2023シーズンはやはり最後のオールインになるな…と勝手に思っていたところ、常軌を逸したキャップヒットが明らかに。
Eagles’ QB Jalen Hurts’ salary-cap numbers for the next four seasons after today’s $255 million extension:
— Adam Schefter (@AdamSchefter) 2023年4月17日
🏈2023: $6.15 million
🏈2024: $13.56 million
🏈2025: $21.77 million
🏈2026: $31.77 million
やっすい。
リーグのルールには適合してるんだろうな?
2026シーズンの31.77Mでさえ充分戦える。
しかしこうなると2027以降のキャップヒットがとても怖いが、まあそれはその時になってから考えましょう。
2026シーズンまでにSB獲ってくれりゃ何の文句もないんですけどね。
Hurtsのキャップ増大という軛からは当面逃れたが、どっちにしろKelceとLaneとGrahamとCoxという2010年代からのトレンチの大黒柱たちの老い先のことがあるので2023シーズンもオールインで結構です。
これにて今オフ最大の懸案は解決。
どれだけ大金を払ってもフットボールに集中しなくなるとかの懸念がないのがHurts最大の魅力。
副産物は、勝てそうなチームだと睨んだベテランFA選手が安くで契約してくれること。
リーダーとしても、プレーヤーとしても、その価値を証明しつづけてきた頼れる男に残されたお仕事はリングを獲ること。
当時目玉が飛び出たMahomesの10年450Mでの契約延長も、いまやとんでもないバーゲン価格に見える。
この契約が安く思えるかどうかはひとえにこれからのHurts次第。
何の心配もしていないが、どうかケガなく末永くよろしく頼みますね。
GO BIRDS!!