Nick RallisがあっさりとARIのGannonのもとへ。
結構引きがあったようだが最終的には勝手知ったる元上司のところへ行った形。
DCとしての能力は見えていないが、よくできたコーチだという評判なのであまり心配はしていない。
砂漠の真ん中で皆さんにかわいがっていただけるようにがんばれRallis。
Coordinator2枚に加えてLBCまで空白に。
ここはふわふわしていたポジションの1つなのでRallisという前評判が高かった人材が来てくれて安心していたがこういうこともあるんですね。
さすがに在野のLBC候補までは存じ上げないが、Joe KasperというQuality Control Coachの評判が良いという話なので一応彼が筆頭だと思っておきます。
そういえばOCの後任にはPassing Game CoordinatorのKevin Patulloの名前が挙がっていてもおかしくないのにあまり聞かないな。
極悪人なのか?それとも隠し玉なのか?
という長い前振りを経て、これから各ポジションの振り返りと2023に向けた要望をちょろちょろと。
FA市場が開く現地3月15日までには何とか各ポジションの振り返りを終わらせたいところ。
例年に比べて出遅れが甚だしい。
さてどうなることでしょうか。
オフシーズンスケジュール
とりあえずスケジュールに関するおさらいから。
大抵日本時間に直すと翌日になる感覚です。
- 現地2月21日~3月7日
Franchise/Transitionタグ貼り期間 - 現地2月28日~3月6日
Scouting Combine(@IND) - 現地3月7日~
各地でプロデイ開催 - 現地3月13日正午~15日15:59
合法タンパリング期間(実質FA市場開場。ただし当該期間の合意は未発効なのでFrank Gore→PHIのような悲劇には留意) - 現地3月15日16:00
リーグ新年度開始およびFA市場開場 - 現地4月27日~29日
ドラフト(@KC)
2022シーズン開幕前
さてここからが本題。
QBについて。
開幕前の陣容は以下の通り。
Stay:Jalen Hurts('20/2巡)・Gardner Minshew('21/Trade←JAX)
OUT:Reid Sinnett('21/Waiver)・Carson Strong('22/UDFA)
IN:Ian Book('22/FA)
2022シーズン開幕前のQBポジションに関する受け止めは、"AJも来たしBradberryも拾えちゃったしで急にオールインシーズンになったがHurtsは本当に大丈夫なのか"というもの。
これしか頭になかった気がする。
2021シーズンを通して成長はしているものの、Wild CardでのTB戦なんかのように"ディスガイズされると何も読めなくなる"という明確な弱点を抱えていた気がするHurts。
このプレーリードに加えて、やっぱりパスの精度全般が粗いよね、というふんわりした不安が混じりあっていたあの頃。
その不安の最大の出所は、"プレー以外のすべての面を愛してしまっていた"ことによる。
2023ドラフトにまあまあな資産を持っていたPHIがHurtsを諦めるとしたら2022シーズンの結果によるものだったが、一方でこんな愛せる選手に出ていかれるのは本当に困るな、という板挟みにあっていた。勝手に。
パフォーマンスのブレが激しかったと聞いていたキャンプを経て、プレシーズンでのパフォーマンスを見てようやく少し落ち着けた気がする。
そんな開幕直前の気持ちは以下だったようです。
QB(3)
結局ここに誰かを見つけない限りチームは安定しない。
#1 Jalen Hurts(Oklahoma) 6'1"(185cm)223lbs(101kg)24歳 3年目(1.6M・3/4)
2021:15試合(先発15試合) 265/432 61.3% 3,144yds 16TD 9INT Rating:87.2 Sack:26
俺たちの未来。になれるかどうかが決まるシーズンを迎える。
ルーキーイヤーからは改善が見られた2021シーズンだったが、信頼と負荷を肩に載せたシーズン前半の不振というか実力不足感と、ワイルドカードTB戦での強力OLを信じられないプレッシャーへの敏感さとドロップバックの粗さ等からくるリリースタイミングの悪さなどの致命的な弱点の数々を改めて見せてくれたことによってまだまだファンを不安にさせてくれる男。
さりとてそのリーダーシップやストイックさは、同僚たち並びにコミュニティを心酔させてやまない。
信じたい。だけど信じていいかわからない。
なんとか答えであってほしい。そうは思いながらサポーティングキャストが望外に充実した2022シーズンに結果を出せなければ無念のお別れとなりかねない。
愛している。だからこそ結果出せ。頼む。あとはパフォーマンス。
今季は天敵・Todd Bowles(TB)との対戦がプレーオフまでないこと、Patrick GrahamもNYGからLVに移籍したこと等を考えると、超えるべき壁はDan Quinn(DAL)のみ。成績の向上はもちろん、地区優勝もしくはプレーオフ1勝が契約延長への本当に最低のライン。
優秀なQBは頻繁にやると言われている300ydゲームとかを見てみたいものです。
#10 Gardner Minshew(Washington State)6'1"(185cm)225lbs(102kg)26歳 4年目(2.5M・4/4)
2021:2試合(先発2試合) 41/60 68.3% 439yds 4TD 1INT Rating:104.8 Sack:5
実は先発よりも給料が高いバックアップ。
脚はあまりなくて肩も致命的に弱いが頭と判断は割と良くて何よりコントロールが非常に良く冒険が少ないという計算しやすい有能バックアップ。
リーグにはあと10年ぐらいいるんだろうし、なんならHurtsよりリーグで長生きしそうだがPHIとは今季限りとなる可能性濃厚。
キャラは最高。
シーズン中にHurtsがケガでもしたら無理をさせないためにもこの男の活躍はチームの浮沈のカギを握る。
#19 Ian Book(Notre Dame)6'0"(183cm)206lbs(93kg)24歳 2年目(0.8M・2/4)
2021(NO): 1試合(先発1試合)12/20 60% 135yds 0TD 2INT Rating:40.6 Sack:8
NOによる驚きの4巡指名からたった1年での放流となり、いつの間にかPHIのロスターに鎮座していた男。まあSinnettよりビッグネームであることに疑いはない。
シーズン中にお目にかかる機会がないことを切に祈る。
2022シーズン53紹介 - 鷲の巣
そして蓋を開けたシーズンは…
2022シーズン結果
数字はプレーオフを含んだものです。
*Hurts:AP All-Pro 2ndTeam選出・Pro Bowl選出
想像なんか遥かに越えていきやがった。
"プレーオフでの1勝が最低ライン"ですって。
甘く見ていた。ごめんなさい。
結果は、Super Bowl進出かつあのパフォーマンスです。
AJという親友の加入とDeVontaやGoedertとのコンビネーションが磨かれたこと、高校卒業後初めてとなる2年連続の同スキームでのプレーによる理解力の向上など、さまざまに要因はあろうが、Hurtsファンとしては"Hurtsの並外れた努力"が最大の要因だったと言いたい。
大声で言いたい。
文句なし。
あまりにも書くことがないのでこれで終わる。
本当に最高のシーズンだった。
CHI戦で肩のケガをしたときは、"先は長い治るまで出てくんな"という気持ちと、"いや先だなんだ今出せHurtsがいないと勝てん"という両極端な気持ちの間を揺れに揺れた。
レギュラーシーズン最終Week18のNYG戦で久しぶりにプレーするHurtsの姿を観たときは、いるべきところにいるべき選手がいる安心感と、いつの間にか全身にまとっていた頼もしさで思わず涙しそうになったことを白状しておきます。
残る課題はポケットから追い出されたあとのパスの精度。
ここは2022のOLが強すぎただけだった説もあるので早急に改善が必要。
とはいえHurtsのことだからあっさりこのハードルも越えてくるんだろうな。
楽しみだな。
2023シーズンに向けて
契約的には以下。(数字はキャップヒット)
Rosemanにとってこのオフ最大の仕事は3年目を終えたHurtsの契約延長。
インフレ著しいキャップ事情を考えると争点は契約年数。
長くしたいチーム側(結果的に安く抑えることが可能)と短くしたいHurts側(3・4年後に市場に出れば今よりもっとQB相場は高騰している想定)によるせめぎ合い。
基本は4年延長になろうが、それを超える長い期間の契約となれば保証額はだいぶ増えそう。
年平均額が最高額近辺になるのはインフレの世界において致し方ないと諦めるしかない。
45M/年は超えるのだろうが、50M/年まで行くかどうか。
4年は囲えるのだろうが5年まで行けるかどうか。
チーム側にとっては、世代最高額が固いBurrowの契約延長より早くまとめたいはずで、ある程度Hurts寄りの契約になってしまうことは想像に難くない。
Wentzの時には見た目上安めの契約だったが保証額はだいぶ大きくなっていて、Win-Winっぽい仕上がりになっていた。
なかなか上手いように見えたこの手は、どこかのだれかが全額保証とかいう禁じ手を使ってしまったせいでもう使えない。
これは愚痴でした。
ということで、私の読みは4年延長50M/年です。
保証額は知りません。ケガの保証だけは大きくなりそう。
この場合実質5年200Mちょいなので40M/年。まだ現実的。
これ以下の金額だとRosemanの勝ち。これ以上の金額なら年数が勝ち取れないとRosemanの負け。
PHIというかRosemanというGMの特性を考えると、長期で囲ってしまうと毎年契約再構築の対象にできるので単年のキャップヒットの額はあまり気にしないでおく。
というか、別に50Mだろうが高くない。
Hurtsの情熱はロッカールーム中に伝染する。
そんな男を手放すほうがどうかしている。
繰り返すが、Rosemanにとっての最優先事項は何としてもこの男を囲うこと。
出来れば安く。だから早くしろ。
延長が失敗したらまた再建すればいい。
Wentzは俺たちに面の皮の厚さというプレゼントをくれました。
FAとドラフトだが、QB2を新規で探してくることとQB3をマシなのに入れ替えるという作業が残っている。
結構動きがありそうなポジション。
UFAになるMinshewに残留という線があるのかわからないが、まあ本人はまだQB1に返り咲くことを諦めていないでしょうからやや現実感が乏しい。
ということで欲しいベテランの筆頭はAndy Dalton(NO)。
NO戦でやられて思い知ったが、あいつはまだ働ける。
そして人柄も最高ときた。
欲しいに決まっておろう。
Jacoby Brissett(CLE)なんかもSirianniはINDで3年間一緒に仕事をしているので魅力的な候補かもしれない。
が、Daltonより高くなりそうな気がするのでまずはDaltonからでいきましょう。
若手枠のQB3だが、こちらは未調査なのであまりわかっていないが、とりあえず31チームが思っているのは、"次のBrock Purdyは落ちていないか"ということでしょう。
その点、重視すべきなのはフィジカルツールではなくインテリジェンス。
PHIの場合はRPOの運用が出来れば可能性が上がる。
とりあえず使えるストックから考えると7巡ぐらいしかなさそうなので、その範囲で考えるなら最高に欲しいのが、そもそもHurtsと同い年な上に逮捕で評価を落としそうなStetson Bennett(UGA)。
次いでChipの最新作であるDorian Thompson-Robinson(UCLA)とか、Grayson McCall(Coastal Carolina)とか。
(2/19修正:Grayson McCallは2023ドラフトにエントリーせずAuburnに転校してもう1年プレーするとのこと。Tamagoさんご指摘ありがとうございました。)
平たく言うと肩の限界があって天井が低そうなタイプ。
まあそもそもPHIでのBookのプレーを見ていないので現在地がわかっていないので取り替えに動くか不明ですが。
Hurtsも頑丈な部類ではあるがケガと無縁ではなさそうなので、できるなら興奮する人材を獲ってきてくださいませ。
Hurtsのどこが好きか、ということをつらつら書こうかと思っていたが思いがけず長くなってしまったのでまたの機会にします。
GO BIRDS!!