相手のミスに助けられてなんとか拾ったようなものだが譲り合いにしか見えない内容。
やっぱり木曜試合はやめよう。
結果:PHI 34-28 MIN
2試合を終えて明確に課題として浮かび上がってきたのが、OffenseはOCというかパスアタック全般におけるアップサイドのなさと、DefenseではDB間のコミュニケーションおよびLB・Sも加えたフィールド中央のコミュニケーション。
展開振り返り
ホーム開幕戦は、2戦連続でのリターンから試合開始。
開幕シリーズ、HurtsがDeVontaに逆玉ではあったがボムを通して敵陣10yd地点まで侵入するも、ここがBrian Johnsonのたぶん一番下手な、Red Zoneでまたしても停滞。
TDを狙う気が全く見えない消極コールの3連発でFGどまり。(3-0)
そして直後に漂い始めるゴミ試合の気配。
MINは1回ダウンを更新するがパント。それをPR Coveyがファンブル。これはRingoがリカバーして事なきを得るが、ボールは自陣10yd地点。
Laneのフォルススタートもあってなんとも停滞した空気のなかSipossが蹴ったパントはSBを思わせるようなショート。これを先方のPR Powell君がいい感じにリターンしてPHI陣奥深くまでグイグイ侵入してくるのを後ろからFFに仕留めたのがJustin Evans。
これをMorrowが押さえてPHIは13yds進んだ地点から攻撃開始。
だがこの日のPHIがこの好機を有効活用できるはずもなく。
Swiftのラン3連発でご機嫌に23yds進んだのに、続く1st Downからはサック→Goedertへのパスで1yd獲得→ダブルカバーを受けていたDeVontaへの無茶投げでINTという2021どころか2020臭すら漂う何ともくっせえOffenseを展開。
しかしまだ元気にあふれていたDefense。
1stプレーでMaddoxのFFが飛び出しあっさりTO。敵陣39yd地点でボールを押さえたのはEvans。
笑っちゃったのがここ。
せっかくもらったボールだったが、Hurtsが判断を間違った無茶キープ(ゲインなし)→A.J.への5yd→D#が張っているところにHurtsのキープ(3ydsロス)でFG。
この55ydを外したElliottに最初は「ちゃんと決めろよ」と思ったがこんなもんよく考えたら2ydsしか進めないOffenseの責でしかなかった。
こんな遊びをしているうちに1Q終了。
2回Defenseがボールを奪ってきたのに0点である。
2022シーズンもこんなだったか?劣化してないかい?
1Q最終盤からのMINシリーズは、Maddoxが傷んで退場するという不運なんかもあり、CousinsからHockensonへの短いパスやプレーアクションパスが一切止まらずあっさりTDを許す。
このシリーズで狙われたのは、序盤がEvansもしくはCunningham。Maddox負傷後は後に入ったMario Goodrich。
一番驚いたのは、1Q12分以上ボールを持ちながら、2Q頭にいつのまにか逆転されていたこと。(3-7)
そしてからようやく、冷静になったHurtsが"全部Swiftに持たせればいいんだ"ということに気づいてくれたおかげで2021シーズンのようなスタイルになりながらOffenseは順調に進行。
基本はSwift、たまにA.J.などで75ydsを16プレー、7:55をかけてTDに。(10-7)
前半残り2:44からとなった返しのMINシリーズは時折停滞しそうになるも、EdmundsやGoodrichといったところのミスもあり順調にPHI陣に侵入。
そして残り0:41PHI陣31yd地点からの2nd&10。
これはそもそも無理があったvs Goodrichのマッチアップを派手にちぎってボールを捕ったJustin Jeffersonを、Goal前1yd地点で値千金のFFに仕留めたのがEdmunds。
このボールがエンドゾーンを割ったのでPHIボールのタッチバックに。
発動するたびに議論を呼ぶこの"ファンブルしたボールが敵陣エンドゾーンでサイドラインを割った時だけは相手方ボールでタッチバックになる"というルール(敵陣エンドゾーンが絡まなければ、ファンブルしたボールが前に転がってサイドラインを割った場合はファンブル地点から保有していたチームのボールで再開。のはず)だが、こういう時にはあってよかったと思ってしまうのが人情。
残り0:34自陣20yd地点からのこのOffenseを、これまたBostonとHurtsのランで運んだPHIは残り0:04の敵陣43ydからElliottが61ydFGを沈めて加点。(13-7)
そしてMINボールで始まった後半。
2プレー目でSweatが先方控えLTをブチ抜いてサック。これがFFとなり拾ったCoxが敵陣7yd地点まで持ち込み、その後SwiftからいつものHurtsのスニークでTD。(20-7)
さらに続くMINシリーズを3凡に抑えて返しにDeVontaへのボムが通って点差はこの試合最大の20点差にまで開く。さすがに3Qも10分以上残っているがこのしょっぱかった試合もこれでおしまい。(27-7)
だと思ったら裏切られる。
その後は取ったり取られたり。
Jeffersonへのパスが止まらなかったもともとのところの勢いが増したことに加えて、よく頑張っていたJobeがAddisonにブチ抜かれたりと猛追を受けるが、一方のPHIも4Q中盤には出ると分かったSwiftのランを8プレーのシリーズ中7回もコールするハイスクールフットボールで加点してなんとか逃げ切り。
結局20点分作っていた貯金が効く形で、なんだか煮え切らない形で終戦。(34-28)
主なスタッツ
良かった人たち
- K Elliott
60yd超のFGを複数回蹴って全部成功(2/2)しているのはElliottのほかに昨プレーオフでイップスっぽくなっちゃったBrett Maher(当時DAL・現LAR)の3/3だけなのだとか。
これは歴史的偉業。
そしてなにより前回61ydを沈めたのは2017シーズンのNYG戦のサヨナラFGとなったあの時。
縁起がいいにもほどがある。
- OL
ランプレーは想定通り。
よくインサイドも押し上げていたし2列目へのブロッキングも上々。
プロテクションも悪くなかったはずで、4回のサックはHurtsの判断とか運の悪さによる総合的なもののはず。
ただ、1~2個分は両OGのスタンツへの対応のまずさ、特にJurgensのところがだいぶ危なっかしい。
ここはこのOffenseほぼ唯一の伸びしろなので今後に期待ということで。
OLにとってはいい日だったと思います。
- QB Hurts
まあ良かったプレーもあった。
MINのカバレッジの狙いを読み切って長いのをDeVontaに通したパスなんかは最高だった。
ただ、まだ判断が遅いし、ターゲットが偏りすぎだし。
そもそもやっぱりZone Readの判断が前から思ってたがあんまり上手くないよね。
EDGEに人が残ってるのに平気でキープするし。
こっちに分類したが給料には全く見合わない。
Goedertから入ったのは良かったが、もう少しOZとかStollにも散らしていきましょう。
- Defense
STも1つあるとはいえ4テイクアウェイは見事。
文句なし。
Play fast, play hard 🤝 4 takeaways#FlyEaglesFly pic.twitter.com/e16rSKNW2V
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2023年9月16日
- DT
ランプレー喪失9回28ydsの原動力。
Davisのパスラッシュが前半は相当キレていたのが印象的。
後半は消えた。体力的な問題かな。
JCもちょくちょくいいプレッシャーをかけていた。
やや不満なのがCox。
ダブルチームはほぼJCとかに行ってたのにシングルブロックで消されすぎでは?
DTトップの44スナップ(76%)はさすがに多いか。
ちょっと出番減らしてもらいましょうね。
- 外CB Slay・Jobe
見返してみて気づいたが、2人とも良かった。
Slayは山ほどJeffersonに通されたが、あれはもうやむなし。
あのタイトウィンドウにバシバシ投げるCousinsとJeffersonが凄すぎるだけ。
JobeもAddisonはほぼ封じていた。あの1回だけ。
彼の成長はもう少し見ていたいのでBradberry復帰の暁にはNCBをやってもらいましょう。
- RB D'Andre Swift
地元凱旋初戦でキャリアハイ。
ドラマ性は抜群。
しかしSandersとかGainwellとは格が違うというか、やはりうまい。
ビジョンが悪いという話もなくはないが、あれだけ空いているところを見つけられれば文句なし。
見極めるところとさっさと上がるところの緩急もよくついていた。
エースです。おめでとうございます。
ケガなくやっていってください。
- EDGE Josh Sweat
全然本調子にならないReddickや、いい仕事はしているものの最後までは届かないBGや、まだ出番を勝ち取るまでもいかぬ若僧Nolanや、そもそも箸にも棒にも掛からない96番ではない。
知名度は低いがやっぱり頼りになるのはあんただよ。
いい仕事でした。
悪かった人たち
- OC Brian Johnson
前述したTOからの得点力の低さ、Red Zone Offenseの下手さなど、全般に、絶望的に積極性に欠ける。
決まったボムが2発あった。2発ともDeVontaに、1発はFGに結び付き、1発はそのままTDとなったパスである。
目立った積極性はこの2プレーだけだったが、これらはいずれもHurtsからDeVontaにシグナルが出ていた。
つまりいずれもカバレッジを見たHurtsのアドリブである可能性が高く、スクリプト外のプレーである可能性は否定できない。
こうなるともうOCなんか不要なのでは?という気持ちしか湧いてこないのだが。
加えて言うなら、ターンオーバー直後のプレー選択。
セオリーは"もらったチャンスだし1発デカいのを狙え"であるはずで、Steichenも当然そうしていた。
しかしこの男は一切それをしない。
なんだね4回のその機会を全部ランから入るっていうのはどういう心境なのかね。
もちろん全部長いパスを投げろと言っているわけではない。
だが程度というものがある。
そういう観点からいうと本当にクソだとしか言いようがない。
Sirianniもかかわるゲームプラン作りとは、具体的にはシチュエーションごとにコールするプレー群の準備と決定であるはずで、最終的にプレー間の短い時間であらゆる状況を勘案してそのなかからどのプレーを選ぶかはOCの腕一本にかかっているはず。
そういえば開幕戦でもSlayのPick-6のあとひどくプレーが縮こまった時間帯があった。
もしやこの人は"ターンオーバーは敵に起こったのだからいつでもこちらに起こりうる"と強く意識してしまう人なのではなかろうか。
だから敵からボールをもらった直後こそプレーコールが縮こまってしまうと。
まあファンブルでボールをもらった場面しかなかったのに直後からRBに絶え間なくボールを持たせるんだからそこはなんとも矛盾しているんだが。
恐怖は理屈ではない。
頭ではわかっていても半端ではないプレッシャーがかかる状況では反射が優先される。
咄嗟の判断が常にこんなに消極的なら、もう生まれ持った資質がOCに不適格なんだと思わざるを得ない。
こうなるとこの人について回る"ナイスガイだ"という評判すらOCとしての資質に疑義を投げかけるものにしか聞こえなくなってきた。
他者の評価など気にしてデカい盤面を動かせるか。
以上、人となりを知らないなかであまりにも妄想が過ぎたためJohnsonには失礼なことを書きなぐって恐縮だが、個人的にこのビビりは治らないと思っているのでQBCのAlex Tanneyにでもプレーコールさせればいい気がしているもの。
さてSirianniさんの判断はどうなんでしょうかね。
- OC Brian Johnson
ここからはSirianniとどちらに責任があるか不明瞭な部分。
プレーが単調すぎやしないかね。
変調が一切ない。
パスの時はDeVontaとA.J.が奥に飛んでくるだけ。
モーションを混ぜてミスマッチを作って、とか、バンチ隊形からWRをごにょごにょさせてマークを外す的な、そういった工夫はないのかね。
MINがいとも簡単にJefferson vs Goodrichのこの世で一番イージーなマッチアップを作っているのを見るにつけてうらやましさが募った。
タイミングが長いパスは浅め~ミドルまで人がいないし。
ああなるとHurtsとしても投げにくかろう。
特にQuezがいなくなってから顕著になった。
あの浅いエリアでメリハリをつけられる戦力が欲しい。
Hunter Renfrowとか。
OZはそのために獲ったのではないのか。工夫して使えるようにしなさいよ。
2試合でターゲットなしはさすがに不憫。
- DC Sean Desai
カバレッジの設計の良し悪しについては正直一切わからないが、落とし込みが悪い。
LBはなんであんなに誰もいないところに下がるのか。
数的不利がなんであんな簡単に出来上がるのか。
なんでJefferson vs Goodrichなんていうマッチアップが何度も作られるのか。
なんでCoxをもうちょっと頻繁にローテーションしないのか。
このあたり、疑問が芽生えてきた1戦だったので今後注視していきます。
- NCB Mario Goodrich
いやあ派手にやられたね。
Maddoxの負傷以降入ったGoodrichだったが、そのやられようはなかなかのもの。
PFFによると、この日の彼は6ターゲット6レシーブ60yds1TDの被レーティング147.9という惨憺たる成績だったそうです。
いきなりリーグトップとやりあわねばならなかったのは不運だったがいい勉強になったのでは?
Bradberryを中に動かして外に誰か獲ってこいと外野はうるさいしストリートにいるCB William Jackson IIIを招いたという事実はあるようだが、もう少し様子を見てもいいじゃない。
次週はがんばってください。出番があれば。
予後
開幕戦に引き続いてケガ人は出るわでいろいろあったWeek2。
その後の動きについてです。
- NCB Maddox
FFを記録するなど開幕戦に引き続きいい働きだったが、2Q序盤にMattisonをタックルした際に負傷。
それが大胸筋断裂という大ケガだったことが判明。
シーズンエンド。
契約上、来季6月以降にカットとなると7M程度のキャップが空くこともあり、もしかしたらこの試合が見納めだった可能性まである。
FFのプレーにしてもGoodrichが入って以降もそうだが、NCBとしては相当に優秀だったのでなんとも残念。
とりあえずは治療に専念してください。
願わくばもう一度PHIでプレーする姿が見たいところです。
後任は恐らくしばらくGoodrichを試すんだろうが、キャンプでBradberryがNCBにちょこちょこ入っていたことからそっちの説を推す、というか願う現地ファンは多い様子。
個人的にはGoodrichを育てたいところだが、Bradberryの代役外CBを務めたJobeが想像以上に良かったこともあり悩んでいる。
そして前から申し上げている通り、BradberryがNCBでTEのカバーに回るというのは非常に魅力的。
垂涎である。
Week2でCHIのルーキーCB Tyrique Stevensonに手荒い新人教育をした(6回捕球171yds1TD)と伝えられるTBのMike Evansとのマッチアップを考えるとBradberryは外に置きたいところだが、こういう相手にJobeがどこまでできるのか興味は尽きない。
よしがんばれJobe。
ということでBradberryがMaddoxの後任を務めるに一票。
- P Siposs
SBの悪夢がフラッシュバックしたしょぼパントからビッグリターンを招いたSipossが、試合後とうとうPSからカットされた。
そもそもの飛距離がないうえに重要な場面でシャンクあるいは引っ掛けるという致命的な悪癖を持っており、事実それがTyree JacksonのACLを切ったりSBでの敗戦における大きな部分を占めたりと、個人的には長らく退場いただきたかった選手の1人だったが、このたびようやく縁を切れる運びになったもの。
後任は元NYJ・PITのBraden Mann。
以前も紹介していたとおり、Rosemanからすると1年越しに待ちに待った選手との契約ということになる。
まあはっきり申し上げてSipossと同等の選手です。
飛距離はSipossよりあります。
ただ、Sipossよりバラつきます。
派手に飛ばし、派手にシャンクするP。
もとよりPとしてのお仕事にはあまり期待しておらず、むしろがっつり敗因になることも十分あると覚悟しておきますが、おそらくホルダーも務めるはずなので、そんな選手を獲ってきておいてここまで好調極まりないElliottのお仕事に悪影響が出でもしたらRosemanを口汚く罵らせていただく所存。
- A.J. Brown
サイドラインでHurtsと口論っぽい何かを演じているシーンが全米放送にさらされたA.J.。
"フラストレーションレベルでは10点満点で2点だ。大した話じゃない。"と一蹴したSirianni以下チーム内では大したことではないと見なしている模様。
乗っかろう。
来週がんばれ。
ただしBrian Johnsonよ。お前はもうちょっと責任を感じろ。
- Rashaan Evans
いつのまにか契約解除となっていた模様。
Evansサイドからの申し入れだったとか。
ついでにSermonもPSからカットされております。
DALが仕上がりすぎてて本当に怖いんだよ。
なんだあのDefenseは。
そんな同地区を見るにつけて不安が募る。
とにかく望むのは1日も早くOffenseのエンジンがかかること。
Brian Johnson本当にがんばれ。
寝るな。
GO BIRDS!!